天狗の日記

2005/07/18(月)01:26

民主主義

教育(29)

 民主主義は、デモクラシーの訳語である。 しかし、デモクラシーは、デモス+クラシーつまり「民衆支配」と訳すべきだ。つまり制度の意味でしかない。  ※モノクラシーは専制、オクロクラシーはオクロスの支配、つまり衆愚制を意味する。 ところが、民主主義というと、主義(イズム)があるので、少し違った意味が付与される。つまり、デモクラシー(民衆制)による政治システムが最上である、あるいはもっと進んで民衆制であれば政治は良くなるというイデオロギーを含んでくる。  このようなイデオロギーを西部邁らは、本来のデモクラシーと区別してデモクラティズムと呼んでいる。 さて、デモクラシーであるが、必ずしもに最上の政体であるとはいいきれない。まず、民衆がある一定の意識の高さと知恵を有しないと、衆愚政治に陥る。衆愚は容易にデマゴギーに扇動される。質の高いデモクラシーを維持することはきわめて難しいのだ。  そのため、古代ギリシアでは、アテネの政体よりもスパルタの混合政体の方が評価されたし、ローマも当初民主制を実践していたが、国が大きくなり植民地を有するようになると、決断におくれる民主制は立ち居か無くなり、カエサルによって、独裁政治になった。  民主政治を至上の価値のように押し付けるアメリカは、大統領制という擬似独裁制を強いている。  けして民主政治悪いといっているのではない。北朝鮮を見ればわかるように、現代においては、専制政治のほうがおそろしい。  ただ、デモクラシーの意味するところは、単なる制度でしかないこと、そして、手続きをふめば上手くいくようなものではなく、たゆまざる良識をはたらかせないと維持できない面倒な制度であるということを自覚しておかねばならないものなのだ。  と、いうように中学でも高校でも教えないよ・・・・。  

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