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2011年09月07日
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カテゴリ:戦争映画
ビデオ2010 オーストラリア 監督:ジェレミー・シムズ
出演者:ブレンダン・カウエル、ガイトン・グラントリー、エイデン・ヤングほか
122分 カラーBENEATH HILL 60


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 第一次世界大戦における西部戦線での坑道戦を描いた戦争ドラマ。坑道戦とは要塞や塹壕戦に閉塞した両軍が地下トンネルを掘削し、地下から敵陣を爆破する作戦のことである。意外に知られていないこの戦法だが、本作に描かれる第一次大戦における最大の爆破作戦には、オーストラリアの炭鉱工夫が多数召集され従事している。登場人物、内容ともに史実に沿った作りとなっているようで、オーストラリア軍トンネル中隊が主人公である。若干のラブロマンスも含まれているが、ほぼ全編に無骨な男性ドラマが中心で、興味深い題材ゆえに、かなり引き込まれた。

 映画の舞台は、前半はフランスのアルマンティエールのトンネルだが、後半はベルギー西部フランデレン地方のメシヌとなる。このメシヌの戦い(1917年6月7 日)ではドイツ軍が占拠する60高地(低い丘)の要塞を爆破するため、地下30m、全長4kmのトンネルに約600トンの爆薬が仕掛けられた。この爆破によりドイツ軍は約1万人の死者を出し撤退し、この後のパッツェンデールの戦いの始まりとなっていく。ちなみに、この爆破音は遠くロンドンまで届いたなどと言われるほど、戦史の中でも最大級のものとして知られる。
 主役はイギリス帝国軍に属するオーストラリア軍トンネル中隊で、このほかカナダ軍のトンネル部隊も登場する。トンネル掘削と爆破という特殊性から、士官も含めて鉱山技師が召集されており、主人公のウッドワード中尉も鉱山技師で、帰国後オーストラリア人で4名しか受けていない勲章を授与されたそうだ。

 内容は、主に落盤、酸欠、暗闇、湧水などトンネル作戦の苦労と恐怖が描かれるのだが、生粋の軍人ではないが故に、そのあたりの微妙な空気感が上手く描かれている。また、第一次大戦特有の無能な上官と、無謀な人名軽視作戦もしっかりと描かれ、風刺的な色合いも感じることができる。登場人物の性格付けも良くできており、それぞれの個性が映画の中で生かされてアクセントとなっている。シーン転換のバランスも良く、フランスからベルギーへの転戦、作戦実行まで流れよく進むのが良い。また、坑道構築方法や、かなり専門的な用語も登場し、ほとんど知ることのなかった坑道戦の実態を知ることができた点でも評価できる。特に、両軍がトンネル作戦を展開し、聴音によって相手のトンネルを探査したり、攻撃トンネルで破壊しあったりするのが見ものだ。静寂の中に聞こえる掘削音や人声。相手の爆破攻撃の恐怖。ある意味、潜水艦の中と共通する緊張感があるかもしれない。
 ただ、実際の坑道掘削シーンはかなり少なく、思ったよりも手に汗握ることはない。このあたり、坑道の閉塞感や恐怖感を映像でもっと見せていればより臨場感のある映画となったであろう点が残念。その分、せっかくの登場人物への感情移入がやや薄れてしまったように感じる。
 ちなみに坑道戦を扱った映画としては「愛と裏切りの戦場 アルプスの戦士たち(2007 伊)」がある。こちらはイタリア戦線でのイタリア軍のものだが、やはり主人公は鉱夫出身だ。

 映像はきれいだが、ロケ地はあまり広くなかったと見える。塹壕戦や要塞などのスケール感はあまり感じることができず、坑道掘削シーンがほとんどないのもそれに起因するのかもしれない。登場する兵器類は当然小火器のみ。

 全般に流れも良く、内容的にもレアな題材で面白かった。オーストラリア映画というと、ベタなラブロマンスが、妙に感傷的なもののイメージが強かったが、意外に正統派で戦史的にも価値のある作品となったといえる。

興奮度★★★★
沈痛度★★★★
爽快度★★★
感涙度★★



!(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

  1916年5月、フランスのアルマンティエールの塹壕トンネルのオーストラリア軍トンネル中隊に新指揮官ウッドワード中尉が赴任してくる。中尉は鉱山技師で、親友のモファット(騎兵隊少佐)が戦死したのをきっかけに志願してきたのだ。モファットの妹マージョリー(16歳)と婚約した上で赴任してきた。
 オーストラリア軍トンネル中隊にはシンプソン軍曹、フレイザー伍長らがいるが、古参のフレイザー伍長はウッドワードに敵意をいだいている。トンネル内で迷った時に出会った、聴音を行っていた少年兵ティフィンは恐怖の余り中尉に助けを求める。指揮所には鉱山での旧友マグプライド中尉、イギリス人のクレイトン中尉がいた。クレイトンはオーストラリア人に軽蔑のまなざしをむけている。
 トンネル内でドイツ軍による攻撃爆破がたびたびあり、中尉はモリスとともに敵兵を撃退する。また別の日には、モリスとドワイヤーが行方不明になり、モリスは耳をやられるも生還するがドワイヤーは戦死する。
 英軍大佐はこう着状態のために、トンネル中隊に敵陣地の爆破を命じる。敵陣地まで這って行き爆薬を仕掛ける決死の任務だ。中尉のほかモリスとフレイザーが志願し、暗闇の中敵陣に這って行く。ベテランのフレイザーの活躍で敵陣地の爆破に成功するが、帰路の途中で鉄条網破壊に出たクレイトン中尉が瀕死で倒れていた。介抱するものの死亡する。この活躍でウッドワードは大尉に、フレイザーは軍曹に昇進する。
 1916年11月6日、中隊はベルギーのメシヌへ。そこは60高地と呼ばれる難攻不落のドイツ軍陣地だ。砲弾の降る中トンネルに向う途中若い3名がはぐれて中間地帯に入ってしまう。びびりまくるウオルター(子)に足の速いストリーキーが囮になってウオルターとティフィンはなんとか自陣に戻るが、ストリーキーはすんでのところで戦死する。
 新しい任務地にはマグプライド大尉がおり、トンネルはカナダ人ノース少佐が指揮を執っていた。トンネルは地下30mで、60高地の真下に600トンもの爆薬が仕掛けられていた。時期が来るまで湿気に注意し、ドイツ軍に悟られないようにしなければならない。だが、ドイツ軍もこちらの動向に気付き始めたため、偽の擬音を出したり迂回トンネルを掘削したりと策を練る。さらに、ウッドワード大尉は大佐の反対を押し切って、鉄製のシャフトを3週間で取り付け、さらにポンプで水をくみ上げる。ドイツ軍は不穏な動きを察知し、探査用のシャフトを爆薬庫に向けて掘りはじめる。また、ウオルター(父)は聴音でドイツ軍攻撃の気配を察知するが、持ち場を離れたとして大佐に叱責され、その結果ドイツ軍の攻撃で命を落とす。
 6月7日、いよいよ爆破の時期が36時間後に決められる。だが、聴音でドイツ軍シャフト坑が爆破時刻前に到達してしまうことが判明。ウッドワード大尉は敵シャフト坑の爆破を計画し、攻撃用トンネルを掘削して攻撃。なんとか爆破に成功するが、脱出中の落盤でティフィンが取り残されてしまう。フレイザー軍曹はウッドワード大尉に爆破の延期を進上するが、大佐の手前もありティフィンの命と引き換えに爆破スイッチを押す。この爆破でドイツ軍は撤退。ただし、その数ヵ月後高地は再びドイツ軍の手に。
 1919年、戦争から帰還したウッドワードはマージョリーと1920年に結婚。勲章を授与されたウッドワードだが、彼の心は晴れなかった。





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最終更新日  2011年09月07日 21時48分30秒
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