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戦争に引き裂かれた男女を描いたラブロマンス。全女性の感動を呼ぶ「愛」の名作。というのがキャッチコピー。というだけあって、オープニングとエンディングに用いられるひまわりの叙情的な映像と、音楽を担当したヘンリー・マンシーニのもの悲しいメロディはメロドラマそのものである。
ストーリーは、ナポリの女性ジョバンナ(ローレン)はイタリア北部出身の兵士と出会い、結婚をする。熱く愛し合う二人。しかし、その甘い生活もつかの間で夫はロシア戦線へと送られてしまう。戦後、夫は復員しない。死んだとの情報もあるが、ジョバンナは夫の生存を信じてソ連へ捜索に赴く。苦労の末、そこで見たものは、若いソ連女性と結婚し子どもまでいる夫の姿であった。失意のもとイタリアへ戻るジョバンナ。やがて、夫がイタリアへ訪ねてくるが、そのころにはジョバンナにも子どもが。 ストーリー的にはさほどひねってあるわけではなく、単純であるがイタリア人の気質である情熱的な愛に圧倒されまくる。これが、この映画をもり立てている一つの側面であろうが、実は日本人である私には「引いて」しまう部分でもあった。イタリアの人にはお涙ものなのかもしれないが、泣けるシーンはなかったのが事実。最初にジョバンナに感情移入できれば涙ちょちょぎれは必至だろう。 とはいえ、映画そのものとしては役者が素晴らしいのとロケがいいので高評価を与えた。ジョバンナ役にはイタリアのグラマー女優ソフィア・ローレン。きつい顔の激しそうな性格が魅力だ。夫役には美形だがやさ男っぽいマルチェロ・マストロヤンニ。この二人の演技の勢いはすごい。また、脇役としてソ連のロリータ系美女サベリーエワが出演しており、花を添えている。彼女は映画中の歩き方ですぐにバレリーナだとわかる。また、ジョバンナの子どもが出てくるが、これがまた最高にブサイク。実はこの子、ローレンの実子だとか。 映画技法的には、回想シーンを多用しており、情緒的なイメージを強くさせている。なんと言ってもすごいのは、この時代(1970)に、ソ連ロケを行っているところ。映像中、モスクワや赤の広場、機関車等が出てくるが、ただそれだけのためにロケを行った意気込みは映像に十分反映されている。冒頭のひまわり畑は、かつてのイタリア軍とソ連軍の激戦地の跡。そういう説明はないが、なんだかインチキくさいイメージが全くしないのはすごいことである。モスクワの映像で建物に「CCCP」の文字があったり、古い型の原子力発電所、当時としては最新式アパート?(高島平っぽい)はリアルだ。 1970 イタリア 監督:ヴィットリオ・デ・シーカ 出演:ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ、リュドミラ・サベリーエワほか 107分 カラー DVD 1999/12/24発売 \3,990 東北新社 興奮度★★★ 沈痛度★★★★★ 爽快度★ 感涙度★★★☆☆(人によるかも) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年06月01日 12時59分49秒
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