アニマル通信

2005/10/29(土)07:36

外耳炎

最近、うちの病院には外耳炎になる犬が多いです。 気候に影響される病気なのでひょっとすると外気の湿度が高いのかもしれません。 外耳とは耳介と外耳道を合わせた場所で解りやすく言うと鼓膜までの部分です。 そこの部分に感染が起こり、かゆみもしくは痛みが出てくる病気です。 原因となるのは寄生虫のものとしては耳ダニです。 猫の外耳炎の大半は耳ダニが絡んでいるケースがほとんどです。 耳ダニ以外のものとして通常多いのは常在菌といわれる細菌や真菌です。 これらの菌は通常は悪さをする菌ではないのですが 耳の中の湿度が高くなってくると外耳は適度な湿度と適度な温度でこれらの菌が繁殖しやすい良い環境になってくるんですね。 そのため異常増殖してしまうというわけです。 耳のたれているトイ系の犬やリトリバーなどに多い病気です。 特に耳の中の毛が多い子は外耳炎になりやすいです。 外耳炎になると頭を振ったり、耳を掻いたり、非常に強い臭いが耳からしてきます。 これは細菌や真菌が増殖しているためです。 細菌ではスタフィロコッカスなどの菌が、真菌ではマラセジアという酵母菌様の菌が多く検出されます。 外耳炎の治療は通常、洗浄という処置がとられる場合が多いです。 汚れを洗い出すということです。 外耳の部分は身体の外になるため、抗生物質などの飲み薬が効いてくれません。 きれいに洗って、薬を塗布することが基本的な治療方針となるのです。 人の場合、耳の病気は感覚器なのでちょっとした痛みやかゆみで病院に行かれるのがほとんどなのですが、動物の場合なかなか早期発見が難しくかなり進行した状態で来院されるのが大半です。 よって外耳炎の治療は結構時間がかかりますし、動物もかなりのストレスになっていたことだと追います。 言葉が話せない動物にとってはつらい病気です。 あまり耳の中の汚れがひどい場合はお家で綿棒などで掃除はしないほうが良いでしょう。 外耳炎の大半は鼓膜が損傷しています。 鼓膜は外耳炎が治れば治癒するのですが、鼓膜が損傷している状態で綿棒でゴシゴシすると汚れを中に押し込んでしまうため中耳炎や内耳炎になる可能性が出てきます。 これの病気は神経的な怖い病気なので、汚れがひどいときは病院で洗浄してもらったほうが良いでしょう。 最後に豆知識をひとつ。 耳掃除をしていると咳がでることはありませんか? これは外耳の内側の部分が迷走神経という神経で支配されているためです。 迷走神経は喉のほうの神経も同時に支配しています。 そのため耳掃除すると喉が刺激され咳が出るという仕組みです。^^

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