オープンな縦張りのファサードラタン
おはようございます、紙太材木店の田原です。今日から数日雨模様とか。涼やかな風の吹く、カラッとした秋晴れが懐かしいこの頃です。木の外装材というと最近では杉板が思い起こされます。焼杉もありますね。倉敷等の古い町並みの家々をよく見ると壁や塀などいたるところで使われています。もちろんこの木で建物の外壁を覆うのは日本だけではありません。こちらの森林文化アカデミーの活動報告にドイツの木造建築の紹介がありますが建物の外壁には多くの木材が使われています。報告の中で解説しているように雨の多い高温多湿の日本では物理的な対策(軒や庇)が必要です。数年前、北総研が準防火地域でも木の外装材を使える認定を国交省から取得しました。北総研と言う公的機関が認定を取得しましたから日本全国、誰でも無料で使うことができます。建築業界と言うのは実は差別化の名の元、特許を取得して他社に使わせないという〇〇工法や〇〇断熱が多数存在します。そこには住まい手の利便性とか住宅が社会資産であるという意識はありません。どちらかと言えば住まいは単なる商品で売上の数字だけが全て。そんな住宅会社がまだ数多くあります。なので、耐震等級を上げることや断熱性能を上げることは価格のアップになりますから売上減少に直結します。極力そんなことはしたくないのが本音セールストークも寝た子を起こすな知らないことは伝えるな今までの性能や仕様で十分と言ったトークになりがちです。さて、北総研が取得した準防火地域でも外壁に木材が使える認定はきちんと仕様が決まっていて、その通りでないと認定されません。外壁に使う板のつなぎ目にも仕様が決まっています。一般的な重ね張りやつなぎ目の上からつなぎ目を覆うようにもう一枚板を張り付ける仕様は問題ありません。実は、このつなぎ目の隙間と言うのは火が燃え抜ける原因とされていて僅かな隙間から火が板の裏側に燃えていきます。なので、この隙間を作らないのが認定された仕様の共通の仕様になっています。今回の新住協の総会で発表したのは準防火地域でも使える縦張りのファサードラタンつまり、縦張りの板と板の間に隙間(6mm~12mm)を入れた木の外装材の認定です。どんなイメージかと言うとリプランで八丁平の家として紹介されていますからご覧ください。新住協の昨年度の事業計画で、国の認定を取得したもので実は費用もかなり掛かっています。費用は会員の年会費から捻出したものですが北総研の木外壁と同じくこの仕様は一般に公開されます。私たちの全ての技術はオープンです。新住協は特定の企業や団体に偏向することなく、またその技術はフランチャイズにすることもなく、全てのオープンな技術として公開しています。そうすることで、最終的にはユーザーの誰もが良質な住宅を求められる社会ができると考えるからです。紙太材木店インスタグラムこちらから紙太材木店HPこちらから