相談相手を間違えてはいけない 木造住宅の再生、リノベーション
おはようございます、紙太材木店の田原です。週末は大阪で久しぶりの住宅医スクール。山辺さんの講義は既存住宅の改修方法。山辺さんと言えば構造の大家ですからもちろん既存住宅の構造補強の手法です。土壁で梁まで達していない壁の土壁を残したままの補強方法などは、日本中探しても誰も教えてくれません。しかし、実際の耐震補強現場では誰もが遭遇しています。今回講義の後に住宅医の検定会もありました。どの発表者も予算制約のある中で耐震性、劣化対策、断熱性、省エネ性、バリアフリー、火災時の安全といった6つの項目の評点を上げなければなりません。少しでもコストのかからない手法を検討する必要がありますので、その手法の評価の裏付けが必要となります。建築士の思い付きの手法では裏付け、つまりエビデンスがありませんから評価されません。その根拠になる授業が山辺さんの講義で、山辺さんは住宅医協会の代表理事でもあります。古くてもとてもいい日本建築の伝統的な住まいがどんどん壊されていきます。これは修繕の仕方を知らない建築士やハウスメーカーの責任もあります。つまり、建て替えかリノベーションか悩む住まい手からの相談があっても耐震補強をしても無理です、とてつもなく費用が掛かります、断熱性も耐震性も一定レベルにしか上がりません、それより建替えて新しくした方がいいんじゃないでしょうか?相談相手を建築の専門家だと思ってますからそう言われれば壊して建て替えしかないかと思ってしまいます。建築の専門家と思っているその相手は、木造の建築の補強方法の知らない建築家つまり何もわかっちゃいない専門家なのですから、そもそも相談する相手として間違っています。木造建築の直し方が分からないのですからエビデンスのある直し方を知らないのですから壊しましょう、建替えましょうと言うに決まってます。大規模な住まいのリノベーションや再生をお考えの方は相談相手がそのような経験があるかだけでなく、どこで直し方を習ったのか、あるいはどのように勉強したのかも確認する必要があります。山辺さんを知らないようなら眉に唾を付けて話を聞く必要があります。上の写真は週末のお伺いした花池の家のお風呂。定期点検でお伺いしました。浴室にも温湿計があるのはなんだか嬉しい気持ちになります。