光化学スモッグの正体
1970年7月18日、東京の立正高校で体育の授業中の生徒達がバタバタと校庭で倒れ、目やのどの痛みを訴えたりけいれんを起こしたり、意識不明になる事件がありました。 これが、日本で初めての光化学スモッグでした。 世界でこれが初めて確認されたのは、アメリカのロサンゼルスでした。 1943年の夏、多くの市民が吐き気や呼吸困難に悩まされましたが、当時は原因不明で、10年以上たった1954年になって学者達によって原因が突き止められました。 原因は、自動車の排気ガスの中に含まれる炭化水素や窒素酸化物などが、太陽の強い紫外線で化学反応を起こしし大量の酸化物やオキシダントを発生したためでした。 オキシダントとは、強酸化性物質の総称で、オゾンを中心にして、ホルムアルデヒド、パラオキシアセチルナイトレートなどを含みます。 空気中の亜硫酸ガスは湿気と結びついて亜硫酸になり、これにオキシダントが作用して硫酸に変わり、霧状に降ってきます。(硫酸ミスト) 光化学スモッグは、これらの他にもアクロレイン、硫酸メチルなど、多くの公害物質を含み、原因となっています。 光化学スモッグが発生しやすい日は、晴れていて紫外線が強く、風の無い日に発生しやすいですが、曇っていたり、時には夜間にも発生することがあります。