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鴎座俳句会&松田ひろむの広場

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2022年08月02日
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テーマ:楽しい俳句(373)
カテゴリ:句会

28回鴎座通信句会 選句結果のお知らせ



​​​画像は大曲の花火(フリー素材)​​

(互選高点句)

119敗戦忌喉の小骨はとれぬまま      荒井 類

213月涼し垂直にやってくる孤独      木野俊子

3104聞き役も介護のひとつ夏の月     石口 榮

414包丁もガスもいらない冷奴       小髙沙羅

4137今日からは風を着ていく衣更     白石みずき

661合歓の花秘話のひとつもあればいい④安原南海子

6176雲の峰国葬というガラス玉      木野俊子

(松田ひろむ代表選)

特選21昭和史に加えトマトの丸かじり/古川塔子

準特選117百薬の長を頼みに土用入/川目智子

準特選176雲の峰国葬というガラス玉/木野俊子

23少年が泉の奥へ誘われる

40百日紅百度祈るみそかごと

84半夏生挿せばたちまち青の部屋

118ぷるるんゼリー日にち薬が効いてきた

150冷奴二つ並べて美酒佳肴

164振込みは大きな仕事うなぎの日

183日本の茅の輪の先の深き闇 

190八月や国にふたつの爆心地

第28回鴎座通信句会は42名210句でした。選句と講評は作者名を伏せて鴎座代表、編集長・副編集長・顧問などに依頼しました。また投句された方の互選(任意・5句選)も行いました。句番号はランダムに変換されたものです。結果は「鴎座」に発表するとともにFACEBOOKなどにも発表します。毎月開催(締切24日)。        鴎座俳句会 代表 松田ひろむ
〈第28回鴎座通信句会結果〉作者名は特選のみ追加記入しました。他は一覧をご覧ください。

石口  榮(編集長)選
42奪衣婆も店を開くや朝閻魔
48どこまでも年の差二歳浮いてこい
75感染者数五桁となれば水打って
特選124ガリガリ君そろそろ夏の季語になれ/百目鬼英明
133月涼し垂直にやってくる孤独
181ががんぼの屈伸運動骨密度
192西瓜割の棒当たるまで防衛費
(選評)特選にいただいた124「ガリガリ君」の句。昭和五十六年の販売開始以来、赤城乳業の氷菓の看板商品。昨年に販売四十周年を迎えた。年間販売本数は四億本以上と、今や国民的氷菓といっても過言ではない。「夏の季語になれ」の措辞に同感。可笑しみと命令形がなんとも心地好い。ちなみに私はガリガリ君が大好きである。
42「奪衣婆も」の句。奪衣婆は三途の川で亡者の衣服を剥ぎ取る老婆の鬼。句は剝ぎ取った衣装を売ると言う諧謔性。こんな遊び心があっても良い。季語は閻魔参で夏。
48「どこまでも」の句。永久に並ぶことのない年齢差。兄(姉)が弟(妹)に私を早く追い越せと、季語が叱咤激励しているようだ。
75「感染者数」の句。今やコロナ感染情報慣れし、多少の数字では驚かなくなった。そんな世の中が怖い。季語「水打つ」は日常のこと。そんな日常が戻って欲しいという。
133「月涼し」の句。孤独は突然やって来ることが多い。それを垂直と言ったところが言い得て妙である。「月涼し」が垂直と響き合っている。
181「ががんぼ」の句。見るからに、ががんぼの脚は針金のようである。骨密度の措辞がお手柄。
192「西瓜割」の句。西瓜が一回で割れればよいのだが・・・。年々膨らむ防衛費を懸念する作者に共鳴。

