384834 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

あずさわ日記

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile


中仙堂

Calendar

Rakuten Card

Favorite Blog

システムエンジニア… 開発導師7さん

Comments

中仙堂@ 創造者の子は創造者 思考に気を付けなさい それはいつか言葉に…
中仙堂@ 癒しと成る自覚! 一年の計は元旦に有りと言われるのは過去…
中仙堂@ 心定め パソコンはまだ おあずけ状態で、  風邪…
中仙堂@ どれだけ多くを 大切なのは どれだけ多くほどこしたかでは…
中仙堂@ 日々此れ 進一歩! 「頑張ろう!」 「頑張ります!」 今迄何万…

Freepage List

Headline News

2012.04.10
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類

秋風のがおしえてくれた話し

裏通りに一軒のお店がありました。
シャッターが半分閉まったお店は、小さな楽器店でした。お店にはオーボエ、大太鼓、小太鼓、カスタネット、フルート、ピッコロ、ヴアイオリン、オルガン、クラリネット、サキソホーン、そして一番奥にはグランドピアノが有りました。最近だーれも弾いてくれないので、声が変です。うんともすんとも言いません。「ピアノさん最近歌わないね。」
するとピアノが言いました。
「昨日、浜松生まれのいとこから手紙が来てね。だあれも弾いてくれないと悩んでいたら、ご主人さんが他所に売り払ったそうなのよ。」
「悲しいね」テインパニの小父さんが言いました。
「そーなんだ。ぼくだって、本当は世田谷のお坊っちゃんが。毎日弾いてくれたんだ。」「それでどうして此処へ。」
「最近ゲームに夢中で、放ったらかしで、この始末さ。」
だんだん店内が騒がしく成って来ました。
丁度オーケストラのコンサートの始る前の調律の音の様に、響き渡りました。
すると、店の片隅の戸棚に有ったメトロノームが飛び出して、「カッチン、カッチン」と鳴りだしました。
「これは良いや。」
店中の楽器達が歌い出しました。
何の曲が始るのでしょう。
あっ。ドヴォルザークの「新世界」でした。
楽器達は涙を流しながら歌いました。
トロンボーンや、トランペットの声にピアノや、ドラムテインパニの轟きに、店の外には多くの人々が集まり始めました。シンフォニーは静かに静かに終わりました。
「ブラボー」
「ブラボー」
大変な喝采でした。
外はいつの間にか宵闇に包まれて居ました。空には白い月がゆっくりと昇り始めました。
店の奥の沈んでいたピアノが麗しい声で歌い始めました。
空からは金色の光が降り注いでいます。
そうですね。
ベートーベンの
「月光」でした。
店の外には誰も居ない程に鎮まり返った人々がいます。
月の光の涼やかさが感じられます。
静かに静かに終わりました。
草むらではコオロギ達が歌って居ました。









Last updated  2012.04.10 21:22:54
コメント(0) | コメントを書く



Copyright (c) 1997-2020 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.