板を接ぐ
おはようございます、紙太材木店の田原です。週末は台風一過で晴天の気持ちのいい日でした。以前、紙太材木店の長屋の改修工事の事を書きました。50年以上置いてあるだけのもの。当時は捨てるにはもったいないから置いておく感覚で残っていたものが、数多くありました。多くは処分したのですが、先日、捨てきれず置いてあったものを再度整理した時、昔の職人さんの手仕事が見えるものがありました。箱の側面の板ですが板と板を繋いであります。板の厚みは3分(9mm)ほど。今でも板と板を繋ぐ方法はビスケットやダボあるいはジョイナーと呼ばれる金具があります。板の厚さが9mmとなると、ビスケットやダボでは限界です。更に薄く6mm程度の板となるとそれではお手上げです。指物師(さしものし)という職人がいます。箱や家具、机や箪笥など板材をさし合わせててつくる職人の事を言います。指物大工、箱大工という言い方もありますが今でいう家具職人のこと。何が刺さっているかと言うと竹釘(たけくぎ)幅広の一枚の板では高価ですし、反りや割れが出ることがあります。幅の狭い板を繋ぎ合わせれば板は安価ですし、無駄にすることも少なくなります。もちろんそこを技術と知恵と手間で補うことになります。合板や単板などが無い昔の板戸などは薄い板を繋いで一枚の板のようにしてあります。一枚の板のように見えるなら単板が合板に貼ってあれば同じこと値段が安いならそれでいいんとちゃう。そういう考えもありますが、こういう手仕事には技術と知恵と手間が垣間見えて、何か人を惹きつける魅力があると感じます。もちろん、何のこっちゃの人も世の中には沢山いますが。