あれ? 身内の写真が
出先で食事しながら、雑誌を見ていた。雑誌といっても、読むところなどない。テレビによく映る若い女性タレントが、ハツラツと可愛いばかり。そうでもないのだろうが、活字ばかり読み慣れた私には、そう感じた。少ない活字を拾い読みしていたら、身内の一人が白黒写真で載っている。雑誌社の取材記事のようで、身内の者は話す側になっている。第3回とあるから、連載なのだろう。連載じゃ大変だなと心配したが、インタビュー記事だった。話すだけなら、まあ楽だろう。でも毎月とか毎週とか毎日とか、なんであれ定期はやはり大変だろう。テレビで毎日の生番組を持っている人に、私は敬意を表する。キャスターやアナウンサーは風邪もひけない。聞かれたことを喋ればいい場合、録音テープを起こし、手直しして、取材側が文章にしてくれる。プロのゴーストライターが、盛り上げた文章を書いてくれる。書くより楽だろう。これなら何冊でも出せる、大量生産できるだろう。こんなことを思うのは最近、ゴーストライターの本を買ってしまったからだ。著者が書いた本だと思ってネットで買った。店頭なら、立ち読みですぐに気づく。ネットにその説明があったかどうか。あれば、私は買わなかった。大ヒットの『バカの壁』は、編集者が書いた本だという。貸してくれた人がいて私も読んだ。それほどの共感はなかった。あとで著者の文章でないことを知り、その理由がわかった。ゴーストラーターの本があってもいい。ただ、そのことを、明記してほしい。語った人は誰、文章を書いた人は誰、と知ったうえで、本を買いたい。名を出せないからゴーストライターだが、匿名にすればいい。「文は人なり」ですからね。