小髙沙羅(副編集長)選
6梅雨明けてオレオレ詐欺の注意報
37一晩に幾度寝返る竹夫人
75感染者数五桁となれば水打って
104聞き役も介護のひとつ夏の月
133月涼し垂直にやってくる孤独
156今日はまず寝茣蓙を出して投句して
特選191夜濯ぎの無理をするなと無理を言う/宮沢子
(選評)特選の191「夜濯ぎの」の句。暑い日中を避けての洗濯。このごろの暑すぎる夏。その上のコロナ禍。そんなときつい無理をするなと他人をいたわる。そういわれてもしなくてはいけないことは多い。「無理をするなと無理をいう」の俳諧味に惹かれた。
6「梅雨明けて」の句。梅雨は明けても「オレオレ詐欺の注意報」はつづく。
37「一晩に」の句。竹夫人が「寝返る」が、軽いウイット。竹夫人なら戯れるのもいい。
75「感染者数」も句。第七波の急増に驚く。「水打つ」の優雅な日々が欲しいもの。
104「聞き役も」の句。聞いてもらうと心が安らぐ。もしかして夏の月が聞き役かも。
133「月涼し」だれにでもある孤独感。ここは「垂直にやってくる」で個性的になった。
156「今日はまず」の句。作者にとって俳句は生き甲斐。それは私も同じ。

小平 湖(Ⅰ欄同人)選
5偉大です国家葬です蝉時雨
22短夜のラジオの昭和歌謡かな
30献金をお花畑に置いてくる
141さくらんぼほめられ上手ほめ上手
特選148金蠅銀蠅国葬というひともいて/松田ひろむ
156今日はまず寝茣蓙を出して投句して
184軽鳬の子がよちよち西武新宿線
(選評)特選148「金蝿銀蝿」の句。演説中に銃撃され亡くなられた安倍晋三前総理大臣の国葬が九月二十七日、日本武道館で行われることになった。テロは許されることはないが、その後の調べで宗教がらみの背景が余りにも複雑で驚く。掲句の季語、金蝿銀蝿は如何にもと思う。
5「偉大です」の句。偉大ですと言いながらどこか割り切れない思いが季語の蝉時雨へと繋がる。
22「短夜の」の句。夏の夜の昭和歌謡と共に昭和を振り返ると、戦争やオリンピックや、高度成長期もあった。しみじみ歌は世につれ世は歌につれである。
30「献金を」の句。銃撃事件の一連の句か、洗脳されて献金してしまう「お花畑」とは最大の揶揄。
141「さくらんぼ」の句。幾つになっても褒められると照れながらも嬉しいものだ。もっと褒め上手になろう。さくらんぼがご褒美。
156「今日は」の句。おおらかで俳句が好きで人柄や生活感も感じられる。そうだ今年の夏は忘れていた寝茣蓙を出してみよう。
184「軽鳧の子が」の句。親についてよちよち歩いているのはいつ見ても母性本能を刺激される。しかし西武新宿線となると一変、戦慄俳句かもしれない。

白石みずき(Ⅰ欄同人)選
19敗戦忌喉の小骨はとれぬまま
31夏草のなかで幼とかくれんぼ
62また夢に消え万緑の上高地
96しゃがんでも見えぬしんじつ蟻の列
104聞き役も介護のひとつ夏の月
特選123蝉時雨母転ぶなよ転ぶなよ/増田萌子
153星まつり稚拙字なれどウクライナ
(選評)特選にいただいた123「蝉時雨」の句。作者は母のことが心配で言っているのであるが、読む方は自分の事としてとってしまう。私も常に転ばぬように気をつけている。蝉時雨も気を付けてといっているようだ。
19「敗戦忌」の句。子供の頃から漠然とはしているが敗戦ということに疑問を感じていた。大人がこぼしているのを聞いていたせいか、いまでもそれこそ小骨が取れていない。
31「夏草の」の句。まさに実感である。先日ひまわり畑で四歳とかくれんぼをして来た。姿が見えてもどこかなと探す振りをして、その喜び方にまた感動してしまった。
62「また夢に」の句。万緑の上高地は一番いい時である。新緑から万緑が最高だ。しかしコロナ禍で何度計画しても行けなくなってしまう、本当に夢がさめるように。
96「しゃがんでも」の句。世の中の矛盾さ人間関係の難しさなどなど作者はじっと蟻の列を見て感慨にふけっているのだ。
104「聞き役も」の句。切実に感じる。病人はなにも楽しみがないと生きる力が湧いてこない。自分の事を気にかけてくれて話を聞いてもらえるだけで元気になれるのだ。夏の月が明るく希望にみちている。
153「星まつり」の句。一読して感動した。自分の事でもお願いしたい事沢山ある年頃なのにそれをおいてウクライナ。大人の話やテレビから学んだのであろう。優しい大人にきっとなってくれると思う。

