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テーマ:映画館で観た映画(8349)
カテゴリ:映画館で観た映画
もうひとりのエリザベスに 自分の姿を重ねた。 かなわぬ思いの向こう側 軽やかに二人は踊った。 頬にかかる甘い吐息と 触れる指先の確かなぬくもり。 自由なベスは 私の分身。 そっと放たれた無垢な小鳩。 切なさと羨望が 入り混じる甘美な時間。 目を閉じればあの人の肩越しに まだ見ぬ世界の 大海原が見える。 満たされぬ想いと 孤独な日々を 忘れるために しばしこの身を委ねよう。 たくさんの人に囲まれていても いつも心は独り。 国に全てを捧げることを 誓ったあの日から。 違う場所 違う時代に生きていたら あの人は私を 愛してくれただろうか? もしも私が彼だったら・・・ もしも私が彼女だったら・・・ 何度エリザベスはそう思ったでしょう。 何もかも手中にできるはずの 女王という立場にいながら どうしても手に入らないのは 人を自由に愛するということ。 冒頭でも再現しましたが ダンスのシーンが この映画で一番心に残りました。 ふたりを見守るエリザベスの表情が 彼女の想いを すべてを物語っていて 切なくて胸が痛みました。 不思議な距離の屈折した三角関係。 主導権を握っていたのは もちろん自分のはずだったのに その後ふと気がつけば 大切なものは その手を離れて手の届かないところへ。 事実を知ったときの 女王の取り乱し方は まったく普段の彼女らしくないものでした。 カトリック教徒の不穏な動きを知りながらも 「罪を犯した者は処罰をするが 犯さぬ者は保護する。 行いで民を罰しても 信念では罰しない」。 と宣言した あの気品と自信にあふれたエリザベスとは 同一人物とは思えないほど。 歴史絵巻というよりも ひとりの女性としての エリザベスを追いかけました。 国民のために国に全てを捧げることを誓ったのに 思わぬ魅惑的な男の出現に 心が揺れ動き惑い苦悩する姿。 若く美しい侍女ベスに 自分の姿を重ねて心を慰める心理。 だけど、鎧をまとって 自ら戦場に赴き 避難を勧める臣下たちを尻目に 強い決意を国民に示したとき 彼女の中で何かが昇華したのを 私は確かに感じました。 気品と威厳あふれる女王は あの瞬間 さらに高みに達したのだと。 ラスト近く。 すべてを許し ベスとローリーの赤ちゃんに 「祝福を・・・」と言って抱き上げるシーン。 まるで聖母マリアのようなエリザベスの表情。 神々しくて涙がでそうでした。 ケイト・ブランシェットって 本当にすごい女優。 もはやエリザベス女王を演じることができるのは 彼女以外にありえないでしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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こんばんは~
あのダンスシーンに彼女の想いが凝縮されてましたね。。。切なかった・・・ この↑の表情、哀しいです~ ケイトの演技に惹き込まれました・・・ ジェフリーは、あまり目立たない役でしたが~この作品では彼のポジションも重要なんですよね。 クライブ(ローリー卿)がイマイチつかめない男で~凄くやなヤツに思えました。 あの思わせぶりな態度は女の敵だ~!と思ったり・・・ 夏恋さんがおっしゃってる、そういう全てを赦す・・あのシーン。。。美しかったです。 1枚の絵画のようでした。 ブラボー!ケイト♪ TBありがとうございます~ (2008.03.04 21:55:58)
>もはやエリザベス女王を演じることができるのは
彼女以外にありえないでしょう。 と言う夏恋karenさんの言葉に納得です! 彼女以外は考えられませんよね^^ 歴史絵巻としてはちょっと物足りないところも ありましたが、女王としてのエリザベス、女王ではなく、一人の人間、一人の女としてのエリザベスの 心情が描かれていて見ごたえがありました。 この作品はケイトに尽きると思いました^^ (2008.03.04 22:33:59)
★マリーさん、おはようございます♪
