099407 ランダム
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缶詰

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空月さまから・強奪ザンツナ子×2

I need you (ザンツナ♀)

ザンツナ♀ ~会社員と女子高生~




マンションに帰り、ドアを開けるとツナがいきなり抱きついてきた。
その格好は制服のまま。
ザンザスの帰宅時間は遅いため、普段は家に帰って私服に着替えてきているのだが、どうやら今日は自宅に帰っていないようだ。
ソファーの上に学生鞄も投げてある。

ザンザスがツナと出会ったのは2年前。
中学2年だったツナが通学中の電車で痴漢されているのを助けたのが始まりだった。



「おい、綱吉」

ザンザスが声をかけるが、フルフルと首を横に振るだけで離れようとしない。
チラッと見えた瞳からはぽろぽろと涙が流れていた。
どうしたものやら…ザンザスはとりあえずツナの頭に手を置き、落ち着くまで待つことにした。




相変わらず離れようとしないツナごとソファーに座る。
足の間にすっぽり入ったまま、ぐずぐずと少しずつ話し始めた。


「オレ、何やっても駄目だから、何も、できないし…全然女の子らしくなくて、京子ちゃんみたいじゃないもん。それに、運動も勉強もいつも最下位で…」

「……」

「ダメツナなんて、誰も必要としてないし、それに…」

「おい」



今まで何も言わずツナの話を聞いていたザンザスが口を挟んだ。
それに驚いてツナは思わず顔をあげる。


「誰が誰も必要としてないって?」

「あ……」


ザンザスは眉をしかめ、ツナを睨んだ。


「どの口がそんなこと言ってんだ」

「だって…」

「だってもクソもねぇよ」



ヒョイとツナを抱き抱え、自分の片足の上に乗せる。
先程よりは目線の位置が近くなった状態でザンザスはツナの涙で濡れている瞳を見つめた。



「学校で何があったかは知らねぇ。だがな、“誰も必要としてない”なんて言葉、二度と言うな。わかったな?」

「……」

「綱吉」

「……はい」

「それでいい。俺にはお前が必要なんだ」


ザンザスはツナに微笑みかけ、そっと抱き締めた。







Hello Hello(ザンツナ♀)

ザンツナ♀ ~会社員と若奥様~




「おい、今日は出かけるか?」


ザンザスの仕事の都合で、休日が一日中完全にオフになることはほとんどないのだが、今日は珍しく二人でのんびりとした朝を過ごしていた。
朝食も食べ終え、ぼうっとテレビを見る二人。
ザンザスに肩を抱かれているツナはふるふると首を横に振った。

「ううん、久々に家でゆっくりしようよ」

疲れているであろうザンザスのため、そう提案する。
ザンザスは「出かけても構わない」と言ってくれたが、ツナはやんわりと断った。
理由はザンザスのためだけではない、最近優れない自身の体調のためでもある。
幸いなことに、ザンザスはツナの異変に気付いていない。
それに、まだ確かではないから言いにくいのだ。
“妊娠しているかもしれない”ということを。



「俺が飯を作ってやろうか?」

珍しくザンザスが昼食を作ると言い出した。

「ザンザスが?やったぁ、お願い」



ツナはザンザスに昼食を任せ、自分はテレビの続きを見る。
連続ドラマの再放送、浮気相手に子どもができ、焦った男が女を殺すというストーリー。
あまりにもタイミングの悪いそのドラマ、しかし結末が気になって見てしまった。






********

「できたぞ」


いつの間にか眠っていたらしいツナを揺すり起こすザンザス。
ツナは身動ぎし、目を擦るとふわっと笑った。
その笑顔にザンザスも頬を緩める。



「うわぁ、美味しそう」

ザンザスの得意料理はイタリアン。
ツナは大抵和食を作るため、こうやって時々ザンザスがイタリアンを作ることを楽しみにしている。
恐らくザンザスもそのことに気付いているのだろう、作る時は本格的に作るのだ。



「いただきます!」

嬉しそうに手を合わせた後、器用にスプーンとフォークを使い、ぱくぱくとパスタを口に運ぶ。
その様子を見ていたザンザスもゆっくりと食べ始めた。

半分食べただろうか?
不意に吐き気に襲われたツナは席から立ち上がるとトイレへと駆け込む。
テーブルからフォークが落ちた音とザンザスが「綱吉!?」と叫ぶ声が聞こえた。






「大丈夫か?」


コップに水を注ぎ、ツナに渡すザンザス。
ツナはそれを大人しく受け取った。

「大丈夫…せっかく作ってくれたのにゴメンね」

コップに口をつけ、悲しそうな表情をするツナ。
そんな彼女を見てザンザスは眉をひそめる。

「…顔色悪ィな、病院いくぞ」

「……」

「おい、綱吉」



ザンザスに肩を掴まれ、そらしていた視線を無理矢理視線を合わせられる。
真っ直ぐな瞳にツナの胸が高鳴った。
しばらく黙っていたのだが、意を決して口を開く。



「…赤ちゃん、できたみたいなんだ」


その言葉に目を見開くザンザス。

「…確かなのか?」

「まだ簡易検査なんだけどね」



先日気になって薬局で買ってきて調べたらしい。
何故自分に言わなかったのか、そう問おうとしてザンザスは口をつぐんだ。
最近忙しくてツナの変化に気付かなかった自分を恨む。


「綱吉、やっぱり病院だ。ちゃんと見てもらえ」

「ザンザスも来てくれる?」


不安そうな瞳で見上げるツナ。
ザンザスは不安を払拭するかのようにツナの髪をくしゃくしゃと撫で、優しく言った。


「当たり前だろ」



二人が新しい生命を確認するのは数時間後のこと。







※これ読んで妄想ノンストップの庄次郎です。(笑)
※この後、つわりのせいで物が食べられなくなってぐったりするツナ子とか、そのツナ子のためにオレンジとか果物剥いてあげるボスとか、そんなラブラブな二人とか…あると思います。
※あとあと、産後すぐ仕事(ボス業)に復帰するツナ子に替わって育児休暇取るボスとか…あると思います!!(笑)


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