基準法改正後 劇的ビフォーアフターの予算はどうなるか?
昭和の初めの古い網入り型ガラスおはようございます、紙太材木店の田原です。天気のいいのが続いて助かります。雨では仕事になりませんから水商売などと言われますが、実際、雨や雪では外仕事ができません。千種の家もようやく大工さんの造作工事が終わり、内装工事が始まります。珪藻土塗りと和紙張り、その後は外構工事も控えています。建物の完成は年明になる予定です。見学会は真冬の一番寒い時期になりそうですから、住まいの温熱環境に興味のある方は楽しみにしていてください。暖房負荷は4.6kWh/m2自然温度差は12.04度Q1.0住宅レベル4Ua値は0.23(QPEX計算)断熱性能等級7建て替え前の家は市内では珍しくなった戦前に建てられた家でした。建具や古材、古いガラスなどを再利用しています。さて、劇的ビフォーアフター日曜日の夕方に目にしますが、来年の建築基準法の改正であのような改修は相当程度ハードルが高くなります。柱や梁つまり建物の構造の変更を伴う改修例えば部屋の間取りを大きくするために二つの部屋の間の壁や柱を取り払うのは、構造を変えることになります。このような場合、新築を建てる時と同様に確認申請を出すことになります。確認申請を出すということは今現在の建築基準に合致させる必要があります。耐震性につても断熱性についても、2025年に改正される建築基準に合わせなければ確認許可が下りません。つまり、そこまでしないと改修できない訳でそれでもなお改修しようとすると現状の建物の調査に始まり、調査結果に基づいて現行基準に合致させるための設計も必要になります。古い住宅を改修して住むには、相当程度の費用負担の覚悟が求められることになります。現状のリフォーム工事は新築と違って法的な規制がほとんどありませんから誰でも何所でもどんな風にでもやりたい放題がまかり通っていて悪徳リフォーム業者の話しは枚挙にいとまがありません。国としてもいい加減なリフォームを何とか規制したい思惑があります。ただでさえ、耐震性が低い住宅なのにその家の壁や柱を取ってしまって、広い空間を作ることもなんの問題もなくできているのが今の日本・・・観光地では古い町家を改修しておしゃれなカフェや雑貨店にしてあるケースもありますが、耐震性などどこ吹く風で長居は無用のお店が溢れています。その点、美濃市は小さな市ですが市内に森林文化アカデミーがある関係からか多くのお店がしっかりと耐震改修がされています。そんなお店は中にいても安心感があってゆっくり商品を見れますが、単に壁や柱を取って広くしただけのお店に入った時は今地震が来たらどうやって逃げよう一般の方はそんな風には考えないと思いますが商売柄そちらに気がいってしまいます。話しが反れましたが、そんなわけで来年の基準法改正後は劇的ビフォーアフターが同様の内容で放送しようとすると番組の最後に出てくる予算の+数百万では収まらない金額が必要になると思われます。古い住宅の改修のハードルが上がるとなると空き家はますます増えるわけで、ケースバイケースや住宅と店舗を分けるあるいは地域性を考慮するなど、行政には柔軟な対応が求められますが改正後しばらくは混乱が続くでしょう。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから