<宇宙の構造と桃源郷>
「原始仏教でも大乗仏教では、世界は三界、すなわち欲界、色界、無色界として把握されてきた。西欧では、やや異なった視点から世界を物質界、心魂界、精神界の三つに分類してきた。なお中国には桃源郷の伝説が残っている。山奥の洞窟をくぐりぬけて桃源郷に入り、それを眺めて里に帰ったら200年ほど経ていたという話である。
日本民話では、龍宮城が同様の世界である。原始仏典(長阿含経)にも海底の竜王宮殿の記述があり、ナーガルジュナが、大乗仏教を学んだのも竜王の宮殿であったと伝えられている。中国には蓬莱山(ほうらいさん)の伝説もある。仙人が住んでいる所は、遠くから見ると雲のようであり、近くで見ると海中にあるようであり、俗人が近づこうとしても風で押し戻されるといわれている。
観音菩薩がいるという補陀洛山(ふだらく山)、文殊菩薩が住むという清涼山(五台山)、普賢菩薩が住む峨嵋山(がびざん)も尊ばれた。ギリシャで語られたのは、西方の果てにあるという楽園エリュシオン、やはり西方の果てにあるヘスペリデスの園、北風に彼方(ヒュペルボレアス)の光輝く国では、ヒュペルボレオイ(極北人たち)が至福の生活を送っている。
チベットで言うシャンバラも同様の領域である。
これらの伝説的な聖域が指しているのは、西洋神秘学で言うエーテル界(いのち)の世界である。この世界は、地上ではないにしろ、地球圏に属する清浄で歓びに満ちた世界である。
また、月天、金星天、水星天は欲界天(霊界)に属し、キリスト教では、煉獄と呼ばれている。その彼方の太陽天、火星天、木星天、土星天は、色界(神界)にあたり、キリスト教では天国と呼ばれている。霊界を月天、神界を太陽天で代表させることもある」。
「薔薇十字仏教」西川隆範 著(国書刊行会)
(最近のアストラル界やエーテル界の研究を通じて、「あの世」が「この世」を規定していることが分かりだしたようだ?!シャンバラもエーテル界に存在している?!)
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最終更新日
2012.05.11 07:52:03
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