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2010年09月19日
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カテゴリ:戦争映画
ビデオ2008 オーストラリア・中国・ドイツ 監督:ロジャー・スポティスウッド
出演者:ジョナサン・リス・マイヤーズ、ラダ・ミッチェル、チョウ・ユンファ ほか
125分 カラー THE CHILDREN OF HUANG SHI


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 1937、8年頃の中国を舞台に、中国人孤児たちを戦乱から避難させるため、英国人記者ジョージ・ホッグが手助けした700マイルに及ぶ逃避行を描いたヒューマンドラマ。エンドロールに孤児の生存者映像が出ることから実話に基づく映画のようだが、ジョージ・ホッグが実在の人物なのか、ストーリーがどれほど史実に沿っているかは不明。ただ、監督のロジャー・スポティスウッドは「ジ・エンド・オブ・パールハーバーHIROSHIMA(1995米日加)」などドキュメンタリーベースの映画を多く手がけていることから、何らかの資料に基づいたものであることは想像できる。

 映画は日本軍の南京攻略を皮切りに内陸部進撃を受け、苦戦後退する中国国民党軍と共産ゲリラが描かれ、市民や孤児たちもそれに沿って避難を余儀なくされるのだ。本作の主人公英国人記者ジョージ・ホッグは日本軍の規制をくぐりぬけて戦地に入り、戦乱に巻き込まれるが、共産党ゲリラに助けられ中国人孤児たちの保護に傾倒していく。英国人女性医師リーもまたボランティア精神から中国軍医師(看護師)として従事している。
 本作に描かれる時系列はあまり明確に示されていないが、南京攻略戦は1937年12月のことで、ホッグはそこから黄石に逃れていく。ホッグが孤児を保護する黄石は武漢市の近くにあり、日本軍が武漢攻略戦として進軍してくるのは1938年秋のことなので、黄石から蘭州、山丹への逃避行はその頃ということになるのだろう。日本軍の進撃はほぼここで終わっており、ホッグと孤児らは日本軍影響範囲からの脱出を図ったことになる。ただ、蘭州、山丹は湖北省、陝西省、甘粛省へと北西に山地を渡る難行程であり、単純に西に行けば国民党臨時政府のある重慶に行けるのにそれを選択していない。このことはホッグが中国共産党と緊密な関係にあり、甘粛省が数少ない共産党支配地であったことと無関係ではないだろう。

 本作は中国ロケでもあり中国政府の関与があったものと想像され、日本軍による南京虐殺描写や共産党美化の観点はどうしても色濃く感じる。同じ中国軍でも実際に日本軍と戦っている国民政府(国民党)軍はかなり悪辣に描かれているし、戦時背景の歴史性についてはかなりフィルターをかけて見る必要はあるだろう。監督自身はドキュメンタリーを得意とすることもあって、全般には恣意的な悪玉作りを避けようとする意図は感じることができるのだが、やはり随所に入る史実に基づかない描写は中国当局の圧力を感じる(笑)。また、本作では英国人ら欧米人がいかにも善人のように描かれているが、もともと中国は中国植民地化を狙う英米独の脅威にさらされていたのであって、英米独人が好意で中国を救ったというよりは、新興国日本の権力増大に対抗するために中国の肩を持っていたということを理解した上で視聴すると面白いだろう。

 さて、歴史的史実の齟齬について言及しだすと枚挙に暇がないので、それはさておき(笑)、映画としての出来をみてみるが、本作は長編のわりに奥行きがあまり感じられない。描かれているエピソードはそれなりの数があるのだが、一つ一つの掘り下げが甘めなのと、人物性格描写が心に響いてこない。確かに人物の心情を描いてはいるのだが、何か絵空事というかリアル感を感じないのだ。このあたり、何か奥歯に挟まったようなもどかしさがあり、本当の史実(真実)を描けなかったのではないかと憶測してしまう。
 また、全体のバランスが著しく悪い。序盤での日本軍との戦いにおけるインパクトの割に、中盤以降のホッグによる孤児保護という本題がだらだら続くのみでインパクトが薄いのだ。特に、ホッグという救世主伝記をアピールするためには、彼の行為や言動による感動を盛り上がりの中心に据えるべきなのだろうが、本作は終盤にちょっとだけ登場するのみで、突然の彼の死とともに尻切れトンボで終わってしまう。結局本作は何をメインに描きたかったのだろうかがわからない。
 上記とからんで、緩やかな音楽と美しい自然映像が多用されているのも問題だろう。映像と音楽だけ見ればかなりの資金をかけていることがわかるし、決して欠点にはならないのだが、本作の中盤以降のだらだらした流れの中で使用されると逆効果な印象。

 登場する兵器類はほとんどない。軍用トラックが多少出るのみで、日本軍では零戦もどきの映像があるが、ミニチュア特撮のようだ。ミリタリー的視点としては見るべきものはほとんどない。

 全般に大作のような雰囲気をしながらも、内容の薄い凡作といったところか。歴史史実もかなり疑問符が残るし、英雄伝記としてもインパクトが弱く、映画として期待すべき点があまりない作品であった。
   

興奮度★
沈痛度★★★
爽快度★★
感涙度★★



!(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 1937年12月、日本軍が南京に侵攻する。上海租界に駐在する英人記者ジョージ・ホッグは南京で何が起こっているのかを知るために、同じ英人記者のバーンズとともに上海YMCAの職員に化けて南京入りする。そこでホッグは日本軍が中国人民間人を集めて大量銃殺する場を目撃してしまう。さらに、ホッグもまた日本軍に見つかってしまい、将校により斬首刑に処せられそうになる。間一髪のところを共産党ゲリラのチェン・ハンション(通称:ジャック)に助けられる。だが、バーンズは処刑されてしまう。
 衝撃に打ちのめされているホッグは、ジャックの勧めで黄石に行って中国を学ぶことにする。その途中、国民党軍を見かけるが、彼らは残忍でかつ強制徴兵を行って前線に兵を送っている。黄石には戦争孤児たちが寺院に住んでいた。ホッグはそこで彼らの世話をすることになる。リーダーは無口で反抗的なリウ・シーカイという少年で、ホッグに敵対心をむき出しにする。そこに英人女性医師リー・ピアソンがやってくる。彼女は本当の医師ではないが、中国軍の救急医療を手伝っている。ホッグは障子張りや電気機器の修理をして次第に子供たちの信頼を得ていくが、シーカイだけはなつかなかった。さらに、子供たちに英語を教え、地域の金持ち王夫人から種を借りて、作物を育て始める。たびたびリーがやってくるが、彼女は王のところでモルヒネとアヘンを入手している。
 ある日、ホッグは移動中の中国人の列を銃撃する日本軍機に遭遇し、親を亡くした孤児老四(ラオスー)ら3人を連れ帰ってくる。ラオスーはホッグになつく。だが、そこに国民党軍が退却してきて、駐留しはじめる。ジャックもリーも退却し、ジャックは私服に着替えてゲリラ戦に備える。さらに、国民党軍は孤児らも徴用しようと画策し始めたため、ホッグは反対したところ投獄されてしまう。王夫人の釈放金でなんとか釈放されるが、ホッグは孤児らと山丹に密かに脱出することを計画する。
 密かに脱走計画を練っている所に、ジャックがやってきてシーカイを徴兵したいと申し出る。ホッグは断るが、シーカイはジャックを慕って兵になる気だ。リーはかつてジャックと恋仲だったが、次第にホッグにひかれ始めている。
 いよいよ移動の日となるが、畑仕事に精を出していたユイリンがいなくなる。畑に探しにいったホッグは賢い少年だったチンが首をつっているのを見つける。チンは逃げることがつらい記憶だったのだ。一行は700マイルもの距離を徒歩で移動し始める。雪の舞う中行進するが、途中で日本の偵察兵と出会う。ホッグの制止も聞かずにジャックとシーカイは日本兵を殺してしまう。さらにその先で日本軍と出会い、荷物検査を受けている間にシーカイが銃を持ち出してしまう。日本兵に見つかる直前にシーカイは荷崩れした荷物の下敷きになって死亡する。また、リーはアヘン中毒であることを告白。そしてジャックは身を引き、ホッグにリーを託す。
 ようやく、蘭州についたところで、ホッグとリーは共産党軍の兵士に連行される。そこで、蘭州府の長官から4台のトラックを借りることできた。一行はトラックで山丹へ向けて出発する。山丹につくとホッグらは廃寺を掃除して住処とする。畑を作り電気を発電するが、次第にホッグの具合が悪くなる。破傷風にかかっていたのだ。リーは蘭州に薬を買いにいかせるが、7月24日、ホッグは死亡する。





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最終更新日  2010年09月19日 19時52分26秒
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