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缶詰

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『つぼみの彼ら』Sample

◎『つぼみの彼ら』


[内容]
白ツナ←正メインのフミルフィオーレ×ツナの学園パラレル。

※サンプル1↓


いかにも平凡で、頭が悪そう。というのが第一印象。



「あ…は、はじめまして。沢田綱吉です」

やや緊張したように肩を強張らせたまま、少年は挨拶をした。

眉をしかめた。

向こうは知らなかっただろうが、実は彼を知っていた。『上司』から事前に話があったからだ。

「今年から寮だから分かんないことだらけだと思うけど、綱吉クンをよろしくねー?」

少年の肩を抱いて上司が言う。上司はいつもの笑顔だが、さらに目を細めてこちらを見つめていた。

睨みつけた。気に入らない。約束が違う。

本来なら役職に見合った個室が用意されるはずだった。それがお守りのために?冗談じゃない!

しかしこちらに拒否権はない。故に、少年に対する八つ当たりのような感情が芽生えていた。

「今日からよろしく!えっと…そっちの名前は?」

首を傾げ、尋ねた。少年は柔らかく微笑んでいた。

対して、度の強い眼鏡を押し上げながら、つっけんどんに答えた。酷いしかめっ面だったと思う。

「…入江。入江正一」



それが入学式の前日。

入寮式の後の出来事だった。



※こんなカンジの運命的な(?)出会いから始まる学園パラレル…。
※で。今回のメインは体育祭で……な、サンプル2↓


私立花園学院の設立は古い。

創設は戦前で、昨今では珍しい全寮制を維持している男子校である。

しかし、数年前に経営者が交代した。古い校舎は立て壊され、改修工事を行うのに合わせ、学校の改革も行われた。

特待生制度の充実もその1つである。

能力があれば、国内外を問わず、生徒を迎え入れる。また積極的にスカウトをかけ、頭脳あるいは運動能力の面で優れた学生を集めている。

そのため、学院内には様々な国籍の学生の姿が常に見受けられる。有能な学生たちは学部ごとに、様々な分野の研究を発表し、成果を出している。

自由な校風。日本の多くの学生もこの学校を目指しているというが、合格するのはほんのひと握りだ。



正一もまた、ある人物からのスカウトに応じ、この学院にやって来た。

自分に相応しい、能力を生かせる場所を求め。

おそらく、中学まで通っていた私立の進学校に通い続けていたらまず経験できないことを、この1年だけで得た。

今では生徒会に在籍しており、取り組んでいる「ある研究」はやりがいがあった。それなりに成果も出している。



『では今年の〈ミス花園コンテスト〉エントリーをご紹介していきましょう』

そう…正一は自分に相応しい、能力を生かせる場所を求め、この学院にやって来たのだ。

決して…――



『―続きまして生徒会に咲く2輪の可憐な花!

2年A組代表、生徒会福井会長の入江正一くん!

そして執行委員の沢田綱吉君です!』



断じて!

変な服(ピンクのひらひら!)を着て、お立ち台の上でポーズを取るためではない!



「い、入江…笑って」

「無理」




※兄貴も技術者も女装注意報。


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