1962781 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

鴎座俳句会&松田ひろむの広場

鴎座俳句会&松田ひろむの広場

「獅子独活」は「独活」ではない

『角川俳句大歳時記』(夏)の問題点
植物「独活の花」p623
例句4句のうち、冒頭の2句が「獅子独活」であるが、「獅子独活」は「独活」ではない。まったく別の植物。解説(高野ムツオ)は「白色の小花をぼんぼりのように咲かせる」とあるが、どう考えても「ぼんぼりのよう」とは思えない。『図説俳句大歳時記」も「白色の小花をかさ状に開く」(野口弥吉)とあるが「かさ状」も不正確。ここはそっけないが「球状の散形花序が多数円錐状についた大型の花序をだす。花は淡緑色」(『山に咲く花』)が正確であろう。私は後述のように「球形がバラバラに配置されたような形」と書いている。花は白色か、淡緑色か。これも時期によって異なるが、どちからといえば「淡緑色」であろう。
注意したいのは「解説」(前述、高野ムツオ)に「早春の若い茎を食用とする」とあるが、獅子独活は食用にならない。誤まって獅子独活を食べないこと。
ししうどや金剛不壊の嶺のかず   成田千空「天門」
獅子独活のすっくすっくと花咲けり 藤木倶子「栽竹」

<以下、2008年8月12日のブログ(再掲)>
『角川俳句大歳時記』の問題点

udo
独活の花
shishiudo
獅子独活の花

【独活の花】
独活の花に獅子独活の花の句があるが、独活と獅子独活はまったく別の植物。【獅子独活の花】を独立させたいと「俳句」2008年5月号で藤木倶子が、また「麓」2008年8月号で中村たかしが指摘している。
驚くことにこれは1973年(昭和48年)の『図説大俳句歳時記』も同じで、
 例句に
  焼岳の霧に獅子独活立ちなびく 水原秋櫻子
があって驚かされる。つまり35年も「独活」と「獅子独活」が別の植物ということに気付かなかったのだ。あるいは俳句や植物について無智な人が編集したのだろうか。

ウド 五加(うこぎ)科。 ・学名 Aralia cordata Aralia : タラノキ属 cordata : 心臓形の
春に若芽や根茎の部分を食用にする。
若芽 → 天ぷらにするとおいしい
根茎 → こまかく刻んでマヨネーズをつけるとかみごたえのいい食感になります。
風のないのに動くように見えるので 「うごく」と呼ばれ、しだいに「うど」になった。 漢字の「独活」の字もそこから。 本来は「生土」の意味で、 土から芽が持ち上がるように出てくることを表わした名前。若い芽は香りが良く食用にもされるが、花が咲くくらいまで大きくなってしまったら食用にもならず、”大きいばかりで役に立たない”とのことで「ウドの大木」のことわざがある。 「土当帰」とも書く。 別名 「山独活(やまうど)」。「獅子独活」(ししうど)は花火のような花のつきかた、独活(うど)は球形がバラバラに配置されたような形。
夏に小さな白い花をたくさん付け、秋に直径3mmほどの黒色の液果となる。一果中に3~5個のゴマ状の種子をもつ。高さは約2~3mに成長し、「ウドの大木」という慣用句もあるが、木ではない。春・初夏(ゴールデンウィーク頃)に芽吹いた小さな頃には山菜として利用出来るが、大きくなると食用にも木材にも適さない事から例えとされたと言われている。だが、実際の所は夏ごろまで「若葉」や「蕾」も山菜として採取できる。
「若葉」、「蕾」、「芽および茎」の部分を食用とする。「蕾」や「茎」は採取期間が短いが、「若葉」はある程度長期間に渡って採取する事が出来る。日林の際など当たりのよい場所か半日陰の傾斜地などに自生するが、スーパーなどで見られる白い栽培ものは日の当たらない地下で株に土を盛り、暗闇の中で栽培しモヤシのように茎を白く伸ばして出荷する。
料理の分野では前者を山独活、後者を白独活と呼び区別することが多い。後者は立川市を中心とした東京都多摩地区の特産品である。
山独活はやや灰汁が強く、山菜として葉や先端を天ぷらなどにする他、ぬた、茹でたものを酢味噌和え、味噌汁の実とする。 白独活は前記の他、酢水で灰汁抜きをして煮浸しやサラダとしても食べられる。また、皮も柔らかいため、捨てずに短冊切りにしてキンピラにすると美味しいため、白独活は捨てる所が殆ど無い。
一ヶ所から数本のウドの大木が生えている場合は1本は切り倒して良い。茎の硬い皮を削ぎ取ると芯の部分はセロリのように美味である。ここまで大きくなると生のままでも殆どアクが無く、雑味も無い。また、先端の部分はまだ柔らかいので、若葉や花芽がまだ出ていないものは摘んで天婦羅にできる。
根は正薬で和きょう活(わきょうかつ)といい、シシウドの独活(どっかつ)と同様に発汗、解熱に用いられます。 (「きょう」は文字化けしますので、ひらがな表記)

シシウド 芹(せり)科。・学名 Angelica pubescens Angelica : シシウド属 pubescens : 細い軟毛のある
Angelica(アンジェリカ)は、ラテン語の「angelus(天使)」が語源。
Angelica属の植物には強心剤的な効き目のあるものがあり、死者を蘇らせることができるとされていることから”天使”の名がつけられた。
・白い小さな花が傘状に密集して咲く。
・花には蜜が多く、いろんな虫が吸いにくる。
日本では本州、四国、九州の、日当たりのよい山地に生える、草丈2~3メートル前後の多年草。8~11月に、散形に密集した白い花を付ける。根は薬として独活(ドッカツ)と呼ばれ、掘り起こした根を洗浄して陰干しし、煎じて頭痛薬や、薬酒、風呂に入れて用いることがある。味は苦く独特の強い風味がある。和名は、強剛なのでイノシシが食うのに適しているところからきている名前。餌の少ない冬に、猪がこの根を掘り返しに来るという。
にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ
クリック応援ありがとうございます


© Rakuten Group, Inc.
X