本厄サラリーマンの「感動の記録」

2009/05/11(月)15:48

-三木たかしさん、逝く- 西城秀樹「ラストシーン」を聴く

歌謡曲(7)

先日の忌野清志郎さんに引き続き又しても巨星墜つ-、作曲家の三木たかしさんが急逝されてしまいました。リンパ節転移のある下咽頭がんを克服してくれたと思いきや、これだけ医学が発達してもがんの完全治療法が確立できないというのは全くどういう訳でしょうか。今回はNHK衛星第2の帯番組「クラシック倶楽部」における竹澤恭子さんのヴァイオリン・リサイタルについて書こうと思っていましたが、三木さんに哀悼の意を表し、その功績と魅力について語らせて貰うこととしました。 私見ではありますが、1970年代以降の歌謡界において最もオリジナリティ溢れ、且つ素晴らしいメロディーを生み出した作曲家を三人挙げるとするならば、三木たかし、馬飼野康二、都倉俊一の三巨頭が他者の追随を許さぬ技量で図抜けていると確信します(生年順、敬称略)。「どうして筒美京平を挙げないの?」と訝る好事家の方もおられるものかと想像しますけれども、大作曲家でありながら売れ筋の洋楽から臆面もなく剽窃をしまくる筒美氏の姿勢が今も尚好きになれず、筒美メロディーを安直に礼賛する風潮に抵抗したいが為です。大好きだった南沙織「傷つく世代」がエルトン・ジョン作「Have Mercy On The Criminal(邦題:罪人にあわれみを/6thアルバム:ピアニストを撃つな!収録)」の焼き直しと知った時、どれだけずっこけたものか!歌謡曲マニアの半田健人さんの評価を聞いてみたいところです。 本題に戻ります。三木さんの楽曲の魅力、それはあの独特で美麗なメロディーに尽きるでしょう。岩崎宏美「思秋期」、あべ静江「みずいろの手紙」、石川さゆり「津軽海峡・冬景色/能登半島」、西城秀樹「若き獅子たち/ブーメランストリート/ボタンを外せ」、森進一「北の蛍」、そしてテレサ・テンの三部作「つぐない/愛人/時の流れに身をまかせ」を白眉とする三木メロディーに漂う哀愁は、我々日本人の心の琴線に触れる歌謡曲きっての良心でした。アニメ曲でも「アンパンマンのマーチ」、全国高等学校サッカー選手権大会テーマ曲「ふり向くな君は美しい」、さらには先日自ら命を絶たれた清水由貴子さんのデビュー曲「お元気ですか」まで。清水さんの突然の訃報に三木さんは病床でどれだけ悔し涙を流されたことでしょうか。両者が逝去されたという現実に、ただただ胸が痛みます。 今はYOUTUBEで三木さんの最高傑作と信じて疑わない、西城秀樹「ラストシーン」を何度も繰り返し聴いています。先に挙げた大半の名曲を生み出した大作詞家・阿久悠さんの手になる、年上の女性に憧れ夢破れる青年の淡く揺れる心情を見事に描ききった歌詞、当時21歳とは思えない秀樹さんの類まれなる歌唱力、そして属性は長調でありながら寂寥感溢れる三木メロディーが三位一体となって、歌謡曲史上に残る傑作バラードとなりました。私の所持する全シングル曲を収録したBOXセットよりも、秀樹さんの凛々しい美貌が拝める「夜のヒットスタジオ」ヴァージョンに見惚れつつ、三木さんを偲びたいと思います。 また昭和の偉人が黄泉の国へと旅立たれてしまいました。謹んで三木さんのご冥福をお祈り致します。合掌。 西城秀樹/HIDEKI 70’S お手軽ベスト盤! 《送料無料》西城秀樹/35TH ANNIVERSARY MEMORIAL BOX HIDEKI COMPLETE SINGLES 1972-1999(初... 究極のBOX! 阿久悠大全集30周年記念特別企画 移りゆく時代(とき)唇に詩(うた)(CD) 大作詞家の全貌が!  

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