入れればいいわけでは無い、壁や床の断熱改修
おはようございます、紙太材木店の田原です。今朝は雪。それほど積もっているわけではありませんが、細かな雪が深々と降ってます。午後はKKBの集まりが名古屋でありますから早めに出かける必要がありそうです。先日、断熱改修の相談を受けました。20年ほど前に建てられた住まいです。契約では床下に断熱材があるはずでしたが、余りの寒さに確認したところ床下に断熱材が入ってなくて数年前に入れたとのこと(建てた業者はすでに倒産)壁の断熱材は20ミリほどのスタイロフォームが放り込んであります。放り込んであるというのは、固定されてあるのではなくただ、入れてあるだけと言う意味です。壁の厚さは105ミリそこに20ミリの断熱材ですから85ミリの隙間ができます。もちろん、壁の気流止めなんてありませんから床下の空気はその壁の85ミリの隙間の空気と一体です。更に言えば壁の隙間の空気は在来工法の構造上、1階の天井裏の空気と繋がっています。天井裏の空気は2階の壁の空気とも繋がっていて、それは屋根裏の空気とも一体です。在来工法の大壁の家はたとえ断熱材が入っていても、壁の中いっぱいに充填されていなければ床下から屋根裏まで一体の空気になります。その空気と室内を仕切るのは12ミリのプラスターボードと張ってあるビニルクロスだけ・・・もちろんコンセントや照明のスイッチが壁についていれば、そのわずかな隙間から冷気が室内に入ってきます。壁を板張りにすれば、乾燥して収縮した板同士の隙間から更に冷気が入ってきます。部屋を暖房して暖かくすればするほど、暖かい空気が室内の天井近くの隙間から逃げていき、出ていった暖かい空気と同じ量だけ冷たい空気が室内に入ってきます。いくら暖かくしても部屋は15度以上にはならず、ひざから下は更に温度が低い。日本の少し前の住まいを暖かくするには、断熱性を上げることと壁の中の通気を止める事の二つをする必要があります。しかし、壁の断熱性を上げるには外か中の壁を取り除いて断熱材を入れるしかありませんが、それはにはお金も時間もかかります。次善の策が壁の通気止め、気流止めです。床の断熱材を厚くすることも有効ですが、床の合板に密着させる必要があります。床の断熱材は一般的にスタイロフォームのように硬質系の断熱材が使われますが、床合板の裏側に密着させて取りつけます。断熱改修などで後から取り付ける場合はどうしても隙間が出来て、効果が半減してしまいますから密着させるには工夫が必要です。壁の断熱材にしても床の断熱材にしても入れてあるだけではNG。基本的には室内側の壁や床に密着している必要があります。壁の場合それが出来なければ、気流止めで壁の中の空気が対流しないような工夫が必要です。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから