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カテゴリ:日々の出来事
友人の所属する劇団の冬公演を見に行ってきました。 とても素晴らしい劇でしたので、ご紹介したいと思います。 (あらすじなどは私の記憶を辿って書きましたので、間違いなどありましたらごめんなさい) ************************************************************************** 【ストーリー】 カメラ好きの青年布川は、会社で極秘開発されているタイムマシン 「クロノス・ジョウンター」の実験に参加しないかと上司から声を掛けられる。 布川には両親や身寄りがいない。だから実験対象として白羽の矢が立ったのだ。 なぜなら、試作段階の「クロノス・ジョウンター」には欠点があった。 4年前の過去にタイムトラベルすると、すぐに35年後の未来に飛ばされてしまうのだ。 腕時計型の装置を身につけることによって、4年前の時代に4日間だけ滞在することができるが、 現在に戻ってくることはできない。 この危険な実験に、布川は参加することを決意する。 彼は2004年12月25日に解体されてしまった「朝日屋」という旅館をカメラに納めたいと思っていたのだ。 実験当日、布川の希望で、到着する目標の日時や場所が決められた。 日時は朝日屋が解体される2日前、2004年12月23日。 場所は朝日屋の駐車場。 照準を定めたクロノス・ジョウンターに乗り込むも、 彼が到着したのは朝日屋から1kmも離れたゴミ捨て場だった。 そこで出会ったのがイラストレーターをしている圭という女性。 彼女はタイムトラベルの衝撃で動くことができない布川を介抱し、 喫茶店を経営する自分の実家へ連れて行く。 圭に朝日屋のことを話した布川は、圭の案内で朝日屋へと向かった。 しかし、残念ながら工事準備の為にシートが掛けられ、その姿を見ることはできない。 それから圭は周りの反対を押し切って、布川に朝日屋を見せる為に奔走する。 そして次第に布川に惹かれていく自分に気付き、婚約者である香山との婚約も解消してしまう。 やがて布川が未来からやってきたことを知った圭は、 彼が消えてしまう日まで、彼の傍にいようと決意するのだった。 布川もまた圭に惹かれいた。 しかし、彼には僅かな時間しか残されていない。そしてもう二度と会うことはできないのだ。 圭の幸せを思い、想いを断ち切ろうとする布川だったが、 気持ちが抑えきれずに圭に会いに行ってしまう。 そんな中、資産家の息子である香山の計らいで、 朝日屋に掛けられたシートが一日だけ外されることになった。 そのことを知った圭と布川は、急いで朝日屋へと向かう。 朝日屋の姿を目に焼き付ける二人。 しかし、カメラに朝日屋の姿を納める間もなく、布川は突然倒れてしまう。 この時代に布川を留まらせてきた腕時計型の装置のメモリが、あと僅かになっていたのだ。 早すぎる別れが二人に訪れる。 それでも布川に悔いはなかった。圭と朝日屋を見ることができただけで十分だった。 35年後の未来・・・2039年12月24日 布川の足は、圭の実家のカフェがあった場所へと向いてた。 売られる予定だったカフェは、35年前そのままの姿で残っていた。 懐かしさを覚えながら店内へと入る布川。 カウンターの奥から笑顔で迎えてくれたのは、圭の元婚約者である香山にそっくりの男性だった。 「布川さんですよね?お待ちしておりました。」 彼は香山の息子で、父は数年前に亡くなったと話してくれた。 そして彼は、布川に父からの手紙を差し出した。 そこには、香山がその後も圭と結ばれなかったこと。 布川がクロノス・ジョウンターに乗り込んだ2008年12月23日と同じ日に、 圭が同じようにタイムスリップしたこと。などが書かれていた。 驚きの表情で手紙を眺める布川を、お店の外から見詰める女性が・・・ 圭である。 彼女は運命が狂うことを懸念して、 布川と同日の2008年12月23日まで4年間もクロノス・ジョウンターに乗ることを待っていた。 そして一度4年前の過去に行き、35年後の未来まで布川を追いかけてきたのだ。 二人は思い出のカフェで再会し、思い出のコーヒーを飲みながら、 2004年に祝えなかったクリスマスイブを祝うのだった。 ************************************************************************** 原作は「クロノス・ジョウンターの伝説」 脚本は「劇団キャラメルボックス」の成井豊さんです。 洗練されたストーリーには色々な仕掛けがありました。 全てが繋がっている。そんなストーリーでした。 そして、役者さんたちの熱演にも引き込まれました。 布川と圭が別れるシーンや、圭が家族と別れて「クロノス・ジョウンター」に乗り込むシーンなどは、ぽろぽろ涙がこぼれました。 圭の一途で一生懸命な姿は、私が忘れてしまった純粋なもののような気がします。 周りからには我侭に映るかもしれませんが、私は圭に共感できました。 圭のように自分を信じて生きて行かれたら、きっと人生は充実するだろうな。 小さな会場でしたし、大掛かりな舞台装置などはありません。 カウンターとテーブル、鞄などの小道具が少し。 手の込んだもと言えば、鉄パイプでできた「クロノス・ジョウンター」。 それでも笑いあり、驚きあり、涙あり。 この小さなステージに色々なものが詰め込まれていました。 演劇の素晴らしさを知った一日でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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