謹賀新年(2012年)
新年明けましておめでとうございます。 本年も宜しくお願いいたします。 今年の正月は、心配していた寒波もなく穏やかに新年を迎えれました。 私は、下の娘が今年高校受験というとで正月期間中、専ら自宅で読書に勤んだ。(実はゴロゴロしていた。【笑】) 昨年無性に長編歴史小説が読みたくなり、司馬遼太郎の『坂の上の雲』文庫版全8巻を買い求めた。年内読破のつもりが残り3巻を残し新年に持ち越しに。 なんとか全巻を読み終え、番外編的な作品『殉死』を購入し完読。 国力の差が歴然なロシアに対して無謀とも思える祖国防衛戦争として戦いを挑み、日本国を守るという強靭な意思のみにより壮絶な肉弾戦にて陸を制し、世界最強の海軍をもつイギリスとの同盟を後ろ盾に得て、海戦を有利に運びバルチック艦隊を撃破、又、戦中に諜報活動によりロシア帝政を混乱せしめ、戦況を機して米国大統領ルーズブェルトを介し講和条約に持ち込んだ。 これ以外の勝利の方法は存在しないと断言できるもので、又、神意とも思える幸運が味方した。日本国を死守すべく英知を結集し、自らの命を顧みず不退転にて各々が完璧なまでに行動を推し進めた結果だった。明治に生きた人々のイデオロギーを痛烈に感じ、深く感動した。 余談であるが、主人公の一人、連合艦隊参謀であった秋山真之が満49歳で没している。 司馬遼太郎は、この作品にあたり執筆期間以前の調査・準備期間が5年、執筆期間が4年と3ヶ月を要し、書き終えた日の数日後に満49歳を迎えたとあとがきで書いている。 偶然にも私は今月、満49歳を迎える。そういう意味合いでこの作品に対し、勝手な思い込みであるが親近感、そして何か運命的な出会いを感じると同時に激しくショックを受け、あまりに未熟でちっぽけな自分に苛立ちを覚えた。 気が付けば人生の折り返し地点をとうに過ぎてしまった。一年、日々を大切に過ごせねばならないと切実な思いが脳裏を襲った。(三日坊主になりませんように【願】)