木の使い方の基本
おはようございます、紙太材木店の田原です。事務所のケヤキの葉黄色や茶が半分を越えました。週末の雨で落ち葉が増えそうです。隈研吾さんの設計した木材を多用した建物が至る所で劣化しているという記事が最近多く出ています。読まれた方は、やっぱり木材を使った建て物は劣化が早いんだと誤解してしまうのではないかと危惧するこの頃です。外装に木が使われ建てられてからそれほど年月が経ってないのにカビが付いたりや不朽が始まってる云々・・・記事のさわりだけ読む方も多いはずで、それだけが記憶の片隅に残ってしまうのはとても残念です。でも、法隆寺が建てられたのは7世紀。外観を見れば分かりますが、木材がいっぱい使われていますしそれはむき出しになっています。法隆寺の木材に腐朽が始まってるなんて話はあまり聞いたことがありません。隈さんの建物で不朽が始まってて法隆寺ではそれが無いとしたら、それは木材のせいではなく使い方の問題と言うことになります。木を建物で使う時の使い方の基本は雨は真上から落ちてくるので木が雨に直接当たらないように庇をつける屋根をつけるこれだけです。なので、外壁に杉板を張った時も同じで雨が直接当たらないように屋根や庇をつける。紙太材木店の西の壁には杉板が張ってあります。板の厚みは二分三厘(にぶさんりん)昔は二分三と言われる杉板で約7ミリの厚み大正2年(1913年)の建物ですから110年以上経過してますがまだ、現役です。傷んだところだけ張替えをしようか全面張り替えるか考えていたのですが、先日京都へ行った時妙心寺の庫裏の修繕を見学したのですが修繕は傷んだところだけ。全て交換したり全て替えたりするのではなく、同じ材料を使ってそこだけ補修するのが基本そのように聞きました。確かに傷んでいないところまで替えるのは気持ち的に抵抗がありますから直すときはそうする予定です。紙太材木店で新築で外壁に使用する杉板の厚みは15ミリですから100年前の倍の厚さになります。京都の町家や倉敷の街中でも外壁に杉板は多く使われています。住まいにおいて外壁に木を使う時の基本を守れば、ちゃんと長持ちしてくれます。それは日本の古い町並みや歴史が証明してくれてます。環境に対する負荷が低くメンテナンスも容易な杉板。30年、40年と言うスパンで見た時、サイディングよりずっとお値打ちです。もう一度写真の杉板は、厚さ7ミリなのに110年。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから