キャベツとか超展開とか色々あったけど、まぁ終わりよければ全て良し! - 夜明け前より瑠璃色な
夜明け前より瑠璃色な第12話「お姫様と…」(最終回)月・地球両艦隊が睨みあいを続ける中、ついに謁見場へとたどり着いたフィーナと達哉。国王ライオネスに二人の決意を語り、地球との国交正常化を求める。歴史が動きつつある、この瞬間を広く内外に知らせるため、高野先生と助手は電波ジャックを決行する。もう高野先生カッコイイぜ!ただの一発ギャグキャラでは終わらせずにきちんと物語の根幹に絡ませてくるのには感心させられた。ギャグ担当のキャラクターであるだけに、「何でもアリ」な頼もしさが感じられて楽しいなぁ。まさかこんな良いキャラに育つとは思っていなかったよ。しかし達哉は立派に成長したなぁ。大勢の高官とユルゲン、ライオネスを前にして微塵も臆することなく、堂々とその心のうちを語る。やはりパートナーの存在は大きいのだな。国民の反応の中に「子供の視点」を持ってきたのは実に上手い。色眼鏡を通さない無邪気な意見は、大人からは出ない発想が出てくるから(それで周りの大人の意識が変わる、という演出も出来る)。国王の意見がいちいち尤もで、どう論破するのかと思っていたが、ここでフィアッカに対して二人が語った言葉を持ち出してきたのは良かった。リースもフィアッカも事態をちゃんと見守っているしね。「月と地球の接近が軋轢と衝突を生み、戦争へと至るのだから両者は交流などしない方が良い」という意見に対し、「むしろ互いを理解しようとせず、心を許さないからこそ衝突する。互いに矛を下ろし、過去の過ちを繰り返さないよう未来に向かって共に努力することこそが希望に満ちた未来へ繋がる」「傷つけあった過去は消せないが、いずれ必ず癒える。忘れるのではなく、乗り越えることこそが重要である」と説き伏せる。フィーナの「お願いです。過去を怖れるあまり、未来を否定しないでください!」という言葉には胸を打たれた。うーん、この作品はホントに良い台詞が多いなぁ。「何故そこまで地球との和平に拘るのか」との問いに「地球と、そこに住む人々を愛しているから」と答えるフィーナ。あたたかなメロディが流れる中、地球で過ごした様々な場面がフラッシュバック。フィーナの優しい語り口も相まって感動的なシーンとなっていた。思わず涙ぐんでしまったよ。大統領の「見ている?セフィリア。」という言葉も胸に響く。ただ、その「思い出」の作画が悪いのだけが残念だった(泣)。そして出てきました、ユルゲン卿。もう表情がイっちゃってて素敵すぎる!選民思想が強く、地球をどこまでも憎むユルゲンは、ついに軍事クーデターを決行。何でそんなに自信があるのかと思ったら、核兵器にも勝る「メテオホール」なる大量破壊兵器を建造していたのか。条約で禁止していた位だからその威力は推して知るべし。…しかしクーデターの内情が完全に国民に露呈してしまった以上、ユルゲンの政治生命はもう終わっているよなぁ。たとえ王位を奪ったとしても、誰も彼の正当性を認めないだろう。必要もないのに戦争に突入しようとしているし。ついにフィーナをも亡き者にしようとするユルゲンだが、満を持してカレン登場!全てが放送されていることを暴露する。くーっ、気持ちいい!助手もカッコイイぜ!そしてエロいぜ、カレン直属の女性部隊!(笑)連行されるユルゲンと反逆者達。だが自暴自棄になったユルゲンは隊員の銃を奪い、フィーナに発砲。達哉は体を張り、銃弾からフィーナを守るのだった。銃弾は心臓の辺りを直撃。フィーナの無事を見届け、絶命する達哉!うわー、マジ!?「AIR」クライマックスのごとくフィーナの歌が挿入され、達哉の姿がフラッシュバック。うっ、うっ…、各キャラの表情と芝居が絶妙だったから、もらい泣きしちゃったよ…(特に仁の男泣きはよかった)。子供の、「あのお兄ちゃん、約束守ったね」という台詞も切なすぎる。まさかこの作品で泣くとは思っていなかった。これは、どう終わらせるんだ…と思っていたら謎の巨大宇宙船襲来。謎の光線で達哉を生き返らせてくれる。そしてそこには達哉の父親、千春の姿が。…って何この超展開!!??フィーナを悲しませたくないライオネスはどうしても踏ん切りがつかない。しかし「セフィリアの遺言」の後押しもあり、ついに二人の仲を認め国交正常化交渉を始めることにした国王。うーむ、よかった。よかった。そして舞台は数年後。月・地球両国、国を挙げての盛大な結婚式を執り行う二人。ミアが成長しているのが感慨深いぜ。メイド服が緑なのは昇進したのだろうか。祝福される二人からぐんぐん引いていくカメラ。式場が、月と地球を結ぶ指輪の形をしていたのはにくい演出だった。壮大な音楽が流れる中、感動の終幕。幕の引き方がスターウォーズを彷彿とさせ、非常に感動的であった。何だかんだいって、最後まで楽しく見させてもらった「夜明け前より瑠璃色な」。ラスト付近の盛り上がりは相当なものだったし、心に響く台詞も多く、作画にさえ目をつぶれば中々良い作品であった。原作ゲームを早く買わねば、と思う艦長セリオでした。PS2版夜明け前より瑠璃色なDVD1~6OP/大藤史 ED/生天目仁美