１３．８月１３日。

８月１３日。晴れ。

ついに、ケンチチとデートの日。

そして、告白の日。

今日は、午前中から会うことにした。

予定通りいけば１日一緒。

家には一応

「夕飯は外でたべてくるかも」

と、言っておいた。

ＪＲの駅で、ケンチチを待つ。

普段のあたしを知ってほしいから、

Ｇパン・Ｔシャツ・ぺったんこサンダル・ナナメがけカバンで挑む。

ドキドキしてきた！

来てくれるかな。

集合時間の５分ほど前、

「おはよっす」

ケンチチが来た。

「おはよ。時間前やで。うちら優秀やん！」

満面の笑みを返した。

が、引きつっていたかもしれない。

やって来た快速電車に乗り込む。

大阪まで４５分。

なんやかんや話しながら、すぐ着いた。

さて、どこに行こうか。

何といっても、初デート。

電話をしていたといっても、ちょっとだけ。

何が好きか、どこに行きたいか、

全くわからない。

「･･･どこ行きたい？？？」

ケンチチに聞いてみた。

『カナネンさんプランでえーよ。』

うーん。。。

とりあえず、ロフト？

あそこなら、いろんなジャンルのものがあるから、

一緒にみれるかな。

ロフトには、予想外、２時間くらいいた。

三番街で、遅めの昼食。

そして、ＨＥＰへ･･･。

かなり駅前ばっかりで、

これってどうなんだろう、と

少し心配になった。

しかしＨＥＰにも、予想外、１時間はいた。

そして、上の階のゲームセンターへ。

１時間いた･･･。

気付けば、夕方になっていた。

･･･楽しい。

デート楽しい！

そして、夜ゴハンの話になる。

「･･･夜ゴハン、どうする？」

聞いてみた。

『時間は？家、平気なん？』

ケンチチが答える。

「ウチは平気やで。ケンチチくんは？」

『食べてくるかも、とは言ってる。』

なんと！食べて帰るかもしれないと、家に言ってる！！

嬉しいー！

「あたしも言ってきたで。」

『ほんなら、食べて帰ろっか。』

「うん！どこ行く？」

『カナネンさんプランは？』

「プランは、もう終わったで。ケンチチくんプランはないん？」

『オレのプランはまた今度。』

また今度･･･。次があるん？？

ちょっぴり期待が高まる。

夜ゴハンは、考えた結果、

お初天神通りにある、

ワイワイ、賑やかな居酒屋を提案してみることにした。

「居酒屋で、いい？」

『おぉ、いいねぇ。』

決定。

大きいカウンターの店。

ものすごくにぎわっている。

テンションもあがる。

暑い１日だったので、ビールがおいしかった。

ほろ酔い気分で、帰りの電車に乗る。

地元の駅から、お互いの家は

歩いて３０分ほどのところにある。

その道を歩きながら、告白しようと決めていた。

駅を降りる。

風が涼しい。

２人で、夜道を歩く。

人通りは、少ない。

「今日ありがとー。楽しかったで！」

『おぉ、ビールも飲めたし。』

とりあえず、お礼を言う。

そして、また世間話。

･･･言えない。

大事なことが、言えない！

世間話をしながら、

解散場所まで来てしまった！

ここから、

ケンチチは真っすぐ。

あたしは左。

言わなきゃ･･･。

ガンバレ！

何となく、場がシーンとなる。

ケンチチだって、うすうすと気付いているはずだ。

いや、ハッキリ気付いてるかもしれん。

･･･････

･･･････････

「････あの･･･。」

あたしはケンチチをしっかり見て言った。

「ケンチチくんのこと、好きやねん。」