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劇場通いの芝居のはなし

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2017.09.06
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カテゴリ:詩を読む稽古
学生に発声法・台詞術を教えるテクストの一つとして、萩原朔太郎『竹』を使っています。その指導の様子を少し、書いてみましょう。二連の詩で、一連目は次の通りです。
「かたき地面に竹がはえ/青竹がはえ/地下には竹の根がはえ/根がしだいにふくらみ/根の先より繊毛がはえ/かすかにけぶる繊毛がはえ/かすかにふるえ」(紙面の都合で詰めて表記しました)。できれば、本を買われるか、青空文庫などで、全文をみて頂くようお願いします。
先ず学生に、作者はこの詩で何を表したいか、そのことをあなたはどう思うかをたずねることから始めます。この詩はただ情景を描く叙景詩ではありません。「竹」とは何を表すのかか。それを抑えなければ、正しく読めません。
素直に考えれば、竹=青竹は、これから活躍してゆこうとする若者です。かたき地面は、彼が立ち向かってゆくべき厳しい社会・現実です。そして地下にある竹の根は、彼が成長してゆくために力を蓄えてゆく、土台になるものを表します。それであるから、2連目で描かれる、光る地面の上に伸びてゆく竹は、彼が社会の中でまっすぐに上に向かって発展してゆく様子だと理解できます。
これが自然なとらえ方でしょうが、もし学生が別の理解、解釈をしていても、全く構いません。わたしの解釈は一つの例として示しますが、それでなければならないわけではありません。どう解釈するかは、それを表現する人にまかされるべきですから。さて……。
「かたき地面に」と、学生が一息ですらっと言うと、すぐに止めます。「かたき地面」はどれくらい広いのか、どれくらいかたいのか、なぜかたくなっているのか、自分はその上にいるのか、そばで見ているのか、などを問いかけます。ここでも、答えは何でも良いのです。そうしたことについて少しでも考えさせることが目的です。でないと、文字を読むだけになり、言葉を語れません。詩に限りません。語るときには、その対象をしっかりイメージすることが大切です。自分に曖昧なものを他人に明瞭に伝える事などできるはずがありませんから。(続く)
by  かみざわかずあき





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Last updated  2017.09.06 09:00:08
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