Kanaris mieux.txt.

サッカーをちがう見方で観た。
あれ？すごく面白い。
ボールの軌跡じゃなくて体に注目。
え!?この人たちの骨盤と筋肉どうなってるの？
とりわけ蹴った瞬間の体の軸(仮想のラインで描く)と、
骨盤と持って行きたいらしい上下左右水平との関係。
あと筋肉から放たれるフォースの方向性がわかる。
持ってまわる時、はねてる時、空中での軸。
ひとりひとり個性があるのだけど、
あ、私のとちがう。すごく動くし弾力性がある。
軸の移動が速いし、なんでゴールできるのかが
蹴った瞬間に位置関係でわかってしまう。
もしかして、これの読み合いしてるんだろうか...。
あーん、顔じゃなくて体を映しといてほしい。
ちょっとしか観れなかったあいだに、
座ってる体が疑似の追体験してる。
トンベ・トンベ・トンベ・ラ!!
ひゃあ、むずかしい。え、ええーっ？
これ、よくわからないけど面白い。
これって、パフォーマンスやん。
すごいもの、見逃してた。
日本チーム、すごい。


「かけっこ」
お昼休みに久しぶりに外に出た。
役員さんを見送ってへらっとした瞬間、
くせっ毛のガテンなおにいさんの
にこっとした微笑みと目があってしまった。
下のワインショップの工事してる人かな。おない年くらい？
ええと、ラファエロの退屈な天使と似てる。
あちゃ、こっち来た。でも、いい距離感とるなあ。
1メートル20から50センチで、ずっと首かしげて
微笑み投げてくる。イタリア人か、君は。
目をあわせちゃ、いーけないんだ。
この人は私と同類とか同質のたぐいの人。
遊びたそうですね？下向いて笑ってようかな。
同じ方向に歩き出す。ちょっと先をゆっくり歩く。
追いつかないように、私もゆっくり歩く。
しばらくして早足になったおにいさんにつられて、
コツコツコツッと軽い駆け足してしまった。
半分、振り返る。(ちょっとオモシロイ)

猫またぎくらいの信号で追いついちゃった。
ちょうど横並びになる。
おにいさんは止まる。でもね、
私は信号無視するの。
こんどは、おにいさんが私を追いかける。
くすくす。前を見てる私の顔はちょっと笑ってる。
ごめんね、もう郵便局についちゃった。
目をあわせずに私は中に入っていく。
きっと、おにいさんは、笑って通り過ぎていったと思う。
工事は来週には終わる。
チャンスがあれば、また遊ぼうね。
口きくことはないだろうけど。