「ペストの記憶」を読みました・感染症あるある物語
こちら読了です。原著はこちら。私は読んでいません!ざっくり概要。1665年のロンドンでペストが大流行した当時の人々の様子を描いた記録に近い小説です。西欧のペストというと有名なのは中世14世紀の大流行ですが、そこではなく舞台は17世紀のロンドンです(ロンドンでも流行してたんですね、知りませんでした)。当時のロンドンの人口の1/4。7万5千人〜10万人がなくなった大流行。作者のダニエル・デフォーさんは実際に当時ロンドンにいたわけではありません(流行時5歳、田舎に疎開してた)。でも、時代は被っていますのでリアルな話は入手できたと思われます。ちなみに、日本はどの時代に当たるかというと、4代将軍家綱の時代です。5代将軍綱吉の即位が1680年。鎖国真っ只中ですね。何よりでした。。ロンドンのはずれに住むH.F.さん(伯父さんさんがモデルらしい)。避難すべきか留まるべきか(仕事があるから。)散々迷って結局留まり、パンデミックの一部始終を見聞した流れでお話はまとまっているようです。王政復古直後で王様はいましたが、ロンドン(シティ)は自治も認められていて行政組織もできており市長さんもおりました。したがって、市長さんの指揮のもとペスト対策はなされて行きましたので、この辺り、中世の流行とは異なり21世紀の今に近い生活スタイルの中で起きた感染症だったと思われます。で、実際どうだったのか。これは「デジャブですか?」って話がたくさんでてきます。人間って、あんまり成長しないんだなぁとちょっと残念なような納得するような。・ロンドン西で発生したのでシティの人たちは最初は対岸の火事くらいの感覚で呑気にしてた。 そうよね。日本海渡らないで済むかなとか思ってましたもんね・怪しげな薬(空気感染を防ぐ栄養ドリンクとか)がたくさん出た。 当時は暴利を貪った人たちがいたようですが、今回は怪情報・珍情報は出ましたけど、売れた側(◯ソジンとかね)、いい迷惑だったと思いますので私たちちょっとは成長したかも。・不安を煽る本出版。あと◯日するとロンドンは滅びるとか。 これは。。あったな。2週間後の東京はNYだとか・芝居・宴会・店での飲酒の禁止 おーー。3密回避ね。・お金の提供・仕事の提供・市長の視察によるメンタルケア ヨーロッパはメンタルケアもできてましたよね。メルケルさんのスピーチとか素晴らしかったですから。・病院が足りない、感染者数・死亡者の定義(別の病気で亡くなった人もカウントとか)が曖昧で改ざんの疑いあり。最初低く見積もって出てきたことが市民の油断を生んだ。・たくさんの寄付が集まり、宗教の対立を超えて協調性が生まれた。・一定期間入国を許さず(当時は船だったので船の中で40日間経過観察)この時の流行は春から夏にピークが来て秋に小康状態。実際には感染者数は多いものの死亡者数が低下。その結果、医者の止めるのも聞かず浮かれて街に出る人が後を絶たず第2波発生。最終的に落ち着いたのは翌春だそうです。よいことも悪いことも、まぁよくも似てること。じゃあ、その後ロンドンはどうなったの?ということはこの本には記載されていなくてネットをちょっと見たけれど見つけられませんでした。でも、研究している人はいると思いますので探せばありそう。ちなみに14世紀の大流行の後は、人が減ってしまった分、人の価値が上がって豊かに生きる方向に世界は変わり、100年から200年の時間をかけてヨーロッパが中世から近世へ移行するトリガーとなったようです。世界史で習ったわー。覚えてるわー。昔の人は大変だったのねーって他人事だった。まさか自分が似たようなこと経験するとは思わなかった。超・長期で見れば私たちは又同じことを繰り返してしまうのかもしれないけれど(そんなひ孫より先の世界の不安を取り越し苦労していたって仕方がありませんから)、「今」の気づきを大切に行動したいものだなと思いました。次に来るのは間違いなく「HAPPY」。ちょっと興味がある方は解説本を。すごーく興味がある方は原著を。私は、解説本でも途中睡魔がやって来ましたので(どんだけ根性ないんだ・私)これで終了です。今、この時代にこの日本で生かさせていただいているというとてつもない幸せな事実に心から感謝🙏にほんブログ村にほんブログ村 にほんブログ村にほんブログ村