|
カテゴリ:ブックレビュー
今回の事件は、UR電産にまつわる、ある人体実験に関することが隠されています。
それが、脳の研究です。 UR電産と懇意となっている病院は、元々は脳神経外科でした。そのためか、脳の研究をしていた、というのがありました。 とくに、戦時中のときには、頭部に銃弾を撃たれた人というのがいたりします。縦断を撃たれた・・・といっても、奇跡的に助かっているのですが、そこに興味深いものがあったのかもしれません。 そのなかで、特定の音や匂いによって、ある反応をすることがあるようです。 それは、恍惚とした表情をしたり、くすくすと笑い出したり、はたまた、ひどい発作を起こして暴れたり。 検査をしてみると、側頭部にある部分に、ある種の刺激を与えると、その部分に異常電流が発生するようで、そこで人間の感情をコントロールする・・・というのが判明したようです。 この病院では、そのことを研究していた・・・のですが、日の目を出ることはなかったようです。時代が早すぎた・・・というのがあるのかもしれません。 物語の冒頭でサナエという女性が登場しますが、実は子供を産んでいた・・・とのこと。さすがにこれをおおっぴらにすることにはできないので、書類などを捏造して引き取ったことにしたそうです。 実はこのサナエという女性・・・産んだのは一人ではなかったようで、双子だった・・・とのこと。 その子供のうち一人が・・・で、もう一人、というのは・・・ えっ? マジっすか! 「おい、また殺されたぞ」 「いや、まだ死んではいないぞ。そのかわり、体中が真っ白になってしまっている」 「まあ、殺されていないだけマシということか。にしても、なぜそこまでのショックを受けたんだか」 「よほどのことがあったんだろ、たぶん」 その4に続きます。 東野圭吾著「宿命」講談社刊 1990年 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.07.12 19:23:19
コメント(0) | コメントを書く
[ブックレビュー] カテゴリの最新記事
|