<ブックレビュー>創竜伝9(その8・犬猿の仲)
犬猿の仲というのがあります。お互いの仲が悪い様子を指すものなのですが、実はこれ、由来があるそうです。それは、おなじみである西遊記にあります。孫悟空は、玄奘三蔵法師の弟子になるまえに、天界で大暴れしてさんざんに荒らし回ります。討伐に向かった天兵たちも、次々にやられてしまいます。ついに天界最強の勇将とされる人物が孫悟空と戦うことになります。さすがに孫悟空は強いようで、そうとう手こずっているわけなのですが、その人物がかわいがっていた天狗(てんこう)が、勇敢にも孫悟空の足にかみつきます。孫悟空はひっくりかえって、ついに捕まえられてしまうことになります。天狗とは、日本においては「げんぐ」と読んで、鼻が高くて赤い顔をしたものを想像するのですが、中国においては、「てんこう」と読んで、犬のことを指すのです。この物語があってから、猿と犬は仲が悪くなってしまった、とのことです。その9に続きます。田中芳樹著「創竜伝9〜妖世紀のドラゴン〜」講談社刊 1994年