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カテゴリ:特集
アスペルガー症候群の原因は親の育て方ではありません
アスペルガー症候群の原因はまだ解明されたわけではありません。しかし親の育て方、虐待、愛情不足などが原因ではありません。アスペルガー症候群の子どもは幼児期から漢字を覚えていたり、計算が得意だったりするために、親が教育熱心すぎて愛情に欠けると周囲から思われていることがあります。また正しく診断されていないことが多いために「わがままでしつけのなっていない子ども」とみられていることもあります。アスペルガー症候群の行動特徴の多くは、認知発達の偏りで説明がつきます。認知発達の偏りをもたらすのは何らかの脳機能の微妙な障害です。アスペルガー症候群の原因はおそらく一つではないでしょう。遺伝的要因や、妊娠中や出産時、出生後ごく早期の何らかの障害のために脳の特定の部分に障害が生じたのだろうと考えられています。 診断をめぐる問題 アスペルガー症候群はいつも正しく診断されているわけではありません。一つの理由は精神科医や小児科医、臨床心理学の専門家の間でもアスペルガー症候群の概念は、日本ではまだあまり浸透していないことがあります。また日本の医療現場では健康保険制度上の問題もあって初診時の診察時間が短いことも一因です。アスペルガー症候群の子どもは短時間の診察室での面接や診察では障害特性が明らかに現れないことが多いのです。そのため「親の気にしすぎ」などとされ「正常」と診断されることもあります。また学習上の問題や不注意や多動性などの方が微妙な社会性やコミュニケーションの問題などより目に付きやすいために「学習障害(LD)」や「注意欠陥/多動性障害(AD/HD)」などと診断されていることも少なくありません。「こだわり」が目立つために強迫性障害として治療されていることもあります。 成人期になって初めて診断が下されることも少なくありません。こういった人たちも、多くが専門医を受診しているのですが、「分裂型人格障害」、「単純型分裂病」、「ひきこもり」などの診断がつけられていることもあるようです。 青年期・成人期のアスペルガー症候群 これまでアスペルガー症候群の子どもについて述べてきましたが、その多くが成人のアスペルガー症候群の人にもあてはまります。アスペルガー症候群は児童期に明らかになります。その特性は年齢によって微妙に変化はしていきますが。本質的には成人期まで継続してみられます。 アスペルガー症候群の人が成人期になって初めて診断される場合も珍しくありません。成人期の診断は診察時に3つ組の存在が認められ、かつ幼児期から3つ組の障害が明らかであったかどうかを確認することで診断がつきます。したがって正確に診断するためには発達期のことを良く知っている家族の情報が必要になります。 調べてたら長くなったにょろ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.02.09 02:18:07
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