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いつかどこかで

いつかどこかで

巨悪と闘う民事法廷サスペンス


『 レインメーカー 』 1997米

        原作   ジョン・グリシャム   『 原告側弁護人 』
        監督   F・F・コッポラ
        製作   マイケル・ダグラス
        出演   マット・デイモン   クレア・デインズ   ジョン・ヴォイト   ダニー・グローヴァー   ダニー・デヴィート
                  ミッキー・ローク

苦学の末ロウ・スクールを卒業したルーディ・ベイラーは、悪徳弁護士ブルーザー・ストーン事務所に就職。
司法試験に5回落ちているが保険関係に強いという中年男デックと組む。
雇い主のブルーザーが摘発されて雲隠れしたのを契機に、デックとルーディは独立。
初仕事は、白血病の青年ダニー・レイに支払い拒否をしている保険会社グレート・ベネフィット社に対する、母ドット・ブラックを原告とした訴訟。
ダニーは白血病で亡くなり、保険会社は示談を提示するが、人権派判事の援護もあって裁判へ。
百戦錬磨の被告側弁護士ドラモンドに対し、初めての法廷というルーディは苦戦する ・・・・。


久し振りに観た、グリシャム原作の法廷もの。面白かったです。
マット・デイモンは若く迷うことのない熱血弁護士で正義の味方、ダニー・デヴィートは有能で人の良い最高の友人、ミッキー・ローク演ずるボスは
悪党ながら有能な法律家、ジョン・ヴォイトは悪魔に魂を売った老練な弁護士、それぞれがはまり役で、人格的矛盾は皆無。
ぐいぐい魅せます。
ドメスティック・バイオレンスの被害者でルーディの恋人となるクレア・デインズもとても可愛いです。
勧善懲悪な結末も痛快。

グリシャム原作の法廷サスペンス、

    『 ペリカン文書 』 1993
    『 ザ・ファーム / 法律事務所 』 1993
    『 依頼人 』 1994
    『 ザ・チェンバー / 凍った絆 』 1996
    『 評決の時 』 1996
    『 ニュー・オーリンズ・トライアル / 陪審評決 』 2003

どれも面白いよね。でも実を言うと、グリシャムの原作はあまり読みません。法廷ものサスペンスとしては今ひとつもの足りない感じがします。
ストーリー展開で魅せる映画向きなのかも知れませんね。
それは例えば、先に書いたように、登場人物があまりにも揺れず迷わないことに因るのかも知れないと思います。
この映画でも、クレア・デインズの夫に関わる部分など、それでいいんかい ? とか、初っ端から大きな訴訟で勝ってしまったために次から
負けられないことを理由に弁護士を辞めるって、それでいいんかい ? とか、ちょっと釈然としない独善的な部分があることも確か。
心の負の部分を認めつつ迷いながら決断するんじゃなくて、「 だから自分は立派なのだ 」 みたいな描き方がね。

でも映画としては面白かったです。




『 シビル・アクション 』 1999米

        原作   ジョナサン・ハー
        監督   スティーヴン・ザイリアン
        製作   ロバート・レッドフォード
        出演   ジョン・トラボルタ   ロバート・デュヴァル   トニー・シャローブ

ボストン。法律事務所を経営する民事専門の敏腕弁護士ジョン・シュリクマンは、大手化学会社による河川汚染事故の情報を得る。
興味を引かれた彼は住民側の弁護について裁判に持ち込む。
医学的検査と科学的捜査のための多額の費用を自ら負担し、被告から和解金をせしめる計画だったが、被告側弁護士フェイチャーに負け、
裁判に敗訴、私財も使い果たし、パートナーの信頼も失う。
しかし絶望のなかでジョンは人として、弁護士としての信念を取り戻し、再び法廷に立ち ・・・・。


『 エリン・ブロコビッチ 』 2000 米

        監督   スティーヴン・ソダーバーグ
        製作   ダニー・デヴィート
        出演   ジュリア・ロバーツ   アルバート・フィニー   アーロン・エッカーズ

カリフォルニア州モハベ砂漠の小さな町。エリンは元ミス・ウィチタの美貌ながら、離婚歴2回、3人の子持ちで無職。
追突事故に巻き込まれ、引退を控えた弁護士エドに裁判の弁護を依頼するも和解金を取り損ねる。
職もお金もない彼女はエドの法律事務所へ押しかけ、強引にアシスタントとして働き始める。
書類整理中、彼女は不審なファイルを見つけ、孤軍奮闘の調査の結果、大企業の工場の土壌汚染の事実を突き止める。
エリンは、病に苦しみながらも訴訟には気乗りしない住民たちを説得するが ・・・・。



どちらも最高に面白かった作品。
片やフィクション、片やノンフクションですが、人が信念を持つことの何たるかを考えさせられます。
そして個人の成功の陰には必ず他の人の公私に渡る支えがあったことを改めて思います。

と同時に、アメリカの民事訴訟がどのように行われるのかを見ることができて大変面白いです。

ザイリアンは、 『 ボビー・フィッシャーを探して 』 の監督でもあり、大好きです。



ついでといっては何ですが、法廷ものではありませんが、個人のモラルと巨大企業との対決という意味で思い出した作品を紹介します。


『 インサイダー 』 1999 米

        監督   マイケル・マン
        出演   アル・パチーノ   ラッセル・クロウ   クリストファー・プラマー

TV人気報道番組 『 60ミニッツ 』 のプロデューサー、ローウェル・バーグマンはたばこ産業の極秘資料を入手。
全米第3位の企業B&W社の元研究開発部門副社長ジェフリー・ワイガンドと接触する。
ワイガンドはB&W社がたばこに不正に有害物質を加えている事実を握っていたが、病気の娘の医療手当をはじめ家族の生活を守るため、B&W社の終身守秘契約に同意していた。
彼がマスコミと接触したことを知った社は、彼とその家族に圧力と脅迫を加える。
板挟みに苦しむワイガンドは、ついにインタヴューに応じ、法廷で宣誓証言することを決意するが ・・・・。

実話です。
内部告発が大流行の昨今、人として何を為すべきかと考えてしまいます。
アル・パチーノの猪突猛進型熱血漢と、ラッレル・クロウの物静かで熟考型の技術者が秀逸です。




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