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2005年05月10日
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カテゴリ:戦争映画
1956 イギリス 監督:ルイス・ギルバート
出演:ケネス・モア、ミュリエル・パブロウほか  
135分 モノクロ

 
 実在の英軍撃墜王ダグラス・バーダーを描いた作品。バーダーは23機撃墜を誇る、英軍きってのエースだが、彼は両足が義足というハンデを負っていたのだ。
 実機での飛行シーンもあり、航空アクション映画でもあるが、どちらかというとバーダーの伝記的映画と言った感じ。従って、彼の空軍大学入学から第二次大戦終戦までを一気に描いているために、ストーリーの流れはかなり速い。あっという間に第二次大戦が始まり、あっという間に終わるので戦記物として観るには物足りないし、ついていくのが大変。
 バーダーは根っからの楽天家のようで、両足を失ってもめげない明るさがある。バーダーを演じるモアも好演しており、終始楽しい雰囲気が漂う。しかし、あまりに好戦的というか飛行機好きという点を強調しすぎたためか、バーダーの本音を見せることなく、映画としては浮き気味の印象がある。その点、作品へのめり込むことが出来ないのが残念。また、せっかく撃墜王であるのに、明確な撃墜シーンなどがあまり描かれていないのも戦争ものとしては不満が残る。なお、バーダーの夫人役のパブロウは典型的イギリス美人で、知的で細身顔が好印象だ。
 登場する航空機は、訓練時にアブロ504が登場。部隊配属後はブリストル・ブルドック(複葉戦闘機)に搭乗している。第二次大戦勃発後には当初はスピットファイアのMk.5~12あたり、途中からハリケーン、最後は水滴型風防のスピットファイアMk.16あたりに変化している。結構こまめに映像を切り替えているあたりは、考証に力が入っている様子がわかる。

興奮度★★
沈痛度★★
爽快度★★★
感涙度★

(以下あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)
 
 英軍の空軍大学にダグラス・バーダー候補生が入学する。楽天的で反動的なバーダーは、様々な問題を起こし、上官に目をつけられるが、持ち前の運動能力の高さから、操縦技術に関しては目を見張るものがあった。練習機アブロ504に搭乗し、バーダーはめきめき実力をつけていく。
 訓練期間が終わり、バーダーは第23中隊(飛行隊)へ配属される。そこで、バーダーは民間パイロットの挑発を受け、ブリストル・ブルドック機を操って曲芸飛行を行ってしまう。しかし、操縦を誤って地上に墜落し、バーダーは重傷を負う。4日間生死をさまよったあげく、両足を切断せざるを得なかった。両足切断の事実を知ったバーダーは、さして気落ちすることなく再び飛行機に乗ることを夢見る。
 退院までは看護婦のブレイスが面倒を見た。献身的な看護で無事退院したバーダーは義足をつけて歩行訓練を始める。杖なしでは歩行は無理という医師に反して、バーダーは意地でも杖なしで歩行を試みるのだった。そのリハビリの最中にバーダーは、喫茶店のウエートレス シェルマと出会い、次第に恋に落ちていくのだった。
 リハビリも進み、空軍に戻るためにテストを受けたバーダーだったが、結果は不合格で再び飛行機に乗ることは許されなかった。地上勤務か退役かの選択を迫られたバーダーは民間会社への就職を選ぶ。妻となったシェルマの支えで、バーダーはゴルフに明け暮れるのだった。
 1939年、第二次世界大戦が勃発。パイロットが少しでも必要となった英軍はバーダーを空軍に復帰させる。復帰後、編隊長を命じられたバーダーはダンケルクの英軍撤退支援任務に出撃する。
 その後、バーダーは第242中隊長(飛行隊長)を命じられる。この242中隊はカナダ人を含む混成部隊であり、指揮が乱れていた。というのも、フランス撤退の際に、ひどい仕打ちを受けたというのだ。バーダーは、失われた機材の補充等で司令官と直接交渉するなどして、部下の信頼を勝ち得る。バーダーの指揮のもと、第242中隊は新型機ハリケーンで成果をあげつづける。バーダーの編み出した「ダックス・フォード戦法」をさらに効果的にするため、第242中隊に19及び310中隊を統合し、3個中隊規模を指揮することになる。
 乗機も最新型スピットファイアに変わり、中佐となったバーダーは1944年6月撃墜され、ドイツ軍の捕虜となる。果敢にも数度の脱走を試みたバーダーは、コルテッツ城に収監され、1945年4月のドイツ敗戦と共に本国へ戻る。1945年9月の勝利式典で記念飛行をした一人はバーダー大佐であった。


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最終更新日  2005年05月10日 09時16分35秒
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