鈴木 砂紅(招待)選
45老人の達者はいいが涼み台
82あるときは毒ある句など海月舞う
88腿を灼く真昼の車椅子実習
133月涼し垂直にやってくる孤独
136白桃の思うがままに剥いてやる
146箱庭に夫いて吾を呼び止めぬ
特選176雲の峰国葬というガラス玉/木野俊子
(選評)特選に頂いた「雲の峰」の句。安倍元総理をイメージしつつ、国葬という得体のしれないイベントの危うさをガラス玉に閉じ込めて、インパクト充分な光景を見せた。ガラス玉は誰の手の上に置かれているのか、という問題提起も。
45「老人」の句。要介護よりは壮健な老人の方が良い。しかし口達者な年寄りが涼しい顔で高所から世間を見下ろしているのも鬱陶しい。俳諧風の味わい。
82「あるとき」の句。平易・爽やか・共感などの対極にある「毒ある句」を作りたい時、読みたい時、その胸中には海月が舞っているらしい。
88「腿を」の句。実習を体験しなければ詠めない臨場感に惹かれた。言葉を超えた実景の強さを感じさせる句。
133「月涼し」の句。孤独だから月を見たのではない。月を見上げた時、孤独が垂直に落ちてきたのだ。「孤独」の本質を真っ直ぐに詠んだ句。
136「白桃」の句。剥く手は吾の物だが、動きは白桃の思うがまま、という矛盾。相手が王妃の如き白桃ならば、当然と言うべきか。
146「箱庭」にいるのは亡夫なのか。或いは若い頃の夫に似た人形なのか。呼び止めてほしい気持の切なさ。

松田ひろむ(代表)選
特選21昭和史に加えトマトの丸かじり/古川塔子
23少年が泉の奥へ誘われる
40百日紅百度祈るみそかごと
84半夏生挿せばたちまち青の部屋
準特選117百薬の長を頼みに土用入/川目智子
118ぷるるんゼリー日にち薬が効いてきた
150冷奴二つ並べて美酒佳肴
164振込みは大きな仕事うなぎの日
準特選176雲の峰国葬というガラス玉/木野俊子
183日本の茅の輪の先の深き闇
190八月や国にふたつの爆心地
(選評)特選にいただいた21「昭和史に」の句。かつてのトマトは酸っぱかった。そのトマトを丸かじりした幼時体験と昭和が重なる。それが同世代の実感だけに心を打つ。
準特選117「百薬の長」の句。いうまでもなく百薬の長とはお酒のこと。土用の鰻よりもやはりお酒のほうが効くという。
同じく準特選にいただいた176「雲の峰」の句。ガラス玉がいかにも壊れやすくかつ軽い。アベ元首相の国葬への痛烈な警鐘である。ただ雲の峰の季語がいいかどうか。
23「少年が」の句。泉の奥がなにやら怪しい。少年の成長過程の性的な匂いもする。
40「百日紅」の句。花期の長いサルスベリ。それを「百度祈るみそかごと」して思いの深い句となった。秘密・密通の妖しさ。
84「半夏生」の句。半夏生は名のように葉が半分白い。それが「青の部屋」になるのは幻想だろうか。日常から非日常への転換の句。
118「ぷるるんゼリー」の句。やはりここは「日にち薬」が文字通り「効いて」いる。
150「冷奴」の句。「二つ並べて」が意味深。冷奴だけで「美酒佳肴」というのも切ない。
164「振込みは」の句。「大きな仕事」とやや説明的だが、確かに「振込」にもいろいろ。これも土用の鰻がウイット。
183「日本の」の句。厄を祓う「茅の輪」だが政治もCOVID‐19も闇は深まるばかり。
190「八月や」の句。単純に「二つの爆心地」といって怖い句。核戦争の脅威はつづく。「みたび許すまじ」は日本だけではない。

(互選高点句)○数字は点数  3点以上
一位19敗戦忌喉の小骨はとれぬまま ⑨ 荒井 類
二位13 月涼し垂直にやってくる孤独 ⑦ 木野俊子
三位104聞き役も介護のひとつ夏の月 ⑥ 石口 榮
四位14 包丁もガスもいらない冷奴 ⑤ 小髙沙羅
四位137今日からは風を着ていく衣更 ⑤ 白石みずき
六位61 合歓の花秘話のひとつもあればいい④安原南海子
六位176雲の峰国葬というガラス玉 ④ 木野俊子
八位5偉大です国家葬です蝉時雨 ③ 安藤利亮
八位9人心を侵す聖本油照   ③ 磯部薫子
八位23 少年が泉の奥へ誘われる ③望月のぞみ
八位75 感染者数五桁となれば水打って③ 小平湖
八位90 ハンカチの折り目に隠す虚栄心③吉村きら
八位96 しゃがんでも見えぬしんじつ蟻の列③鈴木砂紅
八位118ぷるるんゼリー日にち薬が効いてきた③吉村きら
八位130蝉鳴かず飛ばず線状降水帯③小平湖
八位141さくらんぼほめられ上手ほめ上手③吉村きら
八位166レース編む老眼鏡の臨界点③高矢実來
八位181ががんぼの屈伸運動骨密度③行成佳代子
八位183日本の茅の輪の先の深き闇③後藤よしみ
八位192西瓜割の棒当たるまで防衛費③安藤利亮
八位193一生は短編小説夏椿 ③小髙沙羅

(第28回全句データ)掲載番号・作品・点数・作者の順
1沐浴し月下美人に対しけり 2 荒井 類
2和紙に染み這いまわる紙魚見つけたり 0 郡楽清子
3蓮池をよぎる影濃く我鬼忌かな 0 行成佳代子
4アガパンサスいつの間にやらベランダに0 津田文江
5偉大です国家葬です蝉時雨 3 安藤利亮
6梅雨明けてオレオレ詐欺の注意報 2 古川和美
7心太突くということ誰(た)も知らず0 松田ひろむ
8痩せもせず太りもせずに朱夏弾く 1 白石みずき
9人心を侵す聖本油照 3 磯部薫子
10根に深き宗教の闇曼殊沙華 0 木野俊子
11有事とて首相は小柄青すすき 0 安原南海子
12一生の重き罪追う蝸牛 0 斎藤 藍
13忠犬や手のだるくなる扇風機 0 川崎果連
14包丁もガスもいらない冷奴 5 小髙沙羅
15網戸より朝のやさしい風が入る 0 金丸菜斗
16南天の花のどこかに良き知らせ 1 古川和美
17さわさわさわ風の柿の木柿若葉 0 鈴木ひろ子
18梅シラップ・ヨーグルトゼリーがお箱です0古川塔子
19敗戦忌喉の小骨はとれぬまま 9 荒井 類
20自閉の児強く抱けよと蝉時雨 0 磯部薫子
21昭和史に加えトマトの丸かじり 2 古川塔子
22短夜のラジオの昭和歌謡かな 1 荒井 類
23少年が泉の奥へ誘われる 3 望月のぞみ
24安倍葬送白シャツの笑み永遠に 1 石口りんご
25全身が喜んでいる水遊び 0 小髙沙羅
26夏の果トロンボーンの吹き伸ばし 1 川崎果連
27手作りの銃声シャンパンパリー祭 2 石黒宏志
28高原の起伏七月の危機感 1 木野俊子
29雨蛙の一蹴りほどの寝返りを 0 中村ふみ
30献金をお花畑に置いてくる 1 磯部薫子
31夏草のなかで幼なとかくれんぼ 1 古川和美
32一途に怒る真昼間の草刈機 1 鈴木砂紅
33サンダルや海から空へ乗り換えて 0 川目智子
34防災訓練反省の冷し酒 0 鈴木砂紅
35西日本豪雨の祈りはや四年 0 斎藤 藍
36心中の虫を宥める団扇風 2 金丸菜斗
37一晩に幾度寝返る竹夫人 2 石口 榮
38緑雨の夜三句生れて二句捨てて 0 石口りんご
39夏蝶が追う内堀の手漕舟 1 岡崎久子
40百日紅百度祈るみそかごと 1 鈴木砂紅
41蜆蝶古城内堀野づら積 0 岡崎久子
42奪衣婆も店を開くや朝閻魔 1 石黒宏志
43向日葵植えました稚児育ってます 0 翠 雲母
44山瀬吹き一気に白しほとけ浜 0 神田千風
45老人の達者はいいが涼み台 1 小平 湖
46膕(ひかがみ)に触れてゆきけり御祭風0   荒井 類
47葛切りや卒寿の母の手の震え 2 岩渕純子
48どこまでも年の差二歳浮いてこい 1 吉村きら
49蜘蛛の囲の一途さあって山頭火 0 宮 沢子
50白玉や秘密の話をちょっとだけ 1 岩渕純子
51お別れと流す涙の夏芝居 0 石黒宏志
52騙し騙され殺されて夏果てぬ 1 百目鬼英明
53蛍に追わるるときに吾光る 0 後藤よしみ
54登るほど地響き迫り滝近し 0 神田千風
55デッサンの後の茗荷薬味なり 0 郡楽清子
56月めくり鷗座記する薄暑かな 0 神田千風
57白日傘川のさざ波さざれ石 0 国井 梢
58炎天の階段あがり献花かな 0 神田千風
59脇道の質屋ののれん土用入 1 安原南海子
60故郷の自慢に熱や暑気払 0 金丸菜斗
61合歓の花秘話のひとつもあればいい4 安原南海子
62また夢に消え万緑の上高地 1 岡崎久子
63やさしさを売ってキャンプの鍋流す0 川崎果連
64青蜥蜴の視線彷徨う無人レジ 0 行成佳代子
65落し文木は交番のすぐ横に 0 金丸菜斗
66浜辺にて少女になりし素足かな 1 高橋透水
67扇子振る恰好だけはプロの棋士 0 百目鬼英明
68セルフレジまごまごする私いる 0 郡楽清子
69朝清き夜は艶めく水中花 0 白石みずき
70看護師の腋臭の匂ひ戻り梅雨 2 高良和子
71黒揚羽かまくら古道枝道を 0 高矢実來
72徐々に雷雲「侵略」以後の列島へ 1 鈴木ひろ子
73順徳の都帰れぬ都草 1 神田千風
74茅の輪くぐれば心が少し軽くなる 1 古川和美
75感染者数五桁となれば水打って 3 小平 湖
76出雲富士妹と蕎麦屋の白カレーうどん0 渡辺すみれ
77野放しのカルトの闇や曼殊沙華 2 木野俊子
78慈味とろり新玉ねぎのぽったら煮 0 高矢実來
79七月や知床旅情歌えない 1 翠 雲母
80七十八歳曾ばあちゃんのサングラス0 安原南海子
81三人も似ると言うらし花菖蒲 0 国井 梢
82あるときは毒ある句など海月舞う 2 信岡さすけ
83水打って朝晩測る血圧値 0 古川塔子
84半夏生挿せばたちまち青の部屋 1 郡楽清子
85冷そうめん三角巾で吊られた手 1 鈴木砂紅
86涼しさやペットボトルの無位無官 1 川目智子
87ヘリオトロープの香り迷子にしてしまう0 福島芳子
88腿を灼く真昼の車椅子実習 1 高矢実來
89いつの間に手を振り返す合歓の花 0 国井 梢
90ハンカチの折り目に隠す虚栄心 3 吉村きら
91短夜のワクチンの腕ほてりだす 1 小平 湖
92 八月の忌日やっぱり母と夫 0 宮 沢子
93陸奥の藤原百年赤とんぼ 0 近田吉幸
94連弾のピアノコンペや青胡桃  0 行成佳代子
95蜻蛉舞う人間なんぞ目ではなし 1 後藤よしみ
96しゃがんでも見えぬしんじつ蟻の列3 鈴木砂紅
97昼顔の寂しい距離にウクライナ 0 増田萌子
98木漏れ日を揺らすベンチの不安感 0 岡崎久子
99伊豆の夏大竹しのぶと同じ風呂 1 翠 雲母
100くちなしの香の全方位沖縄忌 0 鈴木ひろ子
101冷奴娘メールにネギ三倍 0 渡辺すみれ
102銃撃の死角にひそむ青蜥蜴 1 白石みずき
103憎しみの銃弾跡や蝉の穴 0 翠 雲母
104聞き役も介護のひとつ夏の月 6 石口 榮
105卯の花は万葉集のなかに咲く 2 斎藤 藍
106どちらかと言えば幸せ墓洗う 2 増田萌子
107かなぶんくん高層に来て仰向けに 1 中村ふみ
108戦火浴び夢に向かって揚羽飛ぶ 0 福島芳子
109汗に汗キラキラネームの集団よ 0 古川塔子
110その中にインフレのあるメロンかな1 高橋透水
111レース着て光を弾く発泡酒 0 川目智子
112橋下の無宿者昼寝選挙カー 0 安藤利亮
113白いシャツ走れば消えぬ若き死よ 0 国井 梢
114ハンカチを汚して帰る都会の子 0 増田萌子
115本棚に昭和の本や紫陽花忌 0 斎藤 藍
116蜜豆や黄色の月と紅い星 0 高橋透水
117百薬の長を頼みに土用入 1 川目智子
118ぷるるんゼリー日にち薬が効いてきた3 吉村きら
119瓶ビール栓の抜き方知らぬ娘や 0 石黒宏志
120好奇心満たす蝉穴句読点 0 増田萌子
121雷激し土蔵の奥で時刻む 0 望月のぞみ
122飲む理由いちいちかける冷奴 0 百目鬼英明
123蝉時雨母転ぶなよ転ぶなよ 1 増田萌子
124ガリガリ君そろそろ夏の季語になれ2 百目鬼英明
125若き日の人生横丁巴里祭 0 金丸菜斗
126捩花や背筋伸ばしてスクワット 0 石口 榮
127ウーバーイーツの男四人緑陰へ 0 小平 湖
128初恋の花火の河原浸水す 0 近田吉幸
129向日葵や女子学生の負を嘆く 0 国井 梢
130蝉鳴かず飛ばず線状降水帯 3 小平 湖
131告白の既読スルーや青葡萄 0 磯部薫子
132口紅が濃すぎたかしら核の傘 2 翠 雲母
133月涼し垂直にやってくる孤独 7 木野俊子
134野菜にも花は咲くのよ夏休み 0 白石みずき
135鉄線花思想の変わる事なくて 0 石口りんご
136白桃の思うがままに剥いてやる 1 宮 沢子
137今日からは風を着ていく衣更 5 白石みずき
138ぬいぐるみの釦の瞳(ひとみ)涼新た0 石口 榮
139竹夫人一年ぶりの括れかな 0 望月のぞ
140目高飼うやっぱり増えて目高いる 0 福島芳子
141さくらんぼほめられ上手ほめ上手 3 吉村きら
142短夜を起きてしまえば夫も起き 0 岩渕純子
143烏賊釣り灯水平線に列び居り 0 郡楽清子
144塗り箸やつるりと逃げる葛桜 0 岩渕純子
145白日傘ゴルフコンペの若夫婦 0 渡辺すみれ
146箱庭に夫いて吾を呼び止めぬ 1 後藤よしみ
147柿若葉そろそろパックしなければ 0 石口りんご
