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ラッコの映画生活

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2008.09.17
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カテゴリ:ヨーロッパ映画
LIEBTE DER OSTEN ANDERS? - SEX IM GETEILTEN DEUTSCHLAN
Andre Meier
52min(1 : 1.33、ドイツ語)
(桜坂劇場 ホールCにて)

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もともとはドイツのドキュメンタリー・テレビ番組。山形の国際ドキュメンタリー映画祭に正式出品され、人気だったようだ。日本語タイトルはとっても素敵な(?)、オシャレな(?)ものだけれど、内容を裏切っていないし、なかなか上手いですね。調べてはみたものの、ボクのドイツ語力ではちょっと良く解らなかったかったのだけれど、原題は「東の違いが大好き - - 分裂ドイツのセックス」ぐらいの意味なのだろうか。内容は、戦後自由主義圏の西ドイツと共産主義圏の東ドイツに分断されたドイツで、いかにセックスのありようが違ったかを、東ではセックスはこうだったというのを、どちらかと言えば東のあり方を好意的に捉え、西の人に教えるという形で、東西の比較をしている。

たった52分で映画1本分の入場料を払うのだから(会員料金は普段より100円値引きされていたとしても)、やや損するような感じがないでもないけれど、でもこの映画館の、曜日と時間にしては、けっこうお客さん入っていました。話題性が高いのか、SEXという語を含むタイトルに惹かれたのか。女性の比率が高かったですね。

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このブログの映画レビューのようなもの、ボクはあまり構成なんて考えずに書いてます。だからこれからの文がどうなっていくかまったく解らないのだけれど、なんとなく脱線も含めて後半が長くなりそうな気配。もしかしたら1回分の制限字数を超えてしまうかも。そこで基本的なことを先に書いてしまいます。

作品の構成は、昔の記録フィルムとか、東ドイツだから一種のプロパガンダ(あるいは国民教育的)映像だとか、そういうものと、映画制作時点での識者(歴史家とか社会学者とか)数名へのインタビュー、紹介される内容を簡単に表現したちょっとコミカルなアニメ映像。それとナレーション。この4つの混交から出来ていた。その作り方自体は珍しいものではないけれど、それが実に小気味良く速いテンポで進んでいく。ここ10年以上ほとんどテレビを見たことがない自分なので、あくまで過去にボクの知っているテレビの印象だけれど、同種のドキュメンタリーを日本で作ったら90分とかになってしまうんではないだろうか。そしてそこで使われる(つまりは集められた)記録フィルムや写真等も、もっと貧弱(少数)なのではないだろうか。そういう意味で、必要な資料をふんだんに集めて必要なものをしっかり選び、識者へのインタビューも識者の回答部分で重要な部分だけをしっかり選び、ナレーションを含めてテンポが速いから、ちょっと息抜き的にコミカルなアニメーションを入れてという構成で、必要なことはすべて示すけれど無駄がなく、この作品の内容に対する評価以前に、ドキュメンタリーとしての作り自体がまず良かった。こういう実質本意の番組が多かったら、ボクもここまでのテレビ嫌いにはなっていなかったかも・・・。

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さて内容だけれど、第二次世界大戦が終わってドイツは西側とソ連圏の2つに分断されてしまった。もちろんそれ以前にも地域差っていうのはあったろうけれど、2つの異なった体制下で、ことSEXに関して比較してみると、同じドイツ人の国でありながら、まったく正反対のような別の文化になっていった。端的に言ってしまえば、東ドイツでは、性解放や性を含む男女の対等化が、ここが重要なところなのだけれど、実質的・事実上達成された。そしてその結果として、例えば女性の Orgasmus 達成率が物凄く高くなる。

一方の西ドイツはどうだったか。こちらの方は我々もどちらかと言えば良く事情を知っているし、日本もある意味似たり寄ったりかも知れない。もちろん日本はまた更に日本的特殊性もあるけれど、本質は似ていて、どちらかと言えば西のあり方は日本人にもピンとくると思う。西ドイツではある時点でポルノが全面解禁されたり、ヒッピー文化とかフリーセックスとかの流れもあり、時代とともに性が解放されてきたと、東の事情を知らない我々は思っていた。しかし実は、思いもよらなかったことに、東よりもはるかに不自由な状態にあった。性産業は氾濫し、真面目な話題であってもSEXは口にするのもはばかられ、忌避されるもののまま。学校での性教育も実現しない。経済社会・競争社会に規定された性だから、男性社会の性で、でも男性の新婚インポはあるし、女性の Orgasmus 率も低い。タントラだか何だか、女性たちが Orgasmus や G-spot を探究する宗教じみたトレーニング(?)の映像は笑えた。

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ではどうしてこのような東西の差が生じたのか。東は共産国で楽しみがないからSEXが盛んだったなどという説は、共産主義を批判しようとする西側の人々の悪意でしかないだろう。1945年に第二次世界大戦が終結する。もちろん男性の多くは兵士として出征しており死者も多かった。ドイツは西と東に分断されることになるが、そしてそれは1961年のベルリンの壁建設で決定的となる。ところで戦地から男たちが帰還兵としてドイツに戻ってくるが、多くは西ドイツに行った。結果として西ドイツの国民の男女比はおおむね正常だったけれど、東ドイツでは男性が少なかった。戦後の経済復興として、共産主義国としての国家建設、軍事など国の運営、そのためには労働力が必須だったが、男が少ないから当然のこと女性の労働力が求められた。それも家計ではなく国を支える労働力として。つまりは社会主義共産国家東ドイツにとって、女性の労働力は国の持つ重要な資源だった。

当然に国は女性が働ける条件を整備した。それは例えば男性と比較して劣らない賃金であろうし、工場等職場に無料の優良な託児所を設置することだ。人口の回復と増加は国力のもとだから、子供を持つことが夫婦(あるいはシングル・マザー)の負担とならない政策も実施される。夫婦に子供ができれば優良な国営住宅が優先的に与えられた。男女の健全で自然な(それは対等をも含意する)交際と、SEXへの自然な欲求やその悦びが、ひいては出生率の増加になると考えたのだろう。十代の自然な欲求は肯定され、またそのためには学校では必要な性教育が行われ、伝統的な古い発想の親や社会の意識改革に力を入れる。

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西側世界では資本主義の競争原理が支配していて、あるいは性をも含めすべてが貨幣価値に換算され、従来の男性による支配体制が維持され、教会による性の罪悪視はあり、社会は性を忌避した。結果として一方ではポルノ等性産業が発達し、性の解放はヒッピーやフリーセックスという形でいわば反体制的・反社会的な現象として現れ、またフェミニズムの運動などがあった。性が競争原理の下にあるということは、男は恋人の前の彼氏よりも自分がSEX上手で、恋人をより満足させなければと、かえって男を畏縮させた。女は他の女性よりもスタイル的に魅力的でなければと、豊胸や痩身を競争する。自分も Orgasmus を感じなければと Orgasmus や G-spot 探究に励んだけれど、結果としての Orgasmus 率は東に遥か及ばない。

そろそろ1ページの制限字数に近付いてきたので、一応閉じる準備をしよう。そんなわけで、一見「不自由な東」と「自由な西」なのだけれど、男女の本質的対等化・平等化とか、それがあってはじめて実現される性の解放が、実質的・事実上東ドイツでは達成されてしまっていたというわけである。そしてSEXに関して、その東の姿の方が人間としてより自然な姿であり、幸せなのではないかというのが、このドキュメンタリー製作者の主旨だ。

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Last updated  2008.09.20 04:44:20
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