簾(すだれ)の役割
おはようございます、紙太材木店の田原です。今朝は14度の川辺町紅葉したケヤキが朝日を浴びて秋を感じさせてくれます。最近の夏の日射遮蔽の定番はシェードやブラインドですが一昔前の日本家屋では簾(すだれ)を使うのが一般的でした。日差しの強い西日や朝日を安価に防いでくれる優れものです。軒や庇に取り付けてぶら下げるだけですから誰でも容易にできます。しかし、俵屋の簾の用途は日射遮蔽だけではありませんでした。あっても恐らくその用途はほんの少しで、気持ち程度と思われます。京都の町中ですからビルもあって、東側には5階?建てのビルがあります。上の写真は東向きの窓で簾が下がっています。お隣のビルで日射はほぼ入りません。簾は日射遮蔽が目的ではないんですね。伺ったのはつい先日の10月末です。その部屋、その空間に入った時に最初に目に入ってくる景色や外との繋がりがどう見えるか?部屋の設えも大切なんですが、外の景色がどう見えるかそちらを優先していると言っていいでしょうか。撮影した写真をトリミングして余分な景色を排除するのと似ています。写真の右の障子は、見る必要のないものは見せずで明るさだけを得ています。写真の部屋には椅子とソファーがありますが、座卓の部屋のケースでは視線はもっと低くなりますからまた違った工夫がされています。また、この部屋は2階ですが1階の部屋では掃出し窓の高さを低くしたり雪見障子をつけたりと部屋ごとに異なります。それと、上の写真も実は外側には電動のロールスクリーンが付けてありますから日射の微妙な季節にも対応ができます。住宅でも家族が集うリビングに入った時、いかに心地よく感じてもらえるかは設計者の工夫次第と言うことになります。俵屋の設計は吉村順三氏。足元にも及びませんが何とか近づきたいものです。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから