夢
わしは、右利きであるが、箸は左でも使える。二十代の頃、わしはチャレンジャーであった。左で箸を使えるようになりたいと思った、その理由は、ボーイスカウトで焼肉をする時、肉の奪い合いになる。弱肉強食の世界である。相手が肉に箸を伸ばしたなら、片方の箸で動きを封じ、もう片方で、肉を得る。宮本武蔵ではないが、片方の手で相手を封じ、もう片方で斬るである。毎回、ボーイスカウトで焼肉合戦をする事は無いが、来るべきに備え、精進を重ね会得する事が出来た。右腕が使えず、仕方なく左手で箸を持つのとでは、根性が違うのである。 わしは、いつでも利き手が使える、だが、我が夢のため敢えて左手を使うことにした。大した夢でもなんでもない。かっこ良く例えるなら、「明日のジョー」の力石徹が、敢えて、食わず飲まずを貫き通したと言うところである。昔のようにいつまでも、チャレンジャーでいたい。どんなちっぽけの夢にでも、全力で立ち向かうわしで居たい。 人間やれば出来る、諦めない限りは。