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本厄サラリーマンの「感動の記録」

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2009.07.19
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カテゴリ:ロック(洋楽)
ここのところ歌物アルバムが続いていたもので、今日のBGMは趣向を変えました。ロック史上最高のトリオ、クリームの2ndです。夜なので大音量にあらず、ヘッドフォン経由なのが残念ですが。

私のエリック・クラプトンへの興味はヤードバーズ時代から1970年代、アルバム単位では1979年12月の日本武道館における実況録音盤『ジャスト・ワン・ナイト』迄に限定されていますが、その中でもクリーム時代はとりわけ独創性とポップ性のバランスが完璧で、未だに聴くたびに興奮させられます。

腕利きのギター、ベース、ドラムの3人きりでブルースを基盤としたハード且つキャッチーな楽曲を紡いでいくスタイルは、クリームをもって嚆矢とします。結成直後の1966年6月に録音された1stシングル「Wrapping paper」はその後の驀進の予感すら抱かせぬ拍子抜けトラックですが、同年7月~9月録音の音源でまとめた1stアルバムの革新性が後進に与えた影響は絶大でした。

ジャック・ブルース作のオリジナル曲の完成度はまだまだで、聴き物は勿論ブルース古典のカバー3曲「Spoonful」「Rollin' And Tumblin'」「I'm So Glad」、そしてジンジャー・ベイカーのドラムを全面的に押し出したオリジナル曲「Toad」でしょう。図太い音圧のベースのみならず煽情的な歌唱とブルース・ハープも魅力充分なジャック、ホワイト・ブルースの次元に留まらず貪欲にギターの可能性を追求するエリック、多い手数とツイン・バスドラムを駆使して重量感溢れるリズムを刻むジンジャー。正しく三位一体の革命的なロック・ユニットでしたねえ。

【Rollin' And Tumblin'/クリーム】


その後は欧州各地で公演を続け、翌年5月には紹介盤の2ndアルバム音源が完成。1stと比較すれば楽曲の完成度が飛躍的に向上しており、特にとびきりの浮遊感が冴える「Strange Brew」「World Of Pain」を提供したプロデューサー、フェリックス・パパラルディの功績は小さくないはず。後に結成したマウンテンの楽曲に顕著であった重厚で華やかなポップ性を備えたパパラルディの資質は、同じベーシストのジャックの作曲・編曲センスを確実に刺激したことでしょう。

【Strange Brew/クリーム】


かくして60年代アート・ロックを代表する傑作「Sunshine Of Your Love」が誕生!他にもジャックは名曲「Dance The Night Away」「Swlabr」「We're Going Wrong」「Take It Back」を生み出し、エリックは前衛芸術家マーティン・シャープと共作した「Tales Of Brave Ulysses(英雄ユリシーズ)」を、ジンジャーもコミカル且つ退廃的な「Blue Condition」を提供しています。紹介盤はデモ音源、BBC放送音源をボーナス収録した決定盤につき、クリーム初体験CDとして断然推奨させて頂きます。

【Sunshine Of Your Love/クリーム(1968年・解散公演音源)】


その後は殺人的なスケジュールの欧州~米国ツアーを続けながらも、名曲「White Room」収録の傑作3rdアルバム『クリームの素晴らしき世界』を1968年7月に発表。スタジオ録音と米国サンフランシスコでのライブ音源をまとめた変則的な作品でしたが、遂に米国ビルボード・チャートのトップを獲得!しかし世界の頂点を極めたのも束の間、ジャックとジンジャーの仲違いが原因で惜しまれつつ解散に至りました。最終公演は同年11月26日、会場は英国ロンドンのロイヤル・アルバート・ホール。代表的名演「Crossroads」をお聴き下さい。

【Crossroads/クリーム(解散公演音源)】


3人の英雄はその後別々の道を歩んで行くことになる訳ですが、最も年下でシャイだったクラプトンが、世界的なスーパースターへと変貌を遂げたのが何とも興味深いですね。1968年9月5日には、あのホワイト・アルバムを録音中のビートルズのセッションに客演。ジョージ・ハリスンの名曲「While My Guitar Gently Weeps」で、クラプトンならではの泣き節を披露してくれました。うーん、やっぱりビートルズはたまらんなあ。9月9日発売リマスターCDのBOXセット購入費用をどうやって捻出しよう?ステレオとモノラルの2種類で、何と75,600円!市井の会社員が容易に手を出せる品じゃありませんよねえ。

【While My Guitar Gently Weeps/ザ・ビートルズ】


実働期間僅か2年でロックの世界を変革した、偉大なるグループ・クリーム。解散から40年の歳月が流れましたが、遺された音源は今もなお刺激的です。4thアルバムと解散後に発表されたライブ音源については、また別の機会で書かせて頂きます。それでは「White Room」の解散公演音源を最後に紹介して、筆を置きます。おやすみなさい。

【White Room/クリーム(解散公演音源)】


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最終更新日  2009.07.20 07:19:01
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