誰もが、いつでも、どこでも
おはようございます、紙太材木店の田原です。台風の進路が気になります。18日の日曜日は、羽島の家で庭づくりのワークショップの予定。既に造園用の土は搬入してありますが、さて、雨ならどうしようかと思案中です。台風と言えば、平成30年ですから2018年の台風21号の被害が記憶されます。瓦の被害が多くあちこちの補修に駆けずり回りましたが、難儀したのは同じ瓦が無い…日本瓦であれば何とかなりますが、陶器瓦やセメント瓦はメーカーが既に廃盤にしているケースが多くありました。問屋に依頼して日本中の在庫を当たってもないケースもあり、似ている瓦で代用のケースも間々ありました。そんな中で記憶に残るのがこちらの屋根。工事中でこれから瓦を葺くところではありません。高台で南に面した瓦が全て飛ばされた状態で、写真の左の端にわずかに残った瓦が確認できます。昔ながらの葺き方で土葺きですから、瓦自体はこの土の上にのせてあるだけです。さて、この飛んで行った瓦はどこへ行ったかと言うと…道路を挟んだお向かいの家の屋根を直撃。シャッターにもヘコミが見られます。もちろん、外壁にも穴が開いてました。この屋根の瓦も同じものはあるようでありませんし、外壁も同様です。建てたHMに依頼したところ同じものはないと言われ、ひょっとしたら…と向かいで工事をしていた紙太材木店に問い合わせがあったもの。新築を検討される多くの方がメンテナンスを気にされますが、メンテナンスの本質は誰でも、どこでも、いつでも、そのメンテナンスができること。特殊な技術や設備、あるいは資材は作った人しか、作ったメーカーしかできません。日本の多くの資材メーカーは、新製品を定期的に出すことで売り上げを維持しているケースが多々あります。(同じものを出していると売り上げが落ちる傾向があるため。日本人の新し物好きの国民性?)加えて、30年保証、50年保証と言っても、屋根に乗ってる瓦や外壁がその期間ずっとあるわけではありません。台風の被害に備えるには、保険だけでは限界があります。同じものが無いからと言って全面葺き替えや張り直しの金額が全て出るわけではなく、それは車に傷がついたからと言って全塗装してくれるわけではないことと同じです。50年保証だからと言って、自分の生きている間ロハで家の面倒を見てくれるわけではありませんから、住まいで使う資材や設備機器はできるだけ汎用性のあるものを考えておくことが、メンテナンスの基本と考えます。