379968 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

映画に恋してる

映画に恋してる

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

夏恋karen

夏恋karen

Recent Posts

Category

Freepage List

Archives

2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12
2008.01.24
XML
カテゴリ:映画館で観た映画









この街に残る
思い出はつらすぎる。
深く立ち込める霧が

たとえ
すべてを塗りつぶしたとしても
時間は戻せない。





15年ぶりに
降り立ったロンドン。
長く苦しい月日は

彼のすべてを変えてしまった。
誰も彼だと
気づく人はいないだろう。




幸せにあふれていた
まるで咲き乱れる花のように・・・。
なんでもない毎日。



他には何も望まない。
彼には ただ
妻と娘が世界の全てだった。




引き裂いたのは誰
予期せぬ暗転。

悪夢はあまりにも突然に。


妻と娘は奪われ
彼は無実の罪で
冷たく暗い絶望の牢獄に。



ベンジャミン・バーカーは死んだ。
彼の名はスウィーニー・トッド。
戻ってきたその理由(わけ)を?



答えはただひとつ。
復讐だけが残された人生。
この身はすでに屍。



銀色に美しく光る狂気。
剃刀こそが
ただひとりの友。



今のうちに笑うがいい。
必ずあいつに近づく。
復讐だけが生きている理由。
ただひとつの自分への救済。



深紅の血の
滴りの海で
おぼれもがき苦しむがいい。




スウィーニー・トッドの
理髪店へようこそ。
そして、永遠に、
さようなら。




トッド



お腹の底にグッと響く
パイプオルガンの重厚な音色。
ロンドンの空は雨模様。
時折、しずくが血の色に染まる。



不安を煽るカメラワークに
早くも
早鐘のように高鳴る心臓の鼓動。
ハイスピードカメラは
一気に駆け抜ける
暗く湿ったロンドンの街を。




私たちのたどり着く先は惨劇のフリート街。
寂れたパイ屋のショーウィンドウが見える。
2階には灰色の空を映した窓ガラス。



そこにいきなり鮮血が飛び散り
それがいつしか「A Tim Burton's Film」の文字に・・・。
深紅の血はしたたり流れて
どこかへ延々と運ばれていく。


まさに物語へようこそ♪という感じなのだ。
気がつけば自分もすでに風景の一部(笑)
凝ったつくりのオープニングは
これぞティム・バートン印という感じ♪






さて、この映画は確か
ミュージカルのはずなんだけど
不思議と歌が物語りから浮いてない。
むしろ歌は自然な流れで
台詞の延長線上にちゃんとある。



朗々と唐突に歌い上げるシーンはほとんどなくて
抑圧された歌声が返って凄味になる。
かみ合わない内容の
畳み掛けるようなデュエットも
抑えたトーンが返って楽しくて・・。



舞台的な派手な歌の演出は
わざと極力しなかったんだと思うな。
ティム・バートンが作りたかった物語が
たまたまミュージカルだっただけなんだと
改めて再確認♪



主役はあくまで、歌ではなく
ジョニーの眼力とたたずまいです!!!




ギラギラした目で剃刀に口づけして
復讐を誓うスウィーニー・トッドに
ひたすら一途な思いを寄せる
パイ屋の未亡人、ミセス・ラベットが切ない。



復讐しか見えていない男は
せっかく目の前に来ていた
命より大切だったものに気づかず
愛する男しか見えていない女は
「聞かなかったから」言わずにおいた
たった一つの隠し事によって
ついには身を滅ぼすのだ。



血なまぐさい話なのに
レバーひとつで階下に落ちていく死体は
どこか悲しくて滑稽にさえ見える。
ミセス・ラベットが夢見る未来が
これ以上ないというくらいに
美しい色彩でカラフルなのも
ホントに素敵だ。



まいった♪これで
ますます私はティム・バートン教の熱烈なる信者に!




エンディングロールをぼんやり眺めながら
心はまったく別の場所。
私は今やすっかり慣れっこになった
血の海をボートで漂っているのだ。


今にも血が滴りそうな
灰色の空を見上げつつ
ふと考えるのは
ただひとつの光。
この物語の唯一の希望について。



「カナリヤは無事に飛び立てたのかしら?」



報復からは何も生まれない。
それは判っているけど
滝のように流れる血は
たぶんひとつのカタルシス。



残虐で目をそむけたくなるはずのシーンも
たとえようもなく美しいと感じてしまうのは
一体何故だったのだろう。
決して万人受けする映画ではないかもしれない。
だけど
まるで一枚の荘厳な絵のようなラストシーン。
切ない思いと重なって
きっと心に焼き付いて離れないだろう。











お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.03.13 21:34:28
コメント(28) | コメントを書く


Calendar

Comments

あかまっちゃん2004@ Re:アース  EARTH(01/17) ようやくDVDで見ました。ただ、プロジ…
Christophor@ ... [URL= <small> <a href="http://www.qerig…
セビセビ@ 七光り うおぅ。。 なぜかは分りませんが、禁止…
亜美tsugumi@ おおっ トムクルーズというキーワードに釣られま…
sweet sue@ 本当だ! 笑顔がキュートなところそっくり! 目元…
ねこんちゅ@ 七光り おはようございます。 七光りは日本も…
マリーmypink@ 使っちゃえ!七光り~(笑) こんにちは~~ うわっ!目元がそっく…
夏恋karen@ Heikさん へ ★Heikさん、おはようございます♪ >そ…

© Rakuten Group, Inc.