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*年賀状は、ときに思いがけない人生をつくりだす。
5,6年前に会って別れたまま、音信不通だった仕事仲間の後輩から、昨年、年賀メールが送られてきた。 そこに気になる1行があった。 派遣の契約が数ヵ月で切れるのでたいへんです。 まだ落ち着かない暮らしなのか。 私は思い切って電話してみた。別れ際に急いでメモした鉛筆文字が、消えかかっていた。もういないだろう。だが思いがけず、まだそこにいた。 社会人になったあとも勉強し、資格を取り、その方面の仕事をしていた。あれから5~6年、もう独立して活躍しているかもしれない。そういう姿を私は想像していた。 まさか派遣の契約切れで、不安定な生活をしているとは思っていなかった。 「どんな会社を探してるの?」 「そろそろ落ち着いて、定年まで働ける会社がいいんじゃないの?」 私は彼女の将来が心配で、そんなことを言った。 契約が切れるたびに職を探すような年齢ではない。 私は元日早々、知人に電話し、その場で某氏に電話してもらい、つまりあちこち元日の電話が回った揚句、後輩は某社の面接を受け、就職した。 あれから1年。今年も年賀メールが届いた。安定した生活がだいじだから、クビにならないかぎり、やめるなんて言わないように、と忠告する必要はなさそうだった。 後輩と一緒に仕事をしたのは、たった2年。その後の年数のほうが、はるかに長い。会うことは滅多になかったが。 なんだか会いたくなった。 そうメールを送ると、ホテルの手配をしてくれるという。 夜を徹して何を話そうというのか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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