015549 ランダム
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来訪者達の宴

過去と今と

武器を手に迫る人間の戦士達。
彼女は幼いながらも、仲間達とともに懸命に戦い続けた。
護らなければならない存在の為に。
仲間は傷付き倒れていき、もはや支えきるのも困難だと思われたその時。
女王討ち死にの報が戦場を駆ける。

彼女は護り切れなかった。
護らねばならぬ主を。
そして自分の居場所を――


「……また」
幾度この夢を見ただろうか。
生き残った仲間達とともに、この学園に連れて来られて半年が過ぎた。
今は正式に学園生徒となり、かつて敵対した者達とともに学ぶ日々。

今の生活には何の不満もない。
唯一つを除いては。

『自分は何者なのか?』

唯一つにして最大の不満。
自らの過去を失ってしまったが故に、それが不満であり、また不安でもある。
そして、記憶を失ってなお、彼女を苦しめるもの。
それは例えようのない罪悪感。
何故なのかは分からない。
この夢を見るたびに膨れ上がってゆく罪悪感。


「……だめ、このままじゃ」

起き上がり手早く着替えると外へと出た。
目指す先はとある広場。
そこには最近入った結社の仲間達が集う。

【夕陽に舞う鴉】

それがこの結社の名前だ。

ここにきて、ある程度経った。
しかし未だに心を開けずに居る。
自分が何者か、そればかりが心に引っ掛かって。
だけど、いつかはここの皆と笑い合いたいと思う。
そうすればきっと、この言い知れぬ罪悪感からも逃れられそうな気がして。


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