火星さんの日記

火星さんは先日この映画を見てきました。
・・・・ときメモを早くレビューしろという声が聞こえるような
気もしますが、気のせいです、多分。

さて、この映画の感想ですがすっごいおもしろかったです。
ではレビューにいってみましょう！

【インビクタス～負けざる者たち～】：評価90点
この映画について言いたいことは、この映画の主人公は
モーガン・フリーマンでもマット・デイモンでもなく、
南アフリカ国民なのだということです。

もちろん、お話の軸はネルソン・マンデラと南アのナショナルチーム主将の
フランソワが中心です。しかし、中盤からクライマックスに向けての
シーンでたびたび映され、すこしずつ変化していく人々こそが
この映画、ひいては南アフリカという国の主人公なのだと
思わされます。

もちろん、この映画の図式　だ　け　を非常に穿った見方で観察すれば
できすぎた話だと評価したり、事実の一面だけしか現していないという評価、
はたまた、旧ナチスドイツのようにスポーツを利用したナショナリズムの発揚だと
いう見方もできるでしょう。

しかし、火星さんはそういった穿った見方をしたくはありません。
なぜならば、ラグビーとは英国およびそれに連なる国々の人達にとっての
アイデンティティーであるからです。火星さんは英国の歴史の造詣はそれほど
深くはありませんが、オーストラリア、ニュージーランドなどの旧英国植民地に
おけるラグビー人気や、友人からの話を総合すればそうそう間違ってはいないと思います。

そして、それは南アフリカでも同様であると同時に、憎むべき過去の象徴でもあったと
考えられます。すなわち、ラグビーとは白人系南アフリカ人にとっては紳士の象徴であり、
アフリカ系南アフリカ人にとっては差別の象徴であったのです。

この図式においてマンデラがラグビーを国を一つにまとめあげるためのツールとして
利用する決断をしたということは、どれほどの葛藤があったのでしょう。
同様に葛藤をかかえていたであろう、アフリカ系南アフリカ人のひとたちの
苦労はどれだけのものであったのでしょうか。

以上のように、この映画は歴史的な背景を簡単に予習しておくと非常に
面白く、味わい深いものとなると考えています。

さて、火星さんがこの映画をべた褒めする理由はもうひとつあります。
途中から気づいたのですが、この映画には明確な
（ネタばれにつき反転）「敵」がいま（ネタバレ終了）せん。

これは非常に新鮮でした。なんとなく見ていると気づかないのですが、
思い返すとこの映画には（ネタばれにつき反転）
計画を邪魔する人がいない（ネタバレ終了）のです。
なんというか、偽善っぽくて嫌だと感じる人もいるでしょうが、火星さんは
非常に好感が持てました。
目の前にあるのは課題の山だけ。そんな感じのする映画に性善説的なテーマを
感じ火星さんは心が暖かくなりました。

そうそう、別な楽しみ方としてマンデラの凄さを感じるというのもあります。
なんというか、ネルソン・マンデラという人物の器のデカさだけはいやでも伝わります。
すごい人だったんだ、としきりに感心するだけでも210分はすぐ終わるとおもいますｗ
だって、火星さんもあっという間でしたもん、この映画。
たいてい、200分以上の映画はどこかで長いなあ、削ってもいいんじゃね？みたいな部分が
あるんですけどね。この映画は殆どそういう場面はありませんでした。

さて、あんまり書き連ねても意味が無いのでこの辺にしときます。
ふう、それにしても日本もこんな感じですごい人が排出されないもんですかね・・・
ああ、火星さんにそういう人物になれっていうツッコミはなしでｗ

ではでは、したらな！

インビクタス公式サイト（注：重いです！）