女王様・イサコの「出ておいき!」に惚れた - 電脳コイル
電脳コイル 第10話「カンナの日記」相変わらず、キャラクターの細かい挙動を見ているだけで楽しくなってくる本作。今回は、イサコの目的をおぼろげに見せつつカンナとハラケンを中心に物語が展開された。いつまでもカンナのことを想い続けるハラケンを見て落ち込む、乙女なヤサコが可愛らしい。折笠富美子の自然な演技には毎回唸らされるなぁ。いくつかの伏線はそろそろ回収され始め、面白さに拍車がかかってきた。うーん、これはやっぱり二クールやるのかな。あと三話じゃ終わらせられない気がするしね。前回から引き続き、サッチーとイサコの戦闘。本当にこのアニメはアクションシーンに緊迫感があるなぁ。BGMの盛り上げ方が上手いというのもあるが、ハリウッド映画さながらの爆発シーンは、コンテの上手さも光っている。管理ドメイン外なので「修復不可」というウィンドウが次々に開く一方、サッチーの攻撃は即座に修復されてしまう、という対比が格好良い。映像的にも派手でスピード感があるしね。SFアニメにはよくあるけど、こういうエラーウィンドウが次々に開いてピンチに…という演出はゾクゾクする程カッコイイ。エヴァンゲリオン第拾参話「使徒、侵入」とか。合宿で仲直り作戦が成功した、と大喜びのマイコ先生が可愛らしい。銅像と同じポーズをしている、という演出には笑ってしまった。また、この後イサコの台詞(大黒黒客の目論見は失敗した)と対比させているのも面白かった。しかし、この一連の作戦には初めからダイチを追い出す意図があったのか、と問うガチャギリは結構な洞察力の持ち主だなぁ。でも、ダイチってそこまで扱いにくい奴だったっけ?他の構成員の精神的支柱なので、女王様としては支配するのに邪魔だったのかな。そしてミチコさん云々は、やはり前回イリーガルを取り込んだことで得た自信の表れなのか。それにしても「出ておいき!」という言い回しはクるものがあるな(笑)。カンナの残した手掛りを元に、イリーガルについて調査を薦めるハラケン一行。特定のルートを通ることがパスワードになっていて…というのが、いかにも小学生の遊び心をくすぐる感じで面白い。これは前回ハラケンが電話で聞いた内容なのだろう。以前にも同じ症状に陥ったらしいが、ハラケンは精神が不安定なのかな。しかしこれ、眼鏡が原因として引き起こされたのだとしたら、ちょっと怖い。データ上のやり取りが人体にまで影響を及ぼすということだからなぁ。何となく、「クリス・クロス~混沌の魔王~(著:高畑京一郎)」を思い出してしまった。ハラケンの台詞を切っ掛けに「4423」についての記憶が呼び覚まされるヤサコ。4423とは、実在の人物の暗号名であったのか。ハラケンと重ねてうっとりしてしまうヤサコが、完全に恋する乙女で可愛かった。カンナが残したパスワードは、再度ひっくり返して読む、という暗号であった。こういう引っ掛けは、推理小説のトリックみたいで大好きだ。そして、見つかったのはカンナの日記。ハラケンに対する想いが切々と書かれていて、思わずウルッときた。これを読んでしまい、意気消沈してしまうヤサコ。やっぱり彼女はハラケンが好きなんだなぁ。一方、イサコは叔父の入院先を訪ねるのであった。何か、初めて小学生らしい素直な表情を見た気がする。これは、やっぱり彼女の家庭環境に関係があるんだろうな。また、兄が(おそらく)失踪したことにも関係がありそう。彼女の目的は、兄を自分の元に連れ戻すことだと判明したが、これはやはり「ミチコさんの怪談」がヒントなのだろうか。そして、十中八九「4423」がイサコの兄貴なんだろうな。来週もまたまた面白くなりそう。今回はイサコの勝利に終わったが、次こそはショタおばちゃんの活躍に期待したい艦長セリオでした。サントラDVDクリス・クロス~混沌の魔王~