148金蠅銀蠅国葬というひともいて 2 松田ひろむ
149西瓜に刃地球には核雲の峰 1 安藤利亮
150冷奴二つ並べて美酒佳肴 1 渡辺すみれ
151老鶯や息苦しさを如何にせん 0 中村ふみ
152長雨の拭かざりそ竿蜘蛛の糸 0 高良和子
153星まつり稚拙字なれどウクライナ 1 鈴木ひろ子
154文月や父母の愛わが人生 0 津田文江
155品書きに冷やし中華の加わりぬ 0 古川塔子
156今日はまず寝茣蓙を出して投句して2 高良和子
157転ばぬやう転ばぬやうにアッパッパ0 津田文江
158明け方の夏野の夢にうなされる 0 磯部薫子
159ナイアガラがあの夜の目玉揚げ花火1 行成佳代子
160まな板を干すクーラーにこもる前 0 小髙沙羅
161延々と通り歩けど片蔭は 0 津田文江
162山梔子も相乗りしたいこともある 0 安原南海子
163心太五歳児お酢がいいと言ふ 0 中村ふみ
164振込みは大きな仕事うなぎの日 1 小髙沙羅
165大粒の夜景を一つサンドレス 0 川目智子
166レース編む老眼鏡の臨界点 3 高矢実來
167ドローンの制する世界蚊の羽音 0 信岡さすけ
168さくらんぼ姉とは顔が似てなくて 0 石口りんご
169羽抜鳥物価高騰なすがまま 1 岡崎久子
170西瓜割るピリリと裂け目青春へ 0 信岡さすけ
171夏のタワー見え陰圧の病棟に 0 松田ひろむ
172笑ってはいけないと言う麦こがし 1 宮 沢子
173薔薇終わり棘のするどき兵残る 0 後藤よしみ
174炎天こそ日差こそと草田男忌 0 斎藤 藍
175香水の空びん溜まりパリ遠く 0 望月のぞみ
176雲の峰国葬というガラス玉 4 木野俊子
177飛行帽の遺影褪色夏座敷 0 安藤利亮
178風爽か審美を綴る結弦くん 1 近田吉幸
179土用の鰻もう行けなくて母の顔 0 渡辺すみれ
180籐寝椅子ただあるだけの別天地 0 岩渕純子
181ががんぼの屈伸運動骨密度 3 行成佳代子
182日盛りに三歩踏み出す勇気なく 0 望月のぞみ
183日本の茅の輪の先の深き闇 3 後藤よしみ
184軽鳬の子がよちよち西武新宿線 1 古川和美
185わだかまりそのうち無くなるソーダ水1 石黒宏志
186いもうとは都会が嫌い夏薊 0 川崎果連
187四回目打てば五回目秋口と 0 百目鬼英明
188マシュマロのやうな裸子を渡される2 高橋透水
189大の字や奄美土産のあっぱっぱ 0 高矢実來
190八月や国にふたつの爆心地 2 荒井 類
191夜濯ぎの無理をするなと無理を言う1 宮 沢子
192西瓜割の棒当たるまで防衛費 3 安藤利亮
193一生は短編小説夏椿 3 小髙沙羅
194だまされて遅刻の姫の月見草 0 信岡さすけ
195国葬の愚痴柔らかに冷奴 0 高橋透水
196稜線の金色(きん)の夕焼レクイエム0鈴木ひろ子
197戦争は国境を越え夏の風 0 福島芳子
198隠棲のかれこれ三年夏深し 0 中村ふみ
199棄てられて雨に打たれる竹夫人 0川崎果連
200展示品のソファーの二人日の盛り 1 高良和子
201コロナ禍にペットの三毛と平和待つ0 福島芳子
202兜太と蟻とアベ政治を許さない 1 松田ひろむ
203変声期マスクメロンの肌ざわり 1 吉村きら
204遠き日の煮しめの香り盂蘭盆会 2 近田吉幸
205二個の核いまや幾万原爆忌 2 信岡さすけ
206モナリザの恋の始まり夕月夜 近田吉幸
207蝉穴の反対出口ウクライナ 0 石口 榮
208かの国と隣り合せや揚花火 1 松田ひろむ
209第七波負けてたまるか土用鰻 0 津田文江
210先頭より無言になりて蛍狩 1 高良和子
(第29回鴎座通信句会)投句締切=8月24日。5句まで。参加費500円。その他要綱は従来通り。





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Last updated  2022年08月21日 02時57分21秒
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