2008/11/07(金)14:19
黒執事 第6話「その執事、葬送」(内容後半)
こちらは内容後半です(内容前半・感想)
鐘の音。
傍を通りがかる子どもたち。
「お兄ちゃ~ん」
「兄たん。今日は人がいっぱいいるね」
「何で?」
「さあ?」一番年長の少年にも分からない
「兄たんは兄たんなのに知らないの?」
「俺はまだ12歳なんだから知らなくていいんだよ!」
答えられず弟妹に言い訳する兄
「そうだね。普通の12歳は知らんくても当然さあ。今日はねえ、とある貴婦人の晴れ舞台なのさ」
葬儀屋アンダー・テイカ―
やばいと後ろ退る兄
「晴れ舞台?」妹。口を押さえ下がらせる兄
「そ。人生最後にして最大のセレモニー。お葬式だよ」構わず話す葬儀屋
「麦は死して地に落ち、やがて水を糧とし…」神父の言葉
手を組み弔うエリザベス
棺の中、白百合に囲まれ、白いドレスのマダムレッド
「アン」叔母様…」
開かれる扉。そこには真っ赤なドレスを手に立つシエルとつき従うセバスチャンが
「シエル…」
シエルの胸には赤い薔薇
「あれは…」
「ファントムハイブの…」
「真っ赤なドレスだと?」
「何と不謹慎な…」
「でも、マダムは赤が大変お好きだった」
「あなたには白い花も地味な服も似合わないよ。あなたに似合うのは、情熱の赤。地に燃えるリコリスの色だ。アン叔母さん」
胸の薔薇を外し、マダムの髪に飾るシエル。額を寄せる
その時はらりと薔薇の花弁が…ドアから一斉に入ってくる薔薇の花弁
その赤がエリザベスの大きく見開かれた緑の瞳に良く映える
薔薇の花弁の吹雪の中
白いドレスに白い傘の少女がロンドン橋の歌を歌い、歩いていく
そして外で待つ薔薇の花弁がいっぱいのガラスの棺。
マダムと母が作る橋。傍で優しく見守る父。侍る犬。リアルタナカさん?
橋をくぐる幼いエリザベスとシエル。と、捕まったシエルがマダムに抱き上げられる。嬉しそうなシエル
「おやすみ。マダム・レッド」
お屋敷
「今頃お葬式ですだねえ」
「マダムがもう遊びに来ないなんて…寂しくなっちゃうね」
「何しけた顔してんだよ!こういう時こそ、俺達が盛りたててやんなきゃだろう?」
「はいですだ!」
「ほっほっほ…」お茶を手にタナカさん。突然リアルタナカさんに!
「逝かれたのですな。愛する方々の許へ。アンジェリーナ様」
事件現場。赤い髪を発見するスコットランドヤード
「まだいたのか?捜査は終了だ」
「しかし!自分は納得できません。我々スコットランドヤードは市民を守るためにあるんじゃないですか?」
「我が英国には長い歴史がある。あるが故に古い澱が、触れてはならない裏の世界が存在する。この事件はその裏の世界の理で決着すべきと判断がなされたのだ」
「判断?誰がそんな…」
「知りたければ出世したまえ。でも、それを知った時、君は後悔するだろうな。知らなければよかったと」
その様子を馬車の下で見つめる黒猫(プニプニ嬢か?)
「切り裂きジャックの正体は女王に報告しないのかい?」ラウ
「その必要はないだろう。彼女の望みは事件を終わらせること。それは既に果たされたのだから」シエル
「そうやって君はどんどん泥沼に足を嵌めていくんだね。例え引き返せぬ場所まで踏み込んだとしても、君は無様に泣き叫び、助けを乞うような姿は、決して人に見せないだろう。誇り高き女王の犬。私も伯爵のお世話にならない様、精々気をつけるよ」
「阿片窟の存在が問題になり始めている。手を引くなら今のうちだ」
「そうなったら、また別の商売を考えなくちゃならなくなるね」
「国に帰ると言う選択肢もあるぞ」
「まだ私は、この国に興味が尽きないんだ。君にもね。伯爵」
シエルの肩に手を置くラウ
「まだまだ面白いものを見せてくれると期待しているよ」
去っていくラウ
「少し寄るところがある。来い」
訪れたのはお墓。
「これは?」セバスチャン
「切り裂きジャック事件最後のお客さまよ」テイカー。手には白百合の花束
「国外からの移民だったらしい。遺体の引き取り手が見つからなかった」
「だから優しい伯爵は小生に彼女の化粧を依頼して、お墓まで建ててあげたんだよね」シエルの頬をツンツンテイカー
「優しくなどない。あの夜、この女の命を第一に考えるなら助ける方法は幾らでもあった。だが、僕はそうせず、切り裂きジャックを捕えることを優先した。僕は助けられないのを分かっていた。分かっていて見殺しにしたんだ。肉親さえ…」
思い浮かぶのは笑い掛けるマダム・レッドの姿。その姿に落ちる血
「後悔してるのかい?」
「してない。切り裂きジャックはもういない。ヴィクトリア女王の憂いは晴れたのだから」
「ヴィクトリアか…気に入らないなあ。自分は高みの見物ばかりで辛い事は全~部伯爵に押しつける」
「これは我が一族が背負う業だ。この指輪と共に、代々受け継がれてきた」
「その指輪はまるで首輪の様だね。業と言う鎖で君を女王に繋いでいる」
と手を取ろうとするが
「そう決めたのは僕だ!」
シエルのタイを掴むテイカー
「小生はいつか君がその首輪で首を吊ってしまわないように祈ってるよ」
と手を放す。後ろに倒れるシエル。受けとめるセバスチャン。シエルに花を渡し
「そんなのつまらないからね。また何かあったらいつでも店においで。伯爵と執事君ならいつでも歓迎するよ」と笑いながら去っていくテイカー
墓に花を手向けるシエル
シエルにコートをかけるセバスチャン
「お優しいのですね」
「何度も言わせるな。僕は優しくなど」
「お優しいですよ。でなければ、弱虫!ですかね」
「貴様!」
「何故、撃たなかったんです?肉親さえ見殺しに?嘘は感心しませんね。あの時あなたは撃とうと思えば彼女を撃てたはずです。けれどあなたは躊躇い、私が促しても、決して銃を取らなかった。何故です?マダムを自分の手で殺すのが…怖かった?誰とも知れない女は殺せてもやはりお身内は殺せないとでも」
「お前の仕事だからな」
睨みつけるシエル
「お前は死んでも僕を守ると思った。だから僕は撃たなかった。お前と僕の契約は僕が目的を果たすまで僕の力となり、僕を殺さずに守り抜くことだ。悪魔には信念や忠誠などありはしないのだろう?あるのは美学のみ。ならば己の美学のためにお前は絶対に僕を守る。違うのか?」
「では何故あの時止められたのです?」
シエルを守るためセバスチャンがマダムに手を掛けそうになったあの時
「僕を殺そうとしたマダムの目には迷いがあった。マダムには僕を、肉親を殺すことは出来ない。そう思ったんだ。一手でも迷えば命取りになる。チェスと一緒だ。彼女は迷い、次の一手を見失った。それだけのこと」
歪んだ白と黒の格子の中に立つマダムの姿
墓から立ち去るシエル
「だから僕は迷わない」
その一言に電撃が走ったようになるセバスチャン。そしてニヤリとして
「そうでなくてはね。いつでもあなたは駒を上手に使い、生き残ればいいんです。私もマダムも手の届くすべての駒を利用して、その玉座の下に駒の亡骸が積み上がろうと、王が倒れれば、このゲームは終わりなのだから」
マダムやエリザベス、使用人達、アンダー・テイカ―やラウも倒れている上の玉座に座るシエルのイメージ
「僕は立ち止まらない。踏み出した一歩に後悔もしない。だから…命令だ!お前だけは僕を裏切るな。僕の傍を離れるな!絶対に」
「イエス。マイ、ロード」
跪くセバスチャン
あなたが望むなら、どこまでもお供しましょう。
例え玉座が崩れ、輝かしい王冠が朽ち果て、数えきれない亡骸が積み上がろうと。
朽ちた駒の上、そっと横たわる小さなあなたの傍らで、最期のコールを聞く…その時まで
ED
次回予告
坊ちゃんに下されたのは曰くつきな村を女王のリゾートとして開拓すると言う命
このように低俗な端仕事を一任されるとは流石は坊ちゃん
女王の番犬の名は伊達ではありませんね
しっぽを振って、ここ掘れワンワン
次回、「その執事、遊興」
1~5巻
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