>あのダンスシーンに彼女の想いが凝縮されてましたね。。。切なかった・・・ >この↑の表情、哀しいです~ >ケイトの演技に惹き込まれました・・・ ★複雑な心理ですよね・・・ケイトには何かどちらの性別をもあわせもつ中性的な匂いがします。いろんな含みのあるシーンだったと思いました♪ >ジェフリーは、あまり目立たない役でしたが~この作品では彼のポジションも重要なんですよね。 ★そうそう♪そうですね! ついついケイトの存在感で、そちらにばかり話題が行きますが、彼は大事なポジション!ひとくせありそうな切れ者ぶりは、さすがジェフリー・ラッシュという感じでした。 >クライブ(ローリー卿)がイマイチつかめない男で~凄くやなヤツに思えました。 >あの思わせぶりな態度は女の敵だ~!と思ったり・・・ ★エリザベスには、「この世界であなたを愛しました」とかなんとかいいながら・・・ね~!!??? おいおい・・・どっちだよ~と、ひとりツッコミは入りました(笑) >夏恋さんがおっしゃってる、そういう全てを赦す・・あのシーン。。。美しかったです。 >1枚の絵画のようでした。 > >ブラボー!ケイト♪ ★ケイトの独壇場だったというのが私の印象です。他の役者さんの演技も素晴らしかったですが、振り返るとエリザベスの顔しか浮かんでこない♪ (2008.03.05 09:12:16)
★ひろちゃん、おはようございます♪
>彼女以外は考えられませんよね^^ ★この役は、やはりケイトのような、性別不明感のただよう役者さんでなければ、本質的な部分がうまく伝わらないと思いました。 女性でありながら、同時に国を守っていく男のような部分も持ち合わせていなければならなかったんですものね! >歴史絵巻としてはちょっと物足りないところも >ありましたが、女王としてのエリザベス、女王ではなく、一人の人間、一人の女としてのエリザベスの >心情が描かれていて見ごたえがありました。 >この作品はケイトに尽きると思いました^^ ★歴史モノ大好き!で観に行った人は、少し消化不良だったかもしれません~♪ これは歴史の中の一人の女性にスポットを当てた映画。ケイトの独壇場でした(笑) (2008.03.05 09:16:33)
世界の無敵艦隊を相手によく統治しました
そして宿敵のカトリックとの戦いもクリアしました 女王の絶対的な立場と国の繁栄は彼女の威信になったのでしょうか ケイトはエリザベスそのもでした (2008.03.05 15:00:21)
あーーー(ーー;)ちょーみたーい。ちょーーーーみたーーーーい(T_T)うぅ。うぅ。
(2008.03.05 22:49:53)
ケイトの演技力のスゴさを初めて感じたのが、
シッピングニュースの、極悪かあちゃんの役。 赤い髪で、ものすごく毒づいてましたよね~。 でもその後ロードオブザリングで 妖精のお姫様になってて。 いつも新鮮な驚きがありますね、彼女は。 (2008.03.06 00:05:05)
★イケメンシナさん、はじめまして♪
>世界の無敵艦隊を相手によく統治しました >そして宿敵のカトリックとの戦いもクリアしました >女王の絶対的な立場と国の繁栄は彼女の威信になったのでしょうか >ケイトはエリザベスそのもでした ★そうですね! なんだか神がかったものさえ感じました。 ケイトが演じることによって、得られたものも大きかったと思います! (2008.03.06 07:57:41)
★JJちゃん、久しぶり♪
>あーーー(ーー;)ちょーみたーい。ちょーーーーみたーーーーい(T_T)うぅ。うぅ。 ★本能の赴くままのコメント、ウケました♪爆・爆 (2008.03.06 07:58:46)
★ららあさん♪ありがとう!
例の件、うまくいったみたいでうれしいです~!! >ケイトの演技力のスゴさを初めて感じたのが、 >シッピングニュースの、極悪かあちゃんの役。 >赤い髪で、ものすごく毒づいてましたよね~。 ★よくあんな役を引き受けましたよね!(笑) 迫力でした~!印象深いです!! >でもその後ロードオブザリングで >妖精のお姫様になってて。 ★そうそう!妖精のお姫様ですよ!? なんか人間離れしたものも、ケイトの中には感じますよね(こら) 悪い意味ではなく、ティルダ・スウィントンに感じるのと同じ種類の雰囲気です♪ >いつも新鮮な驚きがありますね、彼女は。 ★最近、DVDで教え子とイケナイ関係になってしまう女教師の役を演じた、「あるスキャンダルの覚書」を観ました♪ またぜんぜん違う人でした~!(当たり前) 次は、女なのに演じたボブ・ディランですね! ケイトの百変化にこれからも注目したいです♪ (2008.03.06 08:04:52) |
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