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部屋の掃除をしていると、嫌なノートが30冊ほど出てきた。
昔描いたイラストが、沢山ぎっしり描かれてある恥辱のノートだ。 見る度に吐き気が催してくる。 もう、いやだ。 もしも、これを誰かに見られるくらいなら、死んだ方がましだ。 いや、もしも、仮に、私が特別異変で死んだとしよう。 そしたら、遺族は、遺物を頒布し合う事になるだろう… …!? 遺族への晒し物にされるではないか…!! これは、絶対に避けなければならない。 そうだ、捨ててしまおう!! 捨ててしまえば晒し物にされずに済むであろう。 よし、ゴミ箱にノート30冊まとめて、おいておけば、オカンが回収しに来て「何これ」と言い、中を閲覧…。駄目だ。ゴミ箱は駄目だ。ならば、いっそのこと、廃品回収に…。いや、待てよ。回収した廃品は、手作業で、リサイクル可なものと不可な物を、仕分けると聞いた事がある・・・・・・。 …!? 打つ手なし!! …!! そうだ、存在そのものを消してしまえばいい!! 燃やしてしまおう!! しかし、庭で、燃やすともなれば、火事と間違えられるかもしれない。 そして、消防車が飛んでくるかも…。 いや、でも、少しの煙なら、誰も通報しないだろう。 一冊づつ燃やそう。 しかも 一番ヤバそうな1冊と、マッチ棒を手に取り、庭に向かった。 そして、ノート引火。 …ああ…、これで私は救われるのだ。 しかし、火は消えた… 何度やっても、火はすぐに消えてしまう… どうすりゃいい… …そうだ…! アルコールだ! すぐさま、台所に行き、あったあった…日本酒を大発見。 そして、すかさず日本酒をラッパ飲み。 「くはー。朝の一杯が何よりの栄養だぜ…。」 違う。 こんな事をしている場合ではない。 そう思い、我に返ると、日本酒をノートにぶちまけた。 そして、庭に戻ると、再び引火…。 しかし、さっきよりも、引火力は少ない…。 なんなんだよ… どうすりゃいいんだよ… そうだ、ティッシュペーパーを使おう。 うちのティッシュは、パルプ100%、燃焼力はお蔵入りだぜ! すぐさま、ティッシュペーパーを4枚引き千切り、引火。 面白いほどに、灰へと化していく。 それを、ノートに挟み、様子を見ていた。 犬も、何故か隣で大人しく座って見ている。 つたない過去よさらば。 過去の自分と決別し、新しい未来をこの手で、築き上げるのだ… 頗る激しい焔の煙と共に、過去が天へと舞い上がる。 キー・・・(誰かが門を開ける音) 母:「な、何してんのアンタ!!」 完 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2003.12.18 14:12:46
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