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カテゴリ:本
「氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」「遠まわりする雛」(〈古典部〉シリーズ) 米澤穂信 著 角川書店
↑文庫4冊は手が出しやすいです。5冊越えると迷います。 この春からアニメ化されTV放送されている〈古典部〉シリーズ。 未読だった原作のうち既に文庫になっている4冊を読んでみました。 アニメにあわせてゆっくり楽しもうと思ったのですが…結局4冊とも一気読み+再読!(藍麦さん、お勧めいただきありがとうございました!) 毎年の事ですが家族が休みになるGW中は録画は出来ても視聴する時間がとれません。PCも使い辛いためブログでの感想も…ま、感想はすっかりサボっているのであまり関係ないですが。 視聴予定アニメは5/11の時点で8割消化という所です。(というわけで消化しきれなかった分は多分視聴中止。見続ければきっと面白いんでしょうけど。近々現在視聴アニメまとめも書きたいとは思います) というわけで簡単感想を… 「氷菓」 アニメのタイトルにもなっている第1作目の「氷菓」。 やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に… 省エネを信条とする折木奉太郎は姉の命令により廃部寸前の古典部を存続させるために入部する。 折木は古典部の部室である地学講義室で千反田えると出会う。 千反田は一見清楚だが好奇心旺盛。 気になる事があると納得するまで追求せずにはいられない。 千反田の好奇心に巻き込まれまいと思いながらも避けられない折木は自分の信条に従って体を使う前に頭を働かせ謎を解明してやる。結局それが一番効率が良いから… 自分とは異なる考えを思いつき謎を解明する折木に千反田はある事を依頼する。 十年前、幼い千反田は伯父・関谷純に古典部にまつわる何かを尋ねた。 いつもは何でも答えてくれる伯父なのに…その時ばかりはいつもとは異なり言い渋る。 せがんでようやく教えてくれたが…伯父の答えに千反田は何故か泣き出してしまった。 そして泣いている千反田をあやしてくれなかった。 あの時、千反田は何について尋ねたのか?伯父は何と答えたのか? 伯父が古典部だった33年前、何があったのか? 「愚者のエンドロール」 夏休みも終盤、文集の編集会議を終え昼食を食べる古典部部員達を千反田はビデオ映画試写会に誘った。 それは2年F組が文化祭に参加するために製作したミステリー作品。 試写会に招いた入須冬実から映画を見て意見を述べて欲しいと言われる古典部部員達。 劇中一人の登場人物が血塗れで発見された後、映画はぷつりと終わる。 脚本家が倒れたため結末まで製作出来なかったのだ。 犯人は誰かと問う入須。 2年F組の問題だと探偵役から逃げようとする折木だったが… 「クドリャフカの順番」 いよいよ文化祭。 手違いにより予定を大幅に超えた部数の文集を売りさばかねばならなくなった古典部だが… 部室は辺境の地、福部は総務委員会の仕事もしつつ祭りを満喫、伊原は漫研で売り子、千反田は文集完売のためあちこち走りまわり、折木が一人店番。 入念に用意された様々な活動が賑やかに発表される中、連続盗難事件が発生する。 犯人は誰か?その目論見は? そして古典部は文集を完売出来るのか? 「遠まわりする雛」 折木奉太郎が古典部に入部し過ごした1年を綴る短編7篇。 前3巻に描かれた事件の合間とその後… GW中で一気読み!GW明けに再読!! ミステリーだけど青春小説として楽しみました。 千反田の好奇心が謎をもたらし、折木がそれを解く。 折木が乗り気でなくても福部が面白がったり、データベースと自認するほどの知識と情報を提供したり… 福部に想いを寄せ折木には毒舌な伊原も… 謎と言っても人が死ぬ事も怪我さえもない。精々イタズラの域。 心を痛める様な出来事であっても当事者にとっては既に古典と言える過去の事。 アニメ第1話で千反田を見た時に一歩間違えればファンタジーかSFかといった描き方をされていましたが、原作を読むと上手く描かれているなあと思える。 清楚なお嬢様然とした様子(実際に豪農・千反田家の一人娘として躾が行き届いていたり切り盛り出来たり村の重責としての責任感はそこかしこに現れていますし、世間知らずでは無いですが少し鈍いものはあります)から一転、好奇心を持ち、目を爛々と輝かせ、ずいーっと迫る千反田の迫力は折木からしたら確かにあんな感じでしょう。 思わず千反田の髪に身体ごと絡み取られ逃げられない様に感じたのも… しかし折木は千反田に押されて謎解きせざるを得ないというよりも… 姉はお見通しだったと言う事でしょうか? それに千反田に絡み取られたのは怠惰に過ごせる時間だけでは無かったようですしね。多分… 薔薇色に例えられる高校生活の輝きとほろ苦さ。うん。ほろ苦かった。 中・高生の頃に読みたかったかも。
↑「遠まわりする雛」に収録されている「手作りチョコレート事件」が収録されている様です。 つばさ文庫にはちょっとほろ苦過ぎの様な気もしますが…(小学校高学年や中学生は案外大人な思考をしているのでそうでもないのかもですが…)
既に続きは出ているのですね。こちらは高校2年生になった折木達のお話の様です。
文庫版は2012年6月発売予定! 単行本版が図書館にあるのを見つけたので取り合えず予約してしまいましたが… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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こんばんは!記事読ませていただきました。
氷菓シリーズ気になっているのですが、 ミステリーかぁと読んでなかったのですが、 「イタズラの域」の事件というレビューが すごく印象に残りました♪ 是非読んでみます! (2012年05月14日 23時11分33秒)
赤の淵さん
いらっしゃいませ! >「イタズラの域」の事件というレビューが >すごく印象に残りました♪ 氷菓で登場する謎を"日常の謎"と表現されている方がいらっしゃいましたがまさしくそんな感じです。 コメントありがとうございました。 (2012年05月15日 10時48分31秒) |