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2006年09月30日
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カテゴリ:戦争映画
ビデオ1993 ドイツ  監督:ヨゼフ・フィルスマイアー
出演者:トーマス・クレッチマン、ドミニク・ホルヴィッツ、ダーナ・ヴァヴロヴァ、ヨヘン・ニッケルほか
138分 カラー


 スターリングラードと言えば、2000年版の「スターリングラード(2000)」が有名だが、このドイツ版スターリングラードも隠れた名作と言われている。あの名作「Uボート(1981)」のスタッフが総結集して製作したというのがウリなだけあって、シリアス感十分な大作に仕上がっている。国内上映もされ、ビデオにもなったことがあるようだが、現在DVDとしては発売されていない。私は、英国版DVDを輸入して視聴したが、英語吹き替え版でリスニング能力に乏しいため、半分ぐらいしか理解できなかった(汗)。
 題名通り、本作は第二次世界大戦のドイツ対ソビエト戦の激戦地スターリングラードでの攻防戦を描いている。このスターリングラードで、当初圧倒的優位だったドイツ軍は、ソビエト軍の執拗な抵抗と人海戦術の前に、逆に第6軍20個師団約26万人がソビエト軍に完全に包囲され、迫り来る冬将軍の打撃をも受け、1943年1月にパウルス元帥以下10万人のドイツ兵が投降している。残りの兵士は戦死若しくは凍死によって失われるという、ドイツ軍史上最悪の戦いでもあった。

 本作はこうしたドイツ軍の悲惨な状況を描いたものだが、主人公は突撃大隊の一小隊となっている。士官学校を出たばかりの新米少尉と歴戦の強者揃いの軍曹、伍長連中に新兵といったメンバーに、辣腕中隊長(大尉)、冷酷な憲兵大尉、将軍などを組み合わせて、スターリングラード戦の矛盾と悲惨さ、そして補給の欠乏と寒さを嫌と言うほど描いている。
 ただ、残念なのは若干のヒューマンドラマが挿入されている点。正義感が強い少尉が軍隊内の矛盾に立ち向かっていくのは良いが、ちょっと美化しすぎている感がある。悪役の憲兵大尉もある意味成敗されているし、視聴者受けのストーリーが見え隠れし、もっとドロドロとした重苦しいテーマに終始した方が良かった気がする。このほか、ソビエト軍の女性兵士イリーナが登場し、少尉とのからみや憲兵大尉の慰み者になるなどのシーンがあるが、果たして本作に必要だったのだろうか。アメリカ映画ならともかく、シリアスさを重視するなら全く不必要な登場人物だったし、イリーナの感情吐露は本作にそぐわない気がする。どうも製作者側は東西ドイツ統一後ということで、東西陣営に配慮してヒューマンドラマ風なものを企図したようだが、そう言う意味ではちょっと中途半端な感じ。はっきり言って本作はシリアスものに仕立て上げた方がよかっただろう。

 戦闘シーンはかなりシリアスに表現され、市街戦のシーンは銃弾や爆発シーンなど秀逸な出来。雪原の塹壕での対戦車戦シーンはソビエト軍のT34/85戦車が数台登場し、肉弾戦と戦車が蛸壺を蹂躙するシーンはなんとも悲惨で、胴体を切断される兵士の姿は凄惨。ただ、登場する戦車の台数が限られたためか、撮影空間の広がりが感じられずスケール感が小さくなっているのは残念な所。また、良くできていたのは極寒のシーン。寒々しい雪原では、役者の顔が見えなくなるほどフードをかぶるなどリアル感に留意しているのは好感が持てるが、その反面登場人物の顔が見分けにくくなっているのは難点。なお、白兵戦で撃ってもなかなか死なないロシアの大男には笑った。そういうイメージがあるのだろうか。
 登場する兵器類は先に挙げたT-34/85戦車が数台。見た感じは本物に見えるがどうなんでしょう。また、移動シーンで装甲列車が出てくるほか、スターリングラードではsdkfz250装甲兵員輸送車っぽい車輌が数台写っている。航空機ではピトムニク飛行場シーンでJu52輸送機風のものが登場するが、飛行はしない。全体的に兵器類にはあまり金がかかっていないが、廃墟の市街戦や雪原でのシーンが主なのでさほどチープ感はない。ちなみに、雪原シーンはフィンランド、市街地シーンはチェコのボヘミアやプラハで撮影されたようだ。
 主題歌でエンディングにも流れる音楽「スターリングラード」は印象的。ドイツ軍の勇猛さと華やかさを感じさせつつ、ソビエトの広大な雪原と無情さを醸し出している。何かのゲームのBGMにも使用されていたような気がするが、やや切なくさせる曲調だ。

 全体としてやや無駄なヒューマンドラマが気になるが、それでもなおシリアスなスターリングラード包囲戦が悲惨に描かれているのは特筆できる。十分に見応えがあると言える。スターリングラード攻防戦を題材にした映画としては、「壮烈第六軍-最後の戦線(1958)」が秀逸。ちなみに、本作はこの壮烈第六軍を元ネタにしているとも言われ、内容的には良くにている。この他「スターリングラード大攻防戦(1972)」「バトル・フォー・スターリングラード(1975)」というソビエト映画もある。前者は包囲後に冬の嵐作戦のドイツ軍を迎え撃つ砲兵隊の話で、後者は青作戦に撤退を余儀なくされるソビエト軍を描いている。これらをセットで視聴するとスターリングラード攻防戦の全容が垣間見えてくるだろう。

興奮度★★★★
沈痛度★★★★★
爽快度★★
感涙度★



!(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧ください)

 1942年、イタリアで束の間のバカンスを楽しんでいたドイツ軍の突撃大隊はソビエト行きを命じられる。第二中隊のとある小隊には士官学校を出たばかりの新任少尉ハンス・フォン・ヴィッツラント少尉(トーマス・クレッチマン)が着任するが、アフリカ戦線で功績をあげた部下のマンフレッド・ロールダー(通称:ロロ)軍曹(ヨヘン・ニッケル)やフリッツ・ライザー上級伍長(ドミニク・ホルヴィッツ)らは小馬鹿にする。小隊にはこのほか新兵のジェジェ・ミューラーらがいた。
 装甲列車の貨物車に詰め込まれ、のどかな風景を眺めて移動する小隊だったが、目的地のスターリングラードに着くとそこは倒れ込む傷病兵やソビエト兵の捕虜などでごった返す別世界であった。小隊は第六軍の精鋭ヘルマン・ムスク大尉の中隊に配属される。義手のムスク大尉は辣腕だが冷徹な将校であり、ソビエト軍陣地へ攻撃をしかけていく。この戦いでハンス少尉の小隊も次々と死者を出していき、新兵のジェジェは恐怖の余り味方を誤射してしまう。落ち込み狂乱するジェジェを歴戦のロロ軍曹やフリッツ伍長は慰める。
 1942年11月になり、市街地で膠着状態となる。ソビエト軍と対峙する中、ハンス少尉は一時休戦を申し出て中間地帯の死傷者の収容を行う。しかし、お互いにパンを交換するなど親交の最中に一人が銃を発射して交戦に。どさくさの中で小隊は一人のソビエト少年を連れてきてしまう。次第にソビエト少年と仲良くなっていくが、小隊の形勢は不利になっていく。
 そこで、ハンス少尉ら四名は下水道を通って本隊へ援軍を要請に行くこととする。その下水道でハンス少尉はソビエト軍女兵士イリーナと遭遇し捕虜にする。しかし、イリーナの逆襲で四人は逆に追われる立場となり、一人が地雷で瀕死となる。なんとか本隊にたどり着いたハンス少尉らだが、負傷兵の治療に手が回らない状況にいらだったフリッツ伍長が看護兵に暴行を働く。さらに、ムスク大尉に援軍を要望したハンス少尉には憲兵隊のハラー大尉が敵前逃亡の烙印を押し、小隊は階級剥奪の上懲罰部隊に回されてしまう。
 懲罰部隊で小隊は雪原での地雷除去任務につかされる。与えられる食料も少なく、厳寒の最前線での任務は厳しかった。そんな中、ムスク大尉の提案で小隊は第六軍包囲のソビエト軍戦車の撃破任務を命じられる。無事に任務を遂行できれば階級復帰を許すというのだ。ほとんど成功の見込みのない対戦車戦に火炎瓶と手投げ弾で挑む小隊は次々に戦死していくが、なんとか敵戦車の進行を食い止めて原隊復帰を果たす。しかし、そんな小隊に忠誠心を示させるためハラー大尉はソビエト人の銃殺を命じる。その中にはあのソビエト少年の姿もあった。ハンス少尉は、なんとか少年を助けようとするがそれもかなわず、小隊は銃殺を実行せざるを得なかった。
 戦局は次第に悪化し、厳しい寒さが襲ってくる。嫌気がさしてきたハンス少尉、フィリッツ伍長、ジェジェの三人は脱走を試みる。途中で死んだ傷病兵から傷病証明書を盗み、飛行場にたどり着く。しかし、本国に戻る飛行機には高級将校しか搭乗できず、ついに飛ぶ飛行機すらなくなってしまう。三人は仕方なく元に戻るが、そこには傷ついたムスク大尉の姿もあった。
 輸送機が落としていった物資を拾いに小隊員が行き、食料をむさぼっていると、ハラー大尉がやってきて脅しをかける。しかし、もはやハラー大尉に従う気などなかった小隊はハラー大尉を射殺する。しかし、その際にハラー大尉の撃った弾でジェジェが死亡してしまう。ハラー大尉の住処に行くと、そこには潤沢な食料や物資があった。さらに、ソビエト女兵士イリーナがベッドにくくりつけられ慰み者にされていた。ハンス少尉は縄をほどいてやる。
 残った者はムスク大尉を含めたった5名だった。ムスク大尉はあくまで戦うことを命じるが、戦争に疲れたオットーが自殺を図る。ムスク大尉はロロ軍曹の肩を借りて外に出て行く。ムスク大尉は途中で命が尽きるが、軍曹は両手を上げて降伏する将軍らの行列に出会うのだった。
 ハンス少尉とフリッツ伍長、イリーナの3人はあてもなく外に出ていく。ソビエト軍に遭遇したイリーナは手を振るが射殺されてしまう。そしてハンス少尉も力尽き、フリッツ伍長もそれを看取るように命を落とすのだった。


DVD検索「スターリングラード」を探す(楽天) ←多分ないと思うけど

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最終更新日  2006年09月30日 10時25分29秒
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