だんなのミッドライフ・クライシス

最近、うちのだんなは何となくどよーんと落ち込んでいます。 私は気分の浮き沈みが激しいので、自分が落ち込むのには慣れているんだけれど、だんなが暗いというパターンはまったくの新しい状況。「どうしたの？」「どうすればいい？」などと、思わずおろおろしてしまいます。 よくよく聞いてみると、アメリカで言うところの「ミッドライフ・クライシス（中年の危機）」ってやつみたいです。４０歳をちょっと超えた頃、ある日ふと、自分はそれほど若くないことに気が付き、「今までの人生なんだったんだろう」とか「これからの人生どうしよう」などと考えて、悩んだり、落ち込んだり、あるいはいろいろな行動に突っ走ることをいいます。いろいろな行動っていうのは、例えば浮気とか、スポーツカーを買ったりとか、派手な服を買ったりなどがあります。 だんなの場合は、とにかく最近まず仕事がつまらないそうです。（笑） 確かに彼がやっている仕事は半分は面白いんだけれど、あと半分ぐらいは本当につまらないんです。 でも、お給料は悪くないし、家でも仕事できるし、勤続３年ごとに４週間の有給休暇がある（毎年もらえる数週間の有給に加えて）というおいしい仕事なので、やめるのははっきり言ってアホです。ということが本人も判っているので、やめられないわけ。 で、どうしたいの、スポーツカーでも買いたいの、と聞いたところ、 「本当はね、木造の船の作り方を習いたい。そして船を作ってみたい」んだそうです。 西海岸にも何ヶ所かそういう授業を受けられる学校があって、そこで授業を受けたいんだとか。 前からそんなことは言っていたので、じゃあ、来年の有給休暇はその学校に行けば、と行ったところ、どんよりとしていた目が、きらきらと輝きを取り戻したではありませんか。単純だなあ。 しかし、彼が本当にやりたいのは、ヨットで太平洋横断をすることなんだよね。 いちおう子供たちが成人するまでは、それだけは勘弁してください、と言ってあるんだけれど。 思い切って「行ってらっしゃい」と言ってあげようかなあ。 …うーん、やっぱり無理だな。（笑）