アラスカな犬

アラスカな犬




アラスカンマラミュート

アラスカンマラミュートって知ってますか?
大きくて優しい、たふたふした犬です。
抱きついたら気持ちいい大きさなのです。
毛皮が厚くてたくましくて、ぼよよんともたれられるのです。
大の大人の私でも(体重50越)本当に上に乗ることが出来ます。
さすがにアラスカの犬ゾリ犬。
(で、いいのかしら。馬車馬という言葉があるんだからあってますよね)
アラスカな犬なわけです。

マーシャル君という、アラスカンマラミュートの知り合いがいました。
何しろ優しいので、他の犬を威嚇することもなく、人間に吠えることもなく
マーシャル君が散歩していると、小型犬が、虎の威を借る狐のように後ろについて、
偉そうに行進して行く姿が見られました。
漫画のようなほんとの話。

よくしつけられているので、散歩中に人に気をとられることはありませんでしたが
おやつ(ジャーキーや骨)をくれた人もちゃんと覚えているし、可愛がってくれる人もわかっていて
飼い主さんが許している場合であれば、大きい体で甘えてきます。
私はべろべろ嘗め回され、あまりの重さに、道の真ん中で押し倒されることがよくありました。
さあ、来いと構えていても、腰をおろして待っていても
マーシャル君が、ばふんとくると、受け止められないのです。
秋田犬やレトリバーもそうですね。
向こうから喜んで飛んでくると、重さは加速度をくわえて私を襲います。
大型犬は飼えないなあと痛感する瞬間です・・・
マーシャル君はお引越ししてしまったので、もう何年もあってません。
元気かなあ。
10歳を越えて、きっと素晴らしく貫禄のあるアラスカな犬になっていると思うのですが。

さて、マーシャル君はでっかいので、犬種の分かる人なら間違えることはないのですが
シベリアンハスキーと間違われることがよくありました。
シベリアンハスキーはかつて物凄い人気を誇る犬種でしたので、ご存知の方は多いと思います。
では、シベリアンハスキーが、なぜそんなに人気が出たのでしょう?
アラスカンマラミュートより小さいとはいえ、日本の家で飼うには十分大きい犬なのに。

チョビという名前のシベリアンハスキーがきっかけだと思います。
花とゆめ・白泉社『動物のお医者さん』佐々木倫子
般若のような顔、といわれて登場する、なんとも素敵な性格のシベリアンハスキーです。
チョビの飼い主のハムテル君、彼を囲む人たち、動物達が
軽妙洒脱な語り口と絵で描かれているので、本当に楽しい作品です。
かく言う私も、どっぷりはまったのですが、
この漫画の連載当初は、犬が怖くて触れない人間であったために
二軒向こうにやってきたチョビそっくりのむくちゃんを、門越しに眺めるだけで満足していたのでした。
まさか数年後には、チョビよりはるかに大きいアラスカンマラミュートに押し倒されることも知らずに。






花とゆめ『動物のお医者さん』佐々木規子


般若の面のような顔の、小さなシベリアンハスキーの子犬を、突然押し付けられ
飼うことになったハムテル君の、それをきっかけにした人生の転機の話。(か?)
子犬はチョビと名づけられ、ハムテル君は、なぜかしら動物のお医者さんになる勉強をはじめることになってしまいます。
花とゆめ『動物のお医者さん』は、般若の顔のチョビのアップから始まり
動物達や、学校の教師、同級生、先輩、ハムテルの家族(猫、鶏、すなねずみ含む)
が、増えたり、病気したり、吹き矢したり、検便したりしながら
劇的な恋や、革命や、命がけの試合もなく、ただ普通の毎日を過ごす話です。
普通の毎日の中で、ハムテル《本名は西根公輝(にしねまさき)》は、動物のお医者さんになるべくお勉強していくのです。
ただ、ねずみ嫌いなのに、一緒に獣医の勉強をする、友人二階堂や
特異な体質とスピードを持つ先輩菱沼さん、馬好きで几帳面な菅原教授、
ホントに居たら怖いけど、きっと似た様な人はいるに違いないアフリカ好きの漆原教授、
私の理想である独立独歩、見事に強引ぐマイウェイな、公輝・まさきを「キミテル」と呼ぶハムテルのおばあさん。
ちょっとユニークな人たちが揃ってしまったために、普通の日常は、
見たことも聞いたこともなかった獣医になる勉強を含め、私たちの日常とはかけ離れていきます。
脇役がしっかりと書かれた物は、漫画でも映画でも本でも、楽しい。
悪役(?)を引き受ける漆原教授の、憎たらしさというか、傍若無人な俺様振りには
菅原教授でなくても、腹は立つけど勝てない・・・でしょう。
みんな、生きている。それが楽しい。
しっかりした世界をもつお話は、私たちの世界とは違う空間にあって
扉を開くことでいつでも訪れることが出来ます。
そう言う世界を数多くもつのが、本好き(映画好き)の幸せ。
この本の舞台も憧れの北海道です。
北海道って夢の国ですか~~~??

この作品は今度テレビドラマ化されることになりました。
4月17日毎週木曜日の9時
何で今ごろ??と思いますが、チョビのあまりの可愛らしさにくらくらと来てしまいます。
配役を眺めては、うなずいたり笑ったり。
シベリアンハスキーブームが再燃するかもしれませんね。

しかしまた、何で今ごろ??






佐々木倫子

佐々木倫子のリンク先が楽天ブックしかないのをお許しください。
楽天の通販関係のリンク規制が厳しくなったのか、ほかでリンクしても、
販売目的の所のだとリンクできないんです。
この方の他の作品も大好きです。
ペパミントスパイや、おたんこナースシリーズも何度見ても飽きないですね。
独特のスピードで、淡々と書かれていく話が、妙にツボにはまっていきます。
男性でも絶対楽しめる漫画なので、動物好き、北海道好きの方は「動物のお医者さん」
看護婦好き、病気好きの方は「おたんこナース」
スパイもの好き、諜報部員になりたい方は「ペパミントスパイ」をお試しください。
はまった方は是非、「食卓の魔術師」「家族の肖像」「代名詞の迷宮」「林檎でダイエット」
他の作品もどうぞ。
電車内での噴出しに注意です。





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