<ブックレビュー>創竜伝3(その3・余と茉理が歌っていた歌)
とある場面で、ジープに乗っていた米兵に向かって、余と茉理がある歌を歌います。Ge, ge, gegegenoge!Step in bed in the morning.I'm happy, I'm happy.Ghost have no school.No examination!Ge, ge, gegegenoge!Let's sing everybody, gegegenoge!これは、ゲゲゲの鬼太郎の主題歌を英語に訳したものです。これに関しては、この歌はこの物語に関して感慨深い感じがするのです。妖怪というものは、日本古来の民話をもとにしてつくられたものです。そこには、人間としての教訓が内包されていると思っております。妖怪というものは、当然ながら現実には存在しないものです。創造されたものであります。そのため、我々が想像する余地があったりします。この想像というものがポイントで、これが考える力を生み出し、相手にたいする配慮というものができるようになるのです。もし、この想像というものがなかったら・・・そうなると、自分の力で考えることはなくなります。すると、周囲といっしょになろうという思いが出てきます。やがて、それは少数のものを蔑(さげす)んだり、弱者を蔑(ないがし)ろにするようになります。それが嵩じるようになると、戦争を引き起こすことにつながっていくのです。著者の銀河英雄伝説の終盤にて、ごくわずかな想像力があればというものがあります。これは、政治なんて自分には関係ないよという意見に警鐘を鳴らすものであるのですが、それだけではなく、少数派や弱者に対するときに配慮するために必要なものである、と私は思うのです。今回の物語では、ヴラド計画というものがあり、こうした想像力を排除しようとするものがあります。当然ながら、妖怪の存在もないことにされることでしょう。想像力というものは、将来のためにも、そして、戦争を起こさないためにも、大切にしていかなければならないものであるのです。4作目に続きます。田中芳樹著「創竜伝3〜逆襲の四兄弟(ぎゃくしゅうのドラゴン)〜」講談社刊